ホテルマンの仕事内容とは?
「ホテルマン」とは、ホテルに宿泊するお客様に対し、様々なサービスを提供するおもてなしのプロフェッショナルです。
ホテルマンの仕事には一般的に5つの部門があり、「宿泊部門」「料飲部門」「宴会部門」「ブライダル部門」「管理部門」に分けられます。一例ですが、代表的なフロントやベルスタッフは宿泊部門にあたる仕事です。
このように、ホテルマンの仕事は細分化されており、非常に多くのスタッフが働いています。
どの仕事にも共通して言えることは、お客様の快適な滞在の実現につながっているということ。それぞれがプロフェッショナルとして連携を取りながら、より良いホテルづくりに努めています。
次の項目からは、どのような職種があるのか、ホテルマンの仕事を部門ごとに詳しくみていきましょう。
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ホテルマンの仕事:宿泊部門
宿泊部門はお客様の宿泊に関する業務をメインに勤める部門です。宿泊部門の職種について紹介します。
フロント
【仕事内容】
- ・宿泊予約の受付と確認
- ・チェックイン、チェックアウト業務
- ・来館者対応
- ・電話対応
「ホテルの顔」と言われているフロントは、お客様の宿泊予約や受付などを担当しています。ホテルの仕事と聞いて、よくイメージされるのがこの職種なのではないでしょうか?
フロントには、チェックインやチェックアウトをするために多くのお客様が訪れます。ホテルの顔として、お客様が心地良く利用できるように接客しなければいけません。
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ベルボーイ・ベルガール
【仕事内容】
- ・荷物の運搬、保管
- ・客室案内
- ・来観客対応
ベルボーイ・ベルガールは、宿泊部門のサービススタッフです。主にホテルのロビー内で待機しており、お客様のお出迎えを仕事とします。
また、ロビー周辺を見守るセキュリティとしての役割も担っているよう。接客スキルはもちろん、スピード感のある対応も求められるポジションです。
▼ベルボーイ・ベルガールについて詳しい記事はこちら
ドアマン
【仕事内容】
- ・ゲストのお出迎え、お見送り
- ・車の誘導
- ・タクシーやハイヤーの手配
- ・施設案内
- ・周辺警備
ホテルの正面入口に立ち、ドアの開閉をする姿が印象的なドアマン。ドアの開閉だけでなく、ホテルに到着したお客様の車の誘導や施設周辺の警備なども行っています。
お客様がホテルを訪れて最初に接するスタッフであるため、ホテルの第一印象を決める職種とも言える存在です。
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コンシェルジュ
【仕事内容】
- ・レストラン予約
- ・航空券、交通機関の手配
- ・観光案内
- ・記念日のサプライズの手伝い
コンシェルジュは、お客様からのさまざまなリクエストにお答えするおもてなしのプロフェッショナルです。
幅広い分野に関する知識や発想力、リクエストに対応する柔軟性など、ホテルマンとしての総合力が求められます。お客様の好みや考え方に合わせて対応する「マルチプレイヤー」でなければいけません。
▼コンシェルジュについて詳しい記事はこちら
ハウスキーパー
【仕事内容】
- ・客室清掃
- ・ベッドメイキング
- ・備品管理、補充
客室内の清掃や備品の管理など、お客様が気持ちよく過ごせるよう部屋を清潔に保っているのがハウスキーパーです。
ハウスキーパーは、基本的にお客様の前に出ることはあまりない裏方の仕事ですが、単なる清掃担当ではなく客室の印象を左右する重要な役割を担っています。
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ホテルマンの仕事:料飲部門
料理と飲料の提供に関する料飲部門は、主にホテル内のレストランで活躍しています。料飲部門の職種について見ていきましょう。
グリーター・グリートレス
【仕事内容】
- ・出迎え、見送り
- ・会計
- ・予約受付、予約管理
- ・電話対応
- ・座席コントロール
グリーター・グリートレスの仕事は、レストランの入り口でお客様をお出迎えし、席まで案内することです。レセプションやレセプショニストと呼ばれることもあります。
