海外のホテルに就職したいと思っている人もいるでしょう。海外への就職を実現するには、適切な求人の探し方や必要なスキル、就労ビザの取得方法を理解することが重要です。この記事では、海外ホテルに就職するための方法を詳しく解説します。効率的な求人の見つけ方から身につけるべきスキル、就労ビザの取得手順も一緒に確認しておきましょう。
海外のホテルに就職するための方法は二通り
海外のホテルで働くには、大きく分けて「海外のホテルに直接応募する」か「日本のホテルに就職し、海外転勤する」の2つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったルートを選びましょう。
海外のホテルに直接応募して就職する
海外のホテルが募集している求人に直接応募し、採用されれば現地で働くことが可能です。求人サイトやホテルの公式採用ページを活用し、自分で就職活動を進める必要があります。
メリット
この方法の最大の魅力は、自分の希望する国やホテルを選んで働けることです。「この国で働きたい」「このホテルブランドで経験を積みたい」など、自分の理想に合わせたキャリアを築きやすくなります。
また、現地のスタッフと共に働くため、語学力や異文化理解のスキルが早く身につくというメリットも。特に、海外での実務経験を積めば、その後のキャリアアップの可能性も広がるでしょう。
デメリット
就労ビザの取得が、大きなハードルとなるかもしれません。就労ビザとは、海外で就労するために必要な在留資格のことです。
国によっては就労ビザの発給条件が厳しく、ホテル側がサポートしてくれない場合もあります。そのため、希望する国のビザ制度を事前に調べることが大切です。
また、海外のホテルは即戦力を求めることが多く、語学力や接客スキルが一定レベル以上求められるケースが多いです。
未経験者の場合、応募できる求人が限られることもあるため、事前にアルバイトやインターンを通じて経験を積んでおくとよいでしょう。
海外支社のある日本のホテルに就職し、転勤する
もうひとつの方法は、まず日本のホテルに就職し、一定期間の勤務後に海外支社や提携ホテルへ転勤するルートです。
特に、外資系のホテルブランドや国際的に展開しているホテルグループでは、社内異動制度を活用して海外勤務のチャンスを得られる可能性があります。
メリット
この方法の最大のメリットは、日本の企業のサポートを受けながら海外キャリアを積めることです。
就労ビザの手続きや赴任準備を会社がサポートしてくれることが多く、海外就職が初めての人でも安心して挑戦できます。
また、日本国内での経験を積んでから海外へ行けるため、いきなり海外就職するよりもハードルが低いという点も魅力です。
さらに、給与や待遇も日本の企業の基準が適用されるため、海外のホテルに直接就職する場合よりも安定した条件で働ける可能性が高いでしょう。
デメリット
海外転勤のタイミングを、自分で決めることはできないというデメリットがあります。会社の人事戦略によって転勤の時期が決まるため、「すぐに海外で働きたい」と考えている場合、この方法は向かないかもしれません。
また、必ず希望の国で働けるとは限らない点にも注意が必要です。たとえば、アメリカで働きたいと思っていても、実際にはアジアや中東の拠点に配属されることも珍しくありません。
そのため、勤務地にこだわりがある場合は、海外のホテルに直接応募する方法を検討したほうがよいでしょう。
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海外のホテルに就職するための求人の見つけ方
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海外のホテルで働くためには、求人情報を効率よく探すことが重要です。たとえば、ホテルの公式サイトや求人サイト、転職エージェント、ワーキングホリデーなど、さまざまな方法があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法で求人を探しましょう。
ホテルの公式サイトを確認する
働きたいホテルが決まっている場合は、ホテルの公式サイトの採用ページを直接確認するのが最も確実な方法でしょう。
多くのホテルでは、「Careers(採用情報)」や「Jobs」などの求人専用ページを設けており、募集職種や応募条件を掲載しています。
公式サイトでは、最新の採用情報を直接チェックできるだけでなく、ホテルの方針や企業文化も知ることができます。
求人サイトには掲載されていないポジションが募集されていることもあるため、興味のあるホテルがあれば、こまめに確認することが大切です。
海外ホテルを扱う求人サイトを利用する
海外ホテルの求人を探すには、ホテル業界に特化した求人サイトや、海外求人を扱う転職サイトを活用すると便利です。
これらのサイトでは、勤務地や職種ごとに求人を検索できるため、効率的に自分に合った仕事を探すことができるでしょう。
また、複数の求人を比較しながら探せるため、給与や待遇の違いを把握しやすいのが特徴です。さらに、履歴書を登録しておけば、企業側からスカウトが届くこともあります。
ワーキングホリデー制度を活用する
