「なります」は正しい接客用語?本来の意味や誤用の例を見てみよう!

接客業の現場で耳にすることが多い「なります」という表現ですが、誤用しているおそれがあります。お客様に心地よさを提供するためには、接客用語を正しく使うことが重要。「なります」という言葉が持つ本来の意味や、間違いやすい使い方、正しい使い方の例を見ていきましょう。ご自身の言葉遣いと照らし合わせて参考にしてくださいね。

間違えた接客用語「なります」に注意

接客業で厳守したいのは、お客様を不快な気分にさせないことです。そのためには正しい言葉遣いが必要不可欠ですが、接客の現場には怪しい日本語が蔓延しています。

間違えた接客用語の代表格は「なります」ではないでしょうか。接客業のどういった場面で、間違えた「なります」が出てくるのか把握しましょう。正しい使い方の例も紹介します。

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「なります」の正しい意味とは

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「なります」は「なる」の丁寧な言い方です。「なる」という言葉には本来、以下のような意味があります。

  • 物事や事柄ができあがる/成立する
  • 変化して別のものになる
  • 結果として物事が生じる
  • あるものが作用する
  • ある数量に達する
  • 他からの恩恵を受ける(お世話になる、など)
  • いくつかの要素でできている(からなる、の形で使われる)
  • 尊敬語としての意味(お帰りになる、など)
  • 他の可能性もある状況において、順当に考えるとそれに相当することを示す

一部例外もありますが、基本的には物事の変化や結果として言えることなどに使う言葉ということがわかります。しかし、これらに該当しない使い方は間違いです。次の項目で、間違えた「なります」の例を紹介します。

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接客業で使いがちな間違えた「なります」

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言葉に「なります」をつけると、何となく丁寧に聞こえるような気がします。「なります」をつけた言い回しが正しい接客用語だと思っている人もいるのでは。誤用の例を詳しく見ていきましょう。

「こちら、ハンバーグになります」

ハンバーグを注文したお客様に、ハンバーグを提供するという状況で「なります」は使えません。

何か別のものからハンバーグに変化したわけでも、ハンバーグ以外の可能性があるわけでもないため、誤用なのですね。

正しい言い方は「こちらはハンバーグでございます」です。

「3名様、ご案内になります」

受付スタッフがホールスタッフに、お客様の来店を知らせる際、このような言い方をしていないでしょうか。

正しい「なります」の意味に当てはめて考えると「3名様」が「ご案内」に変化することになってしまいます。

スタッフ同士のやりとりでも、お客様の耳に入る言葉は正しく使いたいもの。「3名様のご来店です。」などが適切です。

「お客様のお部屋は3階になります」

何らかの事情により、客室を変更して3階になった場合はOKですが、それ以外は誤用です。

丁寧に聞こえる気がするからといって、意味もなく「です」を「なります」に置き換えるのは考えもの。

丁寧に伝えるなら「お客様のお部屋は3階でございます」が正解です。

「こちらのフロアは禁煙となっております」

お客様にお願いしたり、注意したりするときにも「なります」が登場しがちです。「本人確認が必要になります」「ご記入が必要になります」といったフレーズも使うことがあるのでは。

この言い回しには「わたしの命令ではなく、そういう決まりだからお願いします」という姿勢が垣間見えます。お客様対応を「自分ごと」としてまっとうするためにも、責任転嫁に聞こえる言葉は避けましょう。

「恐れ入りますが、こちらのフロアは禁煙でございます」というように、クッション言葉を添え、正しい表現で伝えてくださいね。

接客の場面で使える正しい「なります」は?

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「なります」は誤用が目立つ言葉ではありますが、接客の場面で使ってはいけない言葉ではありません。正しく使えるパターンも見てみましょう。

「卵がオムレツになります」

物事の変化を説明することに対しては、正しい意味での「なります」が使えます。

お客様の目の前で料理をしたり、商品の実演販売をしたりする際には「なります」を使うとお客様に分かりやすく伝わるでしょう。

「在庫がなくなり次第、販売終了となります」

先述の通り、「なる」には、物事の変化や結果を表す意味があります。「在庫がなくなり次第、販売終了となります」は「在庫がなくなったら販売が終わる」という変化について述べているので、この使い方は正解。

「なります」の誤用を恐れて「在庫分だけで販売終了です」などと表現すると、現時点で販売が終わっているのか、まだ売っているのか、分かりにくくなるかもしれません。

「合計15000円になります」

「なります」には「結果として物事が生じる/ある数値に達する」という意味もあるので、お会計の合計金額に「なります」をつけるのは、おかしなことではありません。

しかし、この表現も誤用だと思っている人や、耳障りだと感じている人が一定数いる模様。余計なトラブルを避けるためには「15000円でございます」といった無難な表現を使った方が、良いかもしれません。

「セットのデザートは来週からチョコレートケーキになります」

今、提供しているデザートを「チーズケーキになります」と言うのは誤用ですが、時間が経って変わるメニューに使うことはOKです。また、「雑誌の最新号は明日から販売になります」なども正しい使い方。

新メニューを予告したい時や、発売日を案内したい時などは、自信を持って話してくださいね。

接客用語は正しい意味を理解して使おう

「なります」に限らず、接客用語は「よく聞くから」「みんな使っているから」といった理由で使っていることがあるのでは。

しかし、その中には日本語として正しくないものが潜んでいるかもしれません。今回の記事を参考に、言葉の意味を正しく理解してくださいね。

お、ホテル・旅館における接客の仕事を探す際には、おもてなしHRをご活用ください。

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