ホテルのフロントで働くなら接客用語を押さえよう!
ホテルのフロントスタッフには、適切な接客用語を身につけることが求められています。接客用語とは、お客様に対して使用する代表的な言葉です。
一見シンプルな言葉ではありますが、正しく意味を理解して使い分けることは意外と難しいもの。せっかく良い接客をしても、言葉遣いを間違えただけで台無しになってしまうかもしれません。
正しい言葉遣いには、空間を穏やかにしたり、適度な緊張感を加えたりする効果があります。接客用語を使いこなして、お客様とのコミュニケーションを豊かにし、ホテルマンとして信頼を得ていきましょう。
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ホテルのフロントの接客用語:7大用語
ホテルのフロントでもよく使われる接客用語に、7大用語という表現があります。7大用語は以下の通り。
- (1)いらっしゃいませ
- (2)少々お待ちください
- (3)かしこまりました
- (4)お待たせいたしました
- (5)申し訳ございません
- (6)恐れ入ります
- (7)ありがとうございました
耳にすることが多い表現ですので、知っている方は多いでしょう。
しかし、言葉遣いを知るだけでは意味がありません。接客の中で正しく使えるように、それぞれ詳しく確認していきましょう。
(1)いらっしゃいませ
来店されたお客様を歓迎したり、店内に迎え入れたりするための言葉です。しっかりとお客様のいるほうを向き、笑顔で挨拶することがポイント。
フロントスタッフは、お客様のホテルに対する第一印象を左右するポジションです。語尾を伸ばさないように心がけると、きちんとしたイメージを与えられます。
(2)少々お待ちください
接客の最中にその場を離れる場合や、準備が必要なときは「少々お待ちください」と、ひと言述べるのがマナーです。
より丁寧な表現として、「少々お待ちいただけますでしょうか」「少々お待ちくださいませ」があります。このような心配りが、ホテルの印象アップにつながるのです。
(3)かしこまりました
お客様からの依頼をしっかり理解したことを伝える表現です。
注文や要望に対して承諾の気持ちを示す場合は、「わかりました」や「了解しました」ではなく「かしこまりました」を使いましょう。
(4)お待たせいたしました
お客様をお待たせした後には、必ず「お待たせいたしました」「大変お待たせいたしました」と述べましょう。
短時間であったとしても時間を取って申し訳ないという気持ちと、待ってもらったことに対する感謝の気持ちを表してください。お客様とのトラブルを避けるために必要なひと言でもあります。
(5)申し訳ございません
迷惑をかけたり、ミスをしたりした場合は「申し訳ございません」が適切です。表情や声のトーンに気持ちを込めることで、お客様の不機嫌をより緩和できるかもしれません。
必要以上に言ってしまうと、かえっていらいらさせてしまうことがあるので、適度に使うようにしてくださいね。
(6)恐れ入ります
「恐れ入ります」は2種類の使い方ができる言葉です。
1つ目は、感謝を伝える言葉として使います。恐縮という意味も込めて「ありがとうございます」の代わりに使われているようです。
2つ目は、頼み事をする場合。クッション言葉として、相手の心情を害さないよう「恐れ入りますが……」と初めに述べます。
(7)ありがとうございました
接客業の基本は感謝の気持ちです。お客様が注文してくれたときや、お店から出るときなど、さまざまな場面で使えます。
日常会話では「すみません」と言ってしまうような、お客様からの配慮があった場合にも「ありがとうございました」と伝えましょう。
人によるかもしれませんが、お客様も謝罪より感謝の言葉をもらったほうが気持ち良く過ごせるのではないでしょうか。
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ホテルのフロントの接客用語:よく使うクッション言葉
ホテルで快適に、そしてマナー良く過ごしてもらうためにも、常に柔らかい言葉を意識して接客することが大切です。
ホテルのフロントの接客用語として、実用性のあるクッション言葉を紹介します。お客様にお願いするときと断るときに分けて、それぞれ見ていきましょう。
お願いするとき
お客様に何か頼まなくてはいけない場合や、提案するときなどに使うクッション言葉です。
- 恐れ入りますが~
- お手数ですが~
- よろしければ~
- 差し支えなければ~