ワーキングホリデー制度を利用すると、比較的簡単に海外で働くことができます。
特に、ホテルやリゾート施設はワーキングホリデーの受け入れ先とされていることが多いので、英語を使いながら実務経験を積める絶好の機会となるでしょう。
ワーキングホリデーでは、一定期間の滞在が認められ、アルバイトや契約社員としてホテルで働けます。現地での人脈を作れば、ビザを切り替えて長期雇用を目指すことも可能です。
転職エージェントを活用する
海外ホテルで働くために、転職エージェントを利用するのも有効です。エージェントに登録すると、自分の希望に合った求人を紹介してもらえるだけでなく、履歴書の添削や面接対策などのサポートも受けられます。
転職エージェントを利用すると、一般の求人サイトには掲載されていない非公開求人を紹介してもらえることも。
また、海外就職に特化したエージェントを選べば、ビザ取得に関するアドバイスをもらえることもあり、スムーズに就職活動を進めやすくなるでしょう。
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海外のホテルに就職するために身につけておきたいスキル
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海外のホテルで働くためには、語学力や接客スキルだけでなく、国際的な職場で求められる能力をバランスよく身につけることが大切です。ここでは、採用時に評価されやすいスキルを紹介します。
語学力
海外のホテルでは、多様な国籍のゲストやスタッフと接するため、英語の習得は欠かせないでしょう。
フロントやコンシェルジュのようにゲスト対応を担当する職種では、ビジネスレベルの英語が求められることが多く、スムーズな会話ができることが重要です。
レストランやハウスキーピングのようなポジションでは、基本的な接客英語ができれば問題なく業務をこなせる場合もあります。
また、勤務する地域によっては、英語だけでなく中国語やフランス語、スペイン語などを話せると採用の際に有利になることも珍しくありません。
特に、観光客が多いエリアでは、ゲストの母国語で対応できることが高く評価されるため、英語+αの語学力を身につけておくとチャンスが広がるでしょう。
コミュニケーション能力
ホテルの仕事は、ゲストとの対応だけでなく、多国籍のスタッフとチームワークを発揮する場面が多いため、円滑なコミュニケーション能力が求められます。特に、異文化の価値観を理解しながら適切に対応できる柔軟性が重要です。
相手の意図を正確にくみ取り、シンプルでわかりやすく伝えるスキルが必要となります。英語が母国語ではない人と話す場面も多いため、難しい表現を避け、簡潔で明確な言葉を選ぶことも大切です。
また、チームでの連携が欠かせない職場環境では、指示を受けたら適切に応え、自分からも積極的にコミュニケーションを取ることが信頼関係の構築につながります。
おもてなし力
海外のホテルでも、日本人のきめ細やかなサービスや気配りは高く評価されます。ゲストの期待を超える対応を心がけることで、ホテルの評判にも貢献でき、キャリアアップのチャンスにもつながるでしょう。
ただし、日本式の「察する文化」がそのまま通用するとは限りません。海外では、ゲストが求めることを的確にヒアリングし、それに対して適切なサービスを提供することが重要視される傾向にあるからです。
相手の要望を正しく理解し、柔軟な発想で対応できることが、真のおもてなし力につながるでしょう。
問題解決力
ホテルの現場では、ゲストからのクレーム対応や、設備のトラブル、スタッフ間の調整など、予期せぬ問題が発生することが少なくありません。そのため、冷静に状況を判断し、素早く適切な対応を取る力が求められます。
たとえば、チェックイン時に予約がうまく反映されていない場合や、レストランでオーダーミスが起きた場合、ただ謝るだけでなく、どのように解決できるかを考え、提案することが大切です。
相手の不満を和らげる話し方や態度も重要で、ホテルの規則やマニュアルに沿いながらも、柔軟に対応できる力が求められます。
ホテル業務の基礎知識
海外のホテルで働く際には、基本的な業務の流れを理解しておくとスムーズに業務を進めることができます。
特にフロント、レストラン、ハウスキーピングなど、各部門の役割を把握しておくことで、入社後の研修や実務での適応がしやすくなるでしょう。
たとえば、予約管理システム(PMS)の基本操作、チェックイン・チェックアウトの手順、宿泊プランの管理などを事前に学んでおくことで、実際の業務に役立てられます。
ホテルのアルバイトやインターンシップを経験しておくと、より実践的なスキルを身につけることができるので、海外ホテルへの就職にも活かしやすくなるでしょう。
国際ビジネスマナー
海外のホテルで働く場合、日本とは異なるビジネスマナーを理解しておくことが大切です。特に、異文化の中で働くには、柔軟な対応力が求められます。
たとえば、お客様との距離感の取り方や、会話のトーン、表情なども国によって違いがあります。日本のように過度にへりくだる表現は、海外では伝わりにくいこともあるため、シンプルで丁寧な表現を心がけるとよいでしょう。