食前の出迎え・食後の見送りがレストランの印象に大きく関わっているため、「レストランの顔」としての意識をしっかり持って接客をしていかなければいけません。
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シェフ
【仕事内容】
- ・食材の仕入れ
- ・メニューの考案
- ・味付けのチェック
- ・調理場スタッフのマネジメント
シェフ(料理長)は、レストラン内においてコックたちの指揮をとる調理場の責任者です。スペシャリストとゼネラリスト、どちらのスキルも必要だといわれています。
ホテルの規模によっては、ホテル内で提供されるすべての料理を監督する「総料理長」という役職があることも。
料理は、ホテルの魅力をアピールするのに欠かせないものです。ホテルブランドを構築する役割も担っていると言っても過言ではないでしょう。
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ウエイター・ウエイトレス
【仕事内容】
- ・オーダーをとる
- ・料理、飲み物の提供
- ・片付け
レストランの接客だけでなく、パーティーや宴会でも活躍しているウエイター・ウエイトレス。
レストランにはさまざまなお客様が足を運びます。料理に関する質問に的確に答えられる知識や、思わぬトラブルが起きても対応できるスキルなどを身につけることが大切です。
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ソムリエ
【仕事内容】
- ・ワインの選定
- ・仕入れ
- ・品質管理
ソムリエはワインに関するスペシャリストです。食事内容やお客様の希望に合わせてワインを選び提供します。
料理に合わせてワインを提供するための知識を身につけるだけでなく、よりおいしく飲むためのテクニックや、お客様との会話を楽しむための接客スキルなども必要です。
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バーテンダー
【仕事内容】
- ・お酒の提供
- ・接客
バーがあるホテルでは、お客様においしいお酒を提供しているバーテンダーがいます。バーテンダーは、お酒に関する知識だけでなく、お客様のリクエストに応じてカクテルを作るといった発想力も必要な職種です。
カウンターに座るお客様の中には、会話を楽しみに訪れる方もいるため、コミュニケーション力や観察力も求められます。
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ベーカリー
【仕事内容】
・材料の仕入れ、管理
・仕込み
・提供
ベーカリーは、ホテル内やレストラン内のベーカリーショップでパンの製造、販売を行っています。早朝に出勤したり重いものを持つ機会が多かったりと体力が求められる場面も。
パンに関する知識や製造技術が必要となり、コンテストや海外研修を実施しているホテルもあるようです。
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パティシエ
【仕事内容】
- ・洋菓子の製造
- ・盛り付け
- ・メニュー考案
パティシエは、ホテル内で提供するデザートを製造する洋菓子づくりのプロフェッショナルです。
レストラン内のデザート、ウエディングケーキ、スイーツフェアなど、ホテルではさまざまな場面でパティシエが活躍しています。料理と同様、発想力や提案力が必要となるでしょう。
▼パティシエについて詳しい記事はこちら
ルームサービスサーバー
【仕事内容】
- ・ルームサービスのオーダーを取る
- ・料理やドリンクを部屋に運ぶ
- ・客室内冷蔵庫の利用確認や補充
- ・商品の在庫管理
ルームサービスサーバーは、お客様からルームサービスの注文を受ける仕事です。お客様が部屋でも楽しい時間を過ごせるようにサービスを提供します。
コミュニケーションスキルのほか、ホテル周辺の情報や時事ネタなどの知識を持っているとお客様との会話を弾ませることができそうです。
ホテルマンの仕事:宴会部門
お客様の中には、結婚式のパーティーや社員旅行などを目的にホテルで宴会を開く方も少なくありません。
