ホテルマンの平均年収は低いって本当?
厚生労働省が実施した「令和5年賃金構造基本統計調査結果の概況」によると、2023年の宿泊業・飲食サービス業の賃金は259万5000円。年齢や勤続年数により異なりますが、産業別に見る賃金の中では最も低い金額です。
また、東京都のみのデータですが、宿泊業・飲食サービス業の初任給は四年制大学の卒業者で20万6200円。最も初任給が高い金融業・保険業は23万円で、2万円以上の差が出ています。
賃金の低さは宿泊業界が抱える課題であり、人材不足の一因とも言えそうです。ただしこの結果は宿泊業と飲食サービス業をまとめたもの。純粋にホテルマンだけの年収ではないので、参考程度に捉えてくださいね。
参考:
東京都における宿泊業・飲食サービス業の初任給について/東京労働局職業安定部資料
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ホテルマンの給料・年収はどう決まる?
ホテルマンの年収について、変化や差が出る要素を見ていきましょう。
雇用形態
雇用形態が正社員なのか、非正規社員なのかによって、賃金は変動します。
正社員と非正規社員では、賃金に大きな差がつきます。非正規社員は一般的にボーナスの支給がなく、短時間のパート・アルバイトで働く人が多いもの。また、非正規社員には残業をさせないという方針のホテルや、閑散期はシフトに入りにくいホテルもあるでしょう。
そしてホテル業界は非正規社員の割合が高い業界であるため、全体の年収を低く見せる要因であるとも考えられます。非正規社員として入社し、正社員に昇格した場合などは、収入が大きく変動するかもしれません。
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勤務地
ホテル業界に限らず、都市部の事業所では賃金が高く設定されていることが一般的です。地方のホテルで働くよりも、東京都内で働く方が、高い給与を期待できるでしょう。全国に支店のあるホテルチェーンなどでは、転勤による収入の変動もあり得ます。
たとえば2022年時点のホテル・旅館における接客担当者の年収を見てみると、東京都が348万3000円であるのに対し、鳥取県は243万5000円でした。勤務地によって100万円以上も年収に差があるのですね。
ただし、都市部は家賃や物価も高いため、必ずしも生活が豊かになるとは限りません。収入と支出のバランスを考えることが重要です。
また、日本を飛び出し海外のホテルで働く場合、通貨の価値や物価によっては、日本よりも生活の水準を高められる可能性があります。
参考:ホテル・旅館における接客担当者の年収について/職業情報提供サイト jobtag
ホテルのタイプ
勤務するホテルのタイプによっても、賃金に違いがあります。たとえばリーズナブルな宿泊料金で、セルフサービスを基本としているカプセルホテルやビジネスホテルでは、基本給は低めに設定されていることが一般的。
対して宿泊料金が高額で手厚いサービスを提供することが求められるシティホテルやリゾートホテルの基本給は高い傾向が見られます。
また、実力主義の外資系ホテルでは、実力次第で日系ホテルよりも高い年収を得られる可能性があるでしょう。客層や職場の規則によっては、お客様からのチップで稼げることも。
学歴
給与額の決定に関わることが多い要素のひとつに、学歴があります。
ホテル業界に限定した話ではありませんが、特に新卒の場合は、高卒と大卒の場合で賃金に数万円の差がある求人を目にすることもあります。
また、役職者には一定以上の学歴が求められることもあり、学歴が高い方が年収・月収が高く、生涯年収にも差が出るようです。
なお、以下の記事ではホテルマンの学歴について詳しく解説します。併せてご一読ください。
職種
ホテルマンにはさまざまな職種があります。イメージしやすいのはお客様と直接関わるフロントなどですが、事務職・営業職・総合職・調理スタッフ・役職者など、表立って見えない職種も多くあります。
職種ごとのキャリアステップによっても、年収・月収は異なります。キャリアステップは、人員数やポジションの空きなどに左右されることもあるため、勤続年数や年齢だけで決まるものではないことを覚えておいてくださいね。
なお、以下の記事ではホテルの職種について詳しく解説しています。併せてご一読ください。
性別
