接客の仕事を始めたばかりの人が最初に戸惑うのが、レジでのお会計の言い方です。
「ちょうど頂戴いたします」と「ちょうどお預かりします」のどちらが正しいのか、現場でも混在しているため判断しにくいのが実情です。
この記事では、お会計時の正しい言い方の基本から、お釣りがある場合・カード払い・電子マネーなど場面別のフレーズまで解説します。
レジでのお会計の言い方は場面ごとに決まっている
お会計時の言い方は、金額提示・預かり・お釣り返却の3つの場面ごとに適切なフレーズが異なります。
場面に合わせた言葉遣いを身につけることが、接客の基本として求められます。以下の表で、場面別の推奨フレーズと注意点を確認しましょう。
| 場面 | 推奨フレーズ | 注意点 |
|---|---|---|
| 金額提示 | 「〇〇円でございます」 | 「〇〇円になります」は避ける |
| 預かり | 「〇〇円お預かりします」 | 「頂戴いたします」は後述 |
| お釣り返却 | 「〇〇円のお返しです」 | 「お釣り」より丁寧な表現 |
| 端数なし | 「ちょうど頂戴いたします」 | お釣りが発生しないことを明示 |
お会計時の基本的な流れ
レジでのやり取りは、金額提示・預かり・お釣り返却の三段階で構成されます。
まず合計金額をお客様に伝え、次にお金を受け取り、最後にお釣りとレシートをお返しする、という順序が基本です。
飲食店でも物販の店舗でも、この三段階は共通しています。各段階で使う言葉が前後とつながって初めて、一連の丁寧なお会計対応として成立します。
金額提示のフレーズ例
金額を伝えるときは「〇〇円でございます」が正しい敬語表現です。
「ございます」は「ある」の丁寧語であり、金額という事実を過不足なく伝えられます。
一方、現場でよく耳にする「〇〇円になります」は文法的に不自然とされる表現です。
「になります」は状態が変化するときに使う言葉であるため、すでに確定している金額に使うと意味がずれてしまいます。
ご利用の場面でも使用頻度が高い表現だからこそ、間違いとして指摘を受けやすく、接客の言葉遣いとして改めておく価値があるでしょう。
丁寧さを意識するなら「でございます」への言い換えが適切です。
「ちょうど頂戴いたします」は誤用|現場では広く使われている言葉
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「ちょうど頂戴いたします」は文法的に問題があるとされる表現ですが、飲食店をはじめ多くの店舗で日常的に使われているのが実態です。
使うかどうかを判断するには、何が問題なのかを理解しておく必要があります。
「頂戴いたします」が二重敬語とされる理由
「頂戴いたします」は、「もらう」の謙譲語「頂戴する」に、さらに謙譲語「いたす」を重ねた表現です。
敬語の使い方として、同じ種類の敬語を二重に使うことは誤用とされており、「頂戴いたします」もその典型例として挙げられることがあります。
接客の言葉遣いを重視する職場や研修では、この点を指摘されるケースもあるでしょう。
ただし、すべての二重表現が誤りとは言い切れません。「いただけますでしょうか」のように、慣用的に定着して正しい敬語とみなされる表現も存在します。
「頂戴いたします」の扱いは、言語の専門家や店舗によって見解が分かれるのが現状です。
現場での実態と使う際のリスク
実際の接客現場では、「ちょうど頂戴いたします」は広く使われている表現です。
お客様の多くは違和感を覚えず、言葉の流れとして自然に受け取ります。
一方で、言葉遣いに敏感なお客様や、マナー研修の知識を持つ方からは「正しい敬語ではない」と判断されることもあるでしょう。
リスクを避けたい場合、代替表現として「ちょうどお預かりいたします」が広く推奨されています。
「お預かりする」は謙譲語の重複がなく、文法的にも自然な敬語表現です。店舗のマニュアルや研修方針に従いつつ、どちらを使うか判断するのが現実的な対応と言えます。
「ちょうどお預かりします」も厳密には不自然だが許容範囲の表現
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「ちょうどお預かりします」は語義的には正確とは言えないものの、接客の現場で広く定着しており、多くのお客様に自然な言葉として受け入れられています。
「お預かりする」の本来の意味
「お預かりします」は、預かったものをあとで返すときに使う言葉です。
釣り銭なしでぴったりの金額をいただく場面では、返すお金が発生しないため、厳密には「預かる」という表現と行為がかみ合いません。
「1,000円をお預かりします→500円のお釣りをお返しします」という流れなら意味が通ります。
しかし、ちょうどの金額に「お預かりします」を使うと、返却を予定していない金銭を「預かる」と宣言する矛盾が生じます。
それでも許容される理由
飲食店をはじめ多くの店舗で長年使われてきた結果、「お預かりします」は「お金を受け取ります」という意味の接客フレーズとして社会的に定着しています。
言葉の意味は使われ方によって変化するものであり、現在では語義の厳密さより流れの自然さが優先される場面が多くなりました。
お客様側もほぼ違和感なく受け取っているため、現場での実用性は十分にあるでしょう。