そのような場で活躍するのが、宴会部門のスタッフです。では、宴会部門にはどのような職種があるのか具体的に見ていきましょう。
宴会予約
宴会の場合、宿泊部門の予約担当とは別に宴会専用で予約を承るスタッフがいます。営業担当が獲得した宴会の案件を「いつ」「どのように」割り振るかを決めるのも宴会予約の役割です。
また、お客様のリクエストに沿って具体的な内容を決める必要もあります。そのため、宴会が成功するかどうかは宴会予約の腕にかかっていると言っても過言ではないでしょう。
宴会サービス
宴会サービスは、パーティー会場でサービス業務を行う役割です。ウエイター・ウエイトレスの仕事とほぼ同じで、料理を運んだりドリンクを提供したりします。
しかし、宴会会場はレストランとは違って、一度に対応しなければいけないお客様の数もフロアの大きさも桁違い。より一層チームワークや柔軟な対応力、スピーディーな行動力が求められてくるでしょう。
ホテルマンの仕事:ブライダル部門
ブライダル部門は、ホテルで結婚式を行うお客様をサポートします。結婚式や披露宴を最高の晴れ舞台にするため、幅広い提案をしながらお客様といっしょに式を作り上げる仕事です。
ここでは、ブライダル部門の仕事について、いくつか紹介します。
ブライダルコーディネーター
【仕事内容】
- ・ウエディングフェアの企画、営業
- ・結婚式の打合せ
- ・結婚式の進行
ブライダルコーディネーター(ウエディングプランナー)は、結婚式や披露宴の演出・コーディネートを担当します。
長い時間をかけてお客様との信頼関係を築き、大切なセレモニーを共に作り上げていかなければいけません。お客様の希望に沿って提案をするクリエイティブな楽しさに魅力を感じる方も多いようです。
▼ブライダルコーディネーターについて詳しい記事はこちら
テーブルコーディネーター
【仕事内容】
- ・テーブルウェア、小物の選定
- ・プランニング
- ・セッティング
テーブルコーディネーターは、レストランや宴会会場のテーブルを会場の雰囲気に合わせてコーディネートする仕事です。
パーティーの趣旨や雰囲気、料理などに合わせてコーディネートし、料理や飲み物を「目」でも楽しんでもらうために工夫を凝らします。
お客様にとって特別なものになるよう、センスの良さや提案スキルが求められてくる職種です。
▼テーブルコーディネーターについて詳しい記事はこちら
介添人
【仕事内容】
- ・進行のサポート
- ・身の回りの世話役
- ・精神的なサポート
介添人の仕事は、結婚式当日に新郎新婦に付き添い、身の回りのお世話をすることです。
一大イベントを迎えて緊張している新郎新婦が、安心して式に臨めるようにサポートしなければいけません。そのため、細やかな気配りや臨機応変に対応する力などのスキルが求められてきます。
▼介添人について詳しい記事はこちら
ホテルマンの仕事:管理部門
管理部門はお客様と直接関わることはあまりありませんが、ホテルの運営に欠かせない部門です。
管理部門の仕事について、見ていきましょう。
総支配人
総支配人(GM)はホテルのトップのポジションにあたります。売上や生産性、サービスの向上などを目標に、ホテルの運営に関わるすべての事を統括する仕事です。
ホテルマンとしての知識や経験、ビジネスマンとしてのセンスやスキルなど、さまざまな能力が求められます。
大きな責任を負うシビアな立場にある反面、自分の理想のホテルを作り上げていく楽しさや喜びを味わうことができるかもしれません。
▼総支配人について詳しい記事はこちら
支配人
支配人は「部門ごとのトップ」という立ち位置におり、各部門において業績管理や企画立案、スタッフのマネジメントなどを行っています。
部門の責任者としてスタッフをまとめ上げなければいけないので、チームリーダーとしての決断力やリーダーシップなどが求められてくるでしょう。
▼支配人について詳しい記事はこちら
事務、総合職
接客業のイメージが強いホテルの仕事ですが、営業や人事、総務、広報、事務などの総合職ももちろん存在します。
直接お客様の前に出る仕事ではありませんが、ホテル経営の中枢を支えている重要なポジションです。さまざまな業務を通して、ホテルの経営について学ぶことができます。
▼事務職、総合職について詳しい記事はこちら
ホテルマンの仕事をしたい!給料はどれぐらい?