また、英語でのメールや電話対応のマナー、フォーマルな場での立ち居振る舞いなども、事前に学んでおくと職場での評価が上がる可能性があります。
英文事務
ホテルの仕事では、予約の管理や問い合わせ対応、報告書作成など、英語での書類作成やメール対応が求められる場面も少なくありません。
特にフロント業務やゲストリレーションのポジションでは、正確で丁寧な英文事務スキルが必要です。
宿泊予約や問い合わせへの返信、チェックイン・チェックアウト時の書類作成、クレーム対応の記録など、正しいフォーマットでスムーズに対応できることが求められます。
ビジネス英語の基礎を学び、メールのテンプレートやホテル業務でよく使うフレーズを覚えておくと、業務がスムーズに進むでしょう。
海外のホテルに就職するには就労ビザが必要
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海外のホテルで働くには、就労ビザの取得が必須です。ここでは、代表的な就労ビザの種類、取得条件、申請手順について解説します。
就労ビザの種類
就労ビザには、以下のような種類があります。
- 教授
- 芸術
- 宗教
- 報道
- 経営・管理
- 法律・会計業務
- 医療
- 研究
- 技術・人文知識・国際業務
- 企業内転勤
- 介護
- 興行
- 特定技能
- 技能実習
このうち、ホテルなどの宿泊業は「特定技能」に分類されるのが特徴。つまり、海外のホテルで働きたい場合は、「特定技能」という在留資格が必要となります。
取得条件は国によって異なる
就労ビザの取得条件は、国やビザの種類によって異なるのが特徴です。
申請の際に求められる基準や手続きは国ごとに異なり、必要な資格や経験、雇用主のサポートの有無などが変わることもあります。
そのため、希望する国で働くためにどのビザが適用されるのかを事前に確認し、適切な準備を進めることが大切です。
就労ビザの取得を目指す際は、各国の大使館や領事館のホームページなどで最新の情報を確認し、必要な手続きを正しく進めるようにしましょう。
就労ビザを取得するための手順
取得条件が国によって異なるように、取得するための手順も異なります。ここでは、アメリカのホテルで働く場合の就労ビザ取得の手順を確認しておきましょう。
まず、就労ビザのひとつである「H-2Bビザ(熟練・非熟練労働者ビザ)」を取得しなければなりません。
このビザは、米国人労働者が不足している職業に就く目的で一時的に渡米する方が対象です。取得する手順は以下のとおりです。
- ビザの申請料金を支払う
- オンライン事前審査DS-160で取得した申請IDおよび10桁のバーコード、有効期限内のICチップ付きパスポート、過去10年間に発行された古いパスポート、証明写真1枚(5cm×5cmの6カ月以内に撮影したカラー写真)、請願書(I-129)、請願書許可通知(I-797)、包括請願書(I-129S)に記載の請願書受付番号、面接予約レターなどの必要書類を提出する
初めてビザを申請する場合は、以下の書類を提出するとスムーズに手続きが進みます。英語以外の書類には、翻訳を添付する必要があります。
- 履歴書、職務経歴書、大学の卒業証書などの職務資格を証明する書類
- 職位、関わったプロジェクト、勤務年数などを詳しく記載した現在および過去の雇用主からのレター
海外ホテルへの就職を成功させるためのポイント
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海外ホテルでは英語やその他の言語を日常的に使うため、語学力があると採用されやすくなります。
フロント業務ではスムーズな会話が求められますが、ハウスキーピングやバックオフィス業務では基本的な指示が理解できれば問題ない場合もあるからです。
語学力を伸ばすには、日常的に英語に触れる環境を作ることが大切です。オンライン英会話や学習アプリを活用するほか、英語での接客が必要なアルバイトをすると、実践的なスキルが身につくでしょう。
また、ホテル業界では実務経験が重視されるため、アルバイト経験があると応募時の強みとなります。
国内のホテルやレストランで接客経験を積んでおくと、基本的な業務の流れを理解しやすくなるでしょう。
海外ホテルのインターンシップに参加すれば、現地の仕事を体験でき、就職につながる人脈を築くことも可能です。
「未経験OK」の求人でも、接客経験があると採用の可能性がより高まるため、早めに経験を積んでおくとよいでしょう。
出典:就労や長期滞在を目的とする場合/外務省出典:在留資格「特定技能」とは/国際人材協力機構出典:諸外国の外国人労働者受入制度/労働政策研究・研修機構出典:就労ビザ/USTravelDocs JAPAN
海外のホテルへの就職を目指すならおもてなしHRにおまかせ
海外のホテルで働くためには、語学力や実務経験の習得、ビザの取得準備など、しっかりとした計画が必要です。
いきなり海外就職を目指すのもひとつの方法ですが、まずは日本国内で経験を積み、キャリアを築いてから海外を目指すという選択肢もあります。
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