ホテル就職に必要な外国人の日本語レベルの目安は「JLPT N2」です。
希望する就労ビザ(在留資格)を取得し、日本で安定してキャリアアップしていくためにはN2レベルが求められるからです。
しかし、N2があれば安心というわけではありません。実際の採用現場では資格以上に、面接での対話力が厳しく問われるため、N2合格者であっても万全な準備なしでは不採用になるケースが少なくありません。
この記事では、職種ごとの必須レベルや、就労ビザ(特定技能・技人国)との関係、ホテル業界に就職するためのポイントを解説します。
この記事のポイント
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ホテル就職の目安はJLPT N2だが、現場では資格よりも「スムーズな会話力」と「意図を理解する力」がカギ
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「特定技能」や「地方リゾート」を活用すれば、今の日本語力でも就職可能
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合格を待つ必要なし。まずは現場で働き、実務でN2を目指すのが最短ルート
ホテルの仕事に必要な外国人の日本語レベルは「N2」が目安
日本の多くのホテル・旅館が外国人材を採用する際、基準としているのはJLPT(日本語能力試験)N2レベルです。
ホテルの仕事では、以下のようなさまざまな業務が発生します。
- お客さまへの接客対応
- インカム(無線機)を使ったスタッフ間の連携
- 業務日報の作成
そのため、「読む・書く・話す・聞く」のすべてにおいてスムーズな意思疎通が求められます。
特に、宿泊業界では専門用語や独特の言い回しが多く存在します。N2レベルがあれば、日常的な場面だけでなく、ある程度幅広い場面での日本語を理解できると判断されるため、採用担当者も安心して仕事を任せることができます。
ただし、N2合格はあくまで応募のスタートラインに過ぎません。実際の採用面接では、「資格を持っているか」以上に、「質問の意図を正しく理解し、自分の言葉で答えられるか」という会話力が厳しくチェックされます。
合格証書を持っていても、会話が噛み合わなければ不採用になることもありますし、逆にN3レベルでもコミュニケーション能力が高ければ採用されるケースもあります。

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【職種別】求められる日本語レベルと業務内容
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一口に「ホテルの仕事」と言っても、職種によって求められる日本語力には明確な差があります。自分の現在の日本語レベルと照らし合わせながら、応募可能な職種を確認してみましょう。
| 職種 | 日本語レベル(目安) | 業務内容と求められるスキル |
|---|---|---|
| フロント・コンシェルジュ | N2~N1 | 【高度な会話力】 ・チェックイン、電話予約、クレーム対応など ・複雑な敬語や日本文化(おもてなし)の理解が必須 |
| レストラン・ホール | N3~N2 | 【正確な聞き取り】 ・オーダーテイク、料理説明、配膳など ・定型フレーズに加え、アレルギー確認等のリスニング力が重要 |
| 客室清掃・洗い場 | N4~(N2推奨) | 【指示書の理解】 ・客室の清掃、ベッドメイク、備品管理など ・マニュアルが読め、挨拶や報告ができれば採用されやすい |
フロント・コンシェルジュ(目安:N2~N1)
ホテルの顔となるフロントやコンシェルジュは、もっとも高い日本語力が求められる職種です。
チェックイン・アウトの手続きだけでなく、電話対応や周辺観光の案内、さらにはクレーム処理といった高度な会話力が必要不可欠です。
単に意味が通じるだけでなく、以下のような「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の使い分けや、日本のおもてなし文化に基づいた配慮が求められます。
- 尊敬語: お客さまなど、相手の行動に使う言葉
- 謙譲語: 自分の行動に使う言葉
- 丁寧語: 「です・ます」をつけるていねいな言葉
また、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を取得する場合、法務省のガイドラインにおいても、単純労働ではなく翻訳・通訳などの高度な業務内容が含まれることが要件となります。
そのため、実務上はN2以上の日本語力が採用やビザ審査で有利に働くケースがほとんどです。
レストラン・ホール(目安:N3~N2)
レストランや宴会場でのサービススタッフは、オーダーテイクや料理の説明、配膳がメイン業務となります。
「いらっしゃいませ」「少々お待ちください」といった決まったフレーズを使う場面が多いですが、アレルギーの有無を確認したり、特別リクエストを聞き取ったりする「正確な聞き取り能力」が必要です。
とはいえ、フロント業務に比べると複雑な会話は少なめです。現在はN3レベルであっても、明るい笑顔やホスピタリティがあり、チームワークを大切にできる方であれば、ポテンシャル(将来性)を見込んで採用されやすい職種といえます。
客室清掃・洗い場(目安:N4~※N2推奨)
客室清掃(ハウスキーピング)や洗い場の仕事は、マニュアルに従った作業が中心です。
お客さまとの会話は、廊下ですれ違った際の挨拶(「おはようございます」「失礼いたします」など)がメインとなります。
そのため、日本語の指示書やマニュアルが読める程度の読解力があれば、高度な会話力はそこまで問われないことが多いです。
しかし、清掃スタッフであっても、忘れ物の報告や設備の不具合報告など、スタッフ間での連携は欠かせません。「誰でもできる」と思わず、可能であればN2を取得しておくことで、リーダー候補としても採用率がぐっと高まるでしょう。
\N2取得で採用率UP!/
レベル別求人についてプロに相談するホテル就職で外国人が「N2」を目指すべき3つの理由