ホテル業界は、他の業界と比べると給与水準が低い傾向にあります。宿泊業界に限った話ではありませんが、雇用形態や地域によって給与差があるのも事実。
ホテル業界の給与相場を職種別にいくつか紹介すると、
- ・フロント:月給20万円~25万円
- ・調理:月給20万円~30万円
- ・マネジメント:月給20万円~40万円
となっているようです。もちろん、雇用形態や地域だけでなく、ホテルの立地や規模によっても金額は変動します。
給与が低い傾向にあるホテル業界ですが、スキルや知識を身につけてキャリアアップできれば、高い給与を得ることも十分可能でしょう。
▼宿泊業界の給与について詳しい記事はこちら
ホテルマンの仕事にやりがいや苦労はある?
ホテルマンの仕事に、やりがいや苦労はあるのでしょうか?それぞれ紹介しますので、目を通してみてくださいね。
やりがい
ホテルマンはお客様が快適に過ごせるように、さまざまな工夫を凝らし、質の高いサービスでお客様を迎えています。
その中で、お客様から感謝の言葉をいただいたときには、頑張りが報われたような嬉しさを感じることができるようです。
また、誰かの特別な日に喜びや感動を与えられるというのは、想像以上に大きなやりがいを感じられるのだとか。お客様へのおもてなしを第一に考えているホテルだからこそ得られるのかもしれませんね。
苦労すること
ホテルマンはやりがいを感じられる魅力的な仕事ですが、苦労することがないわけではありません。
- ・体力がいる
- ・生活が不規則になる
- ・クレームやトラブルの対応をしなければいけない
- ・「失敗はできない」とプレッシャーを感じる
など、人によっては大変に感じてしまう場面もあるよう。このような一面も踏まえて、自分がどのような働き方をしていきたいのか、しっかりと整理することが大切です。
ホテルマンの仕事をするなら!おすすめの資格やスキル
ホテルマンの仕事に役立つ資格やスキルを簡単に紹介します。ホテルマンに興味がある方は、ぜひ資格取得やスキルアップに挑戦してみてくださいね。
資格
資格については以下の通りです。
- ・ホテルビジネス実務検定
- ・サービス接遇検定
- ・マナープロトコール検定
上記の資格は、ホテル関係の仕事であればどの職種でも通ずるところがある検定なので、取得しておいて損はないでしょう。
もし目指している職種がある方は、その職種に沿った資格を探してみてくださいね。取得できれば就職・転職の際にアピールポイントとして活用できるかもしれません。
スキル
身につけておきたいスキルについては以下の通り。
【語学力】
英語力がある方はもちろん、他の言語で話せるものがある方はホテルにとって喉から手が出るほど欲しい人材。
近年は、アジア圏からの旅行者が増えているようなので、中国語や韓国語などを学んでおくと実践で活かせる場面も多いかもしれません。
語学力があると、訪日外国人の方の対応をするときも安心して出迎えることができるでしょう。
【接客力】
ホテルで働きながら身につけることも十分可能ですが、その前に接客スキルがある程度ついているとスムーズに仕事を進めることができます。
コロナ禍によって、お客様の中には接客に敏感になっている方も多いです。お客様の考えを素早く察知し、臨機応変に対応していく必要があります。
【パソコンスキル】
インターネットのサイトから予約をするお客様も増え、パソコンを使う機会も多くなっています。
予約管理やメール対応といった際に使うことがあるので、パソコンやタブレットなどのデバイスに対する壁はなくしておくといいでしょう。
▼資格やスキルについて詳しい記事はこちら
多種多様な仕事。ホテルマンへ転職をお考えなら「おもてなしHR」
多種多様な仕事があるホテル業界ですが、すべてのホテルマンに通ずるのは「お客様に最高のおもてなしをすること」です。
ホテルマンとして働きたい、人を喜ばせる仕事がしたいという方は、ぜひホテルマンに挑戦してみましょう!
また、ホテルマンの仕事をお探しであれば、私たち「おもてなしHR」がサポートします!無料で利用できますので、ご相談くださいね。