今は「男性だから、女性だから」という理由で賃金が決まる時代ではありません。しかし、家庭内での役割などによって、働き方に男女差が出ることはあるでしょう。
ホテル業界においては、パートタイムで働く女性が多いためか女性よりも男性の年収の方が高いといわれています。
残業の有無
ホテルマンの年収・月収を大きく左右するのは残業代です。
たとえば繁忙期と閑散期では、残業時間の多少によって「手取り額が10万円以上違った!」というケースもあるようです。基本給に大きな変化がなくても、残業が増える時期であれば、月収は上がりやすくなるでしょう。他にも、手当や割増賃金がある夜勤の回数が多ければ、賃金にも大きく差が出ます。
しかし、残業や夜勤が多ければ体調を崩したり、プライベートの時間が少なくなったり、生活に支障がでてしまうこともあり得ます。賃金を上げるために無理すると、リスクが伴いそうです。
また、ホテル業界は国内外の景気の影響を受けやすく、状況によっては残業が発生しないこともあるでしょう。マネープランを立てる際には残業代をあてにせず、基本給を元に考えることをおすすめします。
福利厚生の違い
福利厚生は給与や賞与などの基本的な労働対価とは別に、従業員や従業員の家族に提供される報酬です。法律で定められた福利厚生の他、会社の判断で提供する福利厚生もあり、勤務先によって多様な違いがあります。
宿泊業界では社員割引で系列ホテルに安く宿泊できたり、会社のお金で英会話を習えたりといった福利厚生を整備していることが多いようです。長い目で見れば福利厚生の充実度によって、受け取る利益に大きな差が生じるのではないでしょうか。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
ホテルマンが年収アップを狙うには?
ホテルマンはどのような行動を起こせば年収アップを狙うことができるのでしょうか。年収アップのヒントを3つ紹介します。
昇進・キャリアアップを目指す
日本のホテルでは、昔ながらの年功序列方式を採用しているところが少なくありません。ひとつのホテルに長く勤めて昇進を狙うことが、オーソドックスな方法と言えるでしょう。
この場合はいろいろな部署を経験し、幅広い業務に対する知識やスキルを身につけ、支配人やマネージャーなどの管理職を目指すことが基本でしょう。役職手当がつくため、年収額が大きくアップします。
以下の記事では、ホテル業界でのキャリアップについて解説しています。併せてご一読ください。
語学力アップ・資格取得
外国人のお客様と接する機会が多いホテルマンは、語学力の向上が欠かせません。TOEICなど語学に関する資格を取得すれば、実務で役立ちます。福利厚生で資格手当がついたり、より良い条件での転職がかないやすくなったりするのではないでしょうか。
また語学系以外にも、ホテル業務に役立つさまざまな資格があります。資格を取得することで前向きな姿勢を評価され、給料が上がる・転職時に有利になるなどのメリットが期待できます。
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転職エージェントを活用して年収アップを目指す
外資系や鉄道グループ系、老舗大手系のホテルは比較的年収が高いといわれています。スキルを積んでから、より高い年収を得られるホテルに転職するのもひとつの手でしょう。
ただし、仕事を続けながら年収アップを狙えるホテルを探すのは簡単なことではありません。そのようなときは、宿泊業界の転職に特化している転職エージェントを活用することがおすすめです。
専任のキャリアアドバイザーが自分の希望に合う求人を紹介してくれたり、履歴書作成・面接対策のサポートをしてくれたりします。
さらに、応募先と給与の交渉もしてくれるので、効率的に転職活動を進められるでしょう。時間を有効活用しながら、効率的に転職を成功させたい方にぴったりではないでしょうか。
ホテルマンが転職で年収アップを狙うならおもてなしHRにお任せ!
ホテルマンの年収は、他の産業と比較すれば決して高いものではありません。忙しさや景気によって大きく左右されるなど、変動の大きさも目立ちます。
しかし、しっかりとスキルを身につけ経験を積み、着実にステップアップしていければ、年収アップは可能です。将来を見据えて転職を視野に入れても良いでしょう。
現職場の年収に満足できない方や今後のキャリアアップのために転職を視野に入れている方は、ぜひ「おもてなしHR」をご活用ください。