- 申し訳ございませんが~
たったひと言付け加えるだけで、お願いに対して快く受け入れてくれる方が多くなるでしょう。
ホテルスタッフはお客様第一に考え行動しますが、だからといって好き勝手利用してもらって良いわけではありません。
お客様とスタッフ、双方にとって心地良い時間となるように、ルールやマナーをきちんと伝えることがフロントスタッフの役目です。
断るとき
気持ちに応えられず、残念な思いを抱かせてしまうといったときに使えます。
- 恐縮ですが~
- ご希望/ご期待に添えず大変申し訳ございませんが~
接客をこなしていく中で、どうしてもお客様の要望に応えられないという場面に出くわすこともあるでしょう。
「きっぱりと断りづらい」というときに、できるだけ和らげて伝えられるクッション言葉です。
前の項目で触れていますが、ただ言葉を述べるだけでなく、気持ちを込めて伝えることを意識しましょう。
ホテルのフロントの接客用語:間違いやすい表現
接客用語として使われている言葉の中には、誤った使い方をされている用語があります。
フロントスタッフはホテルの「顔」です。レベルが低いと思われないためにも、誤用されがちな接客用語について確認していきましょう。
~でよろしかったでしょうか
相手に確認したり、了承を得たりする際によく使われている言葉です。
接客用語の誤用として、代表的に挙げられている言葉でもあります。普段過ごしている中で、何度か耳にしたことがある方も多いかもしれません。
正しくは「よろしいでしょうか」です。
【誤】~でよろしかったでしょうか
【正】~でよろしいでしょうか
~のほう
人物に対して用いられる「方(かた)」と、物と物の比較を表す「ほう」が混同されて、比較対象がないものにまで誤用されている表現です。
言葉のリズム的に付け足したくなってしまう場面も多いのですが、癖づいてしまうと意識しなければなかなか直りません。
比較対象がないときは使わないという意識を持って、接客しましょう。
【誤】商品のほうはこちらです
【正】商品はこちらです
~になります
「なります」は、対象物が他の物に変化するときに使う言葉です。
事実のみを述べる場合に使用するのは誤り。
「なります」という言い方がふさわしくないと思ったら、「ございます」に変換して話してみると、しっくりくるかもしれません。
【正】客室はこちらでございます
~から
清算時に使われることが多いですが、「から」は場所の起点を示す言葉です。
そのため、清算時に使う言葉としては適切ではありません。
また、お金を丁度いただいたときは返すもの(お釣り)がありませんので、「丁度お預かりします」ではなく「10000円頂戴いたします」が正しいようです。
【誤】10000円からお預かりします
【正】10000円お預かりします
こちらにお座りください
「こちらにお座りください」という言葉遣いが間違っているわけではありません。しかし、接客用語としてはあまり良い印象を与えないため、注意が必要とされています。
「お座り」という表現が、ペットに対するお座りをイメージさせてしまう場合があるようです。そのため、「こちらにお掛けください」と言うようにしましょう。
【誤】こちらにお座りください※
【正】こちらにお掛けください
※接客用語として誤り。
正しい接客用語をシーンに合わせて使い分けることが大切
ホテルのフロントスタッフは、言葉遣いが特に大事な職種です。言葉遣いの良し悪しは、企業のイメージを変化させます。
重要なのは、難しい言葉を使いこなすことではなく、正しく丁寧な言葉を使うこと。日常会話の延長ではなく、接客に必要なビジネススキルとして身につけることを理解しましょう。
言葉遣いは場面に合わせた使い分けができれば、コミュニケーションがより円滑に進みます。また、お客様に安心感を与え、信頼を獲得することにもつながるでしょう。
質の高い接客スキルを身につければ、ホテルマンとしての評価はより良いものになるはずです。
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ホテルのフロントスタッフとして身につけておきたい接客用語の基本を紹介しました。
「上品」「スマート」「質が高い」などという言葉を連想させるホテルでは、お客様の期待値も高いものです。
最高峰のおもてなしを提供できるように、正しく丁寧な言葉遣いを心がけてくださいね。
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