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「今のレベルでも働けるなら、無理にN2を取らなくてもいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、N2の取得を強くおすすめする理由が大きく3つあります。
1.就労ビザ(在留資格)の選択肢が広がる
ホテルで働くための主なビザには、「技術・人文知識・国際業務」と「特定技能1号(宿泊)」があります。
「特定技能1号(宿泊)」の試験受験資格には、JLPT N4以上が必要です。
これだけであればハードルは低く感じますが、将来的に、より高度な業務が可能な「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更や、ホテル間での転職を考えた場合、N2以上が実質的な業界標準となります。
「ビザが理由で希望のホテルに行けない」という事態を避けるためにも、N2は強力な武器になります。
2.給与アップ・キャリアアップにつながる
日本語レベルが高いほど、任される業務範囲は広がります。
最初は現場スタッフとしてスタートしても、日本語力があれば、新人スタッフの教育係、シフト管理、発注業務などのリーダー業務を任されるようになります。
多くのホテルでは、役職手当や職能給が設定されており、責任あるポジションに就くことで給与アップが見込めます。
さらにN1レベルがあれば、海外ゲスト対応の専任や通訳・翻訳業務を兼務するなど、代わりのきかない希少人材として重宝され、待遇面でも優遇されるでしょう。
3.トラブル対応での「自分を守る力」になる
万が一、お客さまや同僚との間で誤解やトラブルが生じた際、状況を正確に、論理的に説明できる日本語力がないとどうなるでしょうか。
あなたの意図が伝わらず、不当な扱いやミスの責任を一方的に負わされてしまうリスクがあります。
日本語力は単なる業務スキルではなく、異国の地である日本社会で働くうえで、自分自身を守るための「防具」なのです。
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「N2の勉強中だけど、まだ合格していない」「敬語がどうしても苦手……」 そんな悩みを持つ方でも、ホテル業界への就職を諦める必要はありません。戦略的に動くことで、道は開けます。
1.特定技能(宿泊)の試験ルートを活用する
もし、大卒だから必ず「技術・人文知識・国際業務」ビザでなければと考えているなら、少し視野を広げてみましょう。
「JLPT N4レベル」と「宿泊業技能測定試験」に合格すれば、「特定技能1号」という在留資格でホテルでの就労が可能になります。
特に、入国管理局の審査が厳しい「技術・人文知識・国際業務」ビザでは許可が下りづらいレストランや清掃業務でも、特定技能なら正規雇用されやすいのが特徴です。
まずは特定技能で現場に入り、実務を通じて生きた日本語を磨き、将来的にほかのビザへ切り替えるというステップアップも十分に可能です。
2.地方の観光地・リゾートホテルの求人を狙う
東京や大阪などの都心部は人気が高く、競争率も激しいため、求められる日本語レベルも高くなりがちです。
一方、地方の温泉地やリゾートホテルは人手不足が深刻なため、日本語要件を「N3~N4程度」と柔軟に設定しているケースが多くあります。
また、地方のホテルは「寮付き(住み込み)」の求人が多いのも魅力です。日本人スタッフと共同生活をすることで、日常会話の機会が圧倒的に増え、日本語力が飛躍的に伸びる環境があります。
さらに、インバウンド客(外国人観光客)が多いエリアなら、あなたの母国語や英語力を即戦力として評価してもらえるでしょう。
たとえば、北海道のニセコエリアなどはその代表格です。世界中から観光客が訪れるだけでなく、働くスタッフも外国人が多いため、日本語に不安があっても活躍しやすい環境が整っています。
3.インターンシップやアルバイトから実績を作る
いきなり正社員面接を受けるのが不安な場合、まずはアルバイトとして働き始め、現場の信頼を勝ち取るのもひとつの手です。
履歴書の「N3」という文字だけでは伝わらない、あなたの真面目な働きぶり、元気な挨拶、素敵な笑顔を実際に見てもらえれば、「日本語は勉強中だけど、この人なら大丈夫」と評価され、正社員登用のチャンスが生まれます。
留学生なら「資格外活動許可」の範囲で働き、卒業後のビザサポートを約束してもらうルートは、王道の成功パターンです。
4.外国人採用に積極的なエージェントを使う
一般的な求人サイト(日本人学生向け)では、どうしても「日本語ネイティブレベル」が暗黙の条件になりがちで、書類選考で落ちてしまうことも少なくありません。
そこで活用したいのが、外国人専門のエージェントです。私たち「おもてなしHR」のような特化型エージェントなら、あなたの現在の語学力に応じた求人をマッチングできます。
また、面接での受け答えの練習や、履歴書の添削もプロがサポートするため、ひとりで就活するよりも内定率が格段に上がります。
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「おもてなしHR」で就職サポートを受けるホテル就職で外国人に必要な日本語レベルに関するよくある質問
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ここからは、ホテル就職における日本語レベルや採用基準について、外国人の就職希望者からよくいただく質問にお答えします。 応募前の疑問を解消し、自信を持って選考に進むための参考にしてください。
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日本のホテル業界は今、観光需要の回復とともに深刻な人手不足に直面しており、意欲ある外国人材を強く求めています。
「N2に合格してから就活を始めよう」と先延ばしにする必要はありません。今のレベルでも歓迎してくれるホテルを探し、まずは現場に飛び込んでみてください。
教科書で学ぶ日本語よりも、実際の現場で働きながら覚える日本語の方が、あなたの成長スピードを何倍も速めてくれるはずです。
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