ホテルの総支配人の役割とは?
ホテルの総支配人とは、そのホテルを構成する組織のトップに立つ人を指し、ジェネラル・マネジャー(GM)と呼ばれることもあります。
ホテルのトップとして経営管理をする能力や、安定的な経営をするための高いマネジメント能力、ホテルの魅力を内外に示すためのプレゼンテーションスキルなどが求められるポジションです。
ホテルの規模によっては年収が1000万円以上になることも珍しくありませんが、当然それに見合う実力が求められます。
ホテルの総支配人は具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。次の項目で詳しく見ていきましょう。
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ホテル総支配人の仕事内容
ホテルの総支配人は、ホテルのトップとしてホテル全体の状況を把握していなければなりません。主な仕事内容は大きく4つに分けられます。
・経営理念を示す
・経営状況の把握
・各セクションとの連携
・お客様対応
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
経営理念を示す
ホテルの理想や経営理念などを考え、内外に示すことは総支配人の最も重要な役割です。
国内外に星の数ほどあるホテルの中で、多くのお客様に選ばれ、支持を得られるようにホテルをブランディングしていきます。
また、経営理念を全従業員に浸透させることも総支配人の重大任務です。
経営状況の把握
ホテル事業を継続的に維持できるかは、経営状況に左右されます。そのため、総支配人は常日ごろからホテルの経営状況を正確に把握し、その時々で最適な経営方針や経営戦略を立てなければなりません。
加えて、景気や社会状況を考慮し、中長期的に事業計画を立てるなど先を見通す力も求められます。
経営方針をスタッフに対し明瞭に示すことで、サービス向上につながりお客様満足度にも変化が見られるでしょう。
各セクションとの連携
ホテル全体の業務がスムーズに回るよう、各部門の責任者と綿密に連携を取ることは、総支配人の仕事を円滑に進める上で必要不可欠です。
また、一方的に指示や指摘をするだけでなく、良い点はきちんと評価しスタッフのモチベーション向上に努めるのも重要なポイント。
問題が起きた時はすぐに総支配人へ報告する仕組みを整えることも大切です。スタッフを最適なポジションに据え、働きやすい環境を整えるマネジメント能力が求められます。
お客様対応
支配人室でデスクワークに勤しむだけでなく、時には現場に出て、サービス向上のヒントを探ることも重要です。
VIPや著名人など特別なお客様が訪れた時は、総支配人がホテルを代表し、お出迎えやお見送りをしたり客室まであいさつに出向いたりすることがあります。また、お客様の声を直接聞くために館内の様子を見たり、接客したりといったこともあるでしょう。
このように、総支配人は経営管理や各セクションとの連携など、ホテルの中枢を担う存在なのです。
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ホテル総支配人のやりがい・面白さ
ホテルの総支配人は、誰でも担える役割ではありません。
さまざまな部門で経験を積むのはもちろん、サービスやマナー、知識などいずれも高いレベルが求められ、総責任者としての責任感や行動力も必要です。
これまでに培ってきた知識や技術をいかして責務を果たせた時には、大きな自信と誇りを感じることでしょう。
また、理想のホテルを作り上げる楽しさも、ホテル総支配人ならではのやりがいや面白さです。ホテルの在り方の方向性は、総支配人が掲げる理想のホテル像に影響します。
「お客様の期待を超えるサービスをする」「わが家のように過ごせるホテル」など、ホテルが本来持つ個性や魅力などをいかしつつ、ホテルを育てるのです。
ホテルコンセプトを考え、スタッフに示し、社会に浸透させるまでには長い時間がかかるかもしれません。しかし、訪れたお客様がホテルに満足してくれた時や、客室稼働率や売上がアップした時には、仕事に対する満足感を感じられるでしょう。
ホテル総支配人の難しさ・大変さ
経営者としての責任の重さが、ホテル総支配人の難しさ・大変さだと言えます。最高責任者としてホテルを守るということは、非常に強いプレッシャーとの戦いなのです。
ホテルで働くスタッフやその家族、提携する企業など、総支配人が持つ責任と影響力を考えると、不安に苛まれ仕事につらさを感じるかもしれません。
経営者としてどのような姿勢を内外に示していくのか、知識やスキルだけでなく、人間性も問われる立場であることを理解する必要があります。
また、総支配人はホテルの経営責任者として、常に実績で評価される厳しいポジションです。
売上や稼働率など経営状態が悪くなれば、総支配人の席を追われることもあるでしょう。また、不祥事や問題が起こった時は、総支配人が責任を取らなければなりません。
総支配人の仕事は、経営状況や実績次第のシビアな仕事なのです。その世界で生きていく覚悟は必要でしょう。
ホテルの総支配人に必要な資格やスキルはある?
総支配人になるための必須資格はありません。しかし、ホテルマンとしての基本的なスキルを身につける手段として、「ホテル実務技能認定試験」や「ホテルビジネス実務検定試験」などの資格を持っていると役に立つのではないでしょうか。
また、総支配人には次のようなスキルが必要不可欠です。
・責任感
・オペレーション能力
・語学力
・決断力
・臨機応変な対応力
ホテルの総支配人として、責任感や決断力、臨機応変な対応力は絶対に必要なスキルです。
また、スタッフの見本として、高いホスピタリティマインドや、オペレーションスキルなども兼ね備えていることが望ましいでしょう。
ホテルの総支配人を目指すなら転職という選択肢も!
ホテル総支配人になる方法として挙げられるのは、現在勤めているホテルでさまざまな経験を重ね、キャリアアップを目指す方法です。しかし、総支配人への道はそれだけではありません。
総支配人に必要なキャリアを積めるホテルへ転職するという道もあるのです。今の職場で昇進のチャンスが巡ってこない、ポストが空く見込みがないという場合は、転職が近道かもしれません。
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