敬語の正確さにこだわるなら「ちょうど頂戴いたします」のほうが理にかなっています。
「ちょうどお預かりします」も間違いと断言できるわけではなく、使い続けても大きな問題になる表現ではありません。
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サービススタッフの求人を見てみる場面別のお会計フレーズ一覧:お釣り・カード・電子マネー対応
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場面ごとに使う言葉を変えることが、レジでの言葉遣いの基本です。
お釣りが発生するケース・カード払い・端数なしと、それぞれ適切な表現が異なります。
お釣りが発生するときのフレーズ
お釣りを渡す際は、金額を明示したうえで「お返し」の言葉を添えるのが適切な表現です。
「〇〇円のお返しです」または「〇〇円お返しいたします」がスタンダードで、どちらも金額を口頭で確認しながら手渡せる点で実務に向いています。
「〇〇円になります」は金額の説明としてよく使われますが、変化を意味する「なります」は不自然な敬語として知られており、避けた方が無難でしょう。
レシートを一緒に渡すときは「レシートもどうぞ」「レシートのご確認をお願いいたします」と一言添えると丁寧です。
お釣りとレシートは同時に渡すより、お釣りを先に渡してからレシートを手渡す流れが、お客様にとってもわかりやすい対応です。
カード払い・電子マネー時のフレーズ
カードや電子マネーでの決済時は、お客様に操作をお願いする場面が多いため、依頼表現の丁寧さが特に重要です。
「押してください」「書いてください」のような直接的な命令形は、接客の場では言葉遣いとして適していません。
ご利用の決済端末によって案内の流れが変わるため、店舗のオペレーションに合わせた定型文を用意しておくと安心です。
端数なし・おつりなし時のフレーズ
ちょうどの金額を受け取る場合、「お預かりします」は使わなくて済む場面です。
「お預かりします」は本来、預かったお金からお釣りを準備して返すことを前提とした表現。端数なしのときに使うと、意味と行動が一致しない言葉遣いとなります。
正しくは「ちょうどいただきました」または「ちょうど頂戴いたしました」が適切です。
「いただく」「頂戴する」はいずれも受け取る動作の謙譲語で、過不足のない金額を受け取ったことをシンプルに伝えられます。
現場では「ちょうどいただきます」と現在形で使われることもありますが、受け取った直後であれば「いただきました」と過去形にする方が自然な流れです。
接客敬語の基本|接客でよくある言葉の言い換え例
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レジでのお会計フレーズに迷いが生じやすいのは、フレーズを丸暗記しているだけで、敬語の構造を理解していないからです。
三種の敬語の使い分けを理解すると、場面が変わっても適切な言葉を自分で選べるようになります。
尊敬語・謙譲語・丁寧語の違い
三種の敬語は、誰の動作を立てるかによって使い分けが決まります。
尊敬語はお客様の動作を高めるときに使い、謙譲語は自分(または自社)の動作をへりくだって表現するときに使います。
丁寧語はどちらにも属さず、表現全体を丁寧に整えるものです。
レジ会計の場面に当てはめると、「お支払いになりますか」はお客様の行動に対する尊敬語の用法です。
一方、「お預かりします」「頂戴します」は店員側の受け取る動作をへりくだる謙譲語になります。
「いただく」「頂戴する」はどちらも謙譲語であり、お客様が主語になる文には使えません。
この区別を押さえておくだけで、フレーズの正誤を自分で判断できるようになるでしょう。
接客でよくある言葉の言い換え例
誤用されやすい接客用語は「アルバイト敬語」と呼ばれることがあり、飲食店や小売店舗で広く使われているにもかかわらず、言葉の意味としては正確ではない表現が含まれています。
代表的な誤用と正しい言い換えを整理すると、次のとおりです。
| よくある表現 | 問題点 | 正しい言い換え |
|---|---|---|
| 〇〇に なります |
変化・変換の意味になってしまう | 〇〇で ございます |
| よろしかった でしょうか |
過去形になり意味がずれる | よろしい でしょうか |
| 1,000円から お預かりします |
「から」は不要 | 1,000円 お預かりします |
| 少々お待ち してもよいですか |
待つのは相手なので尊敬語が必要 | 少々お待ち いただけますか |
言葉遣いの誤りは一つひとつは小さく見えても、積み重なると店舗全体の印象に影響します。
正しい表現を確認したうえで、日常の接客の中で自然に定着させていくことが大切です。
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飲食店やホテルなど業態が違っても、丁寧な敬語と状況に応じた表現の使い分けという基本は共通しています。
間違いを恐れるより、場面ごとの対応を繰り返す中でフレーズを体得していくことが、長く接客に携わる人には求められるでしょう。
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