ホテルで使う接客英語は日常英会話と同じではない?
実のところ、ホテルで使う接客英語は日常英会話とは異なります。そのため、接客英語も日常英会話とともに学ぶ必要があるのです。
ホテルで接客するときは、丁寧な言葉遣いを心がけなくてはいけません。これは、日本語だけでなく英語も同じです。英語で話す際も丁寧でフォーマルな言葉を使わなければいけません。
特に、フロントはホテルの第一印象にもつながる大切なポジションです。フロントがどのように対応するかでホテルの印象は左右されます。お客様に満足してもらうためには、心地よいコミュニケーションが欠かせません。
- 海外のお客様との接客に慣れていない
- 英語に自信がない
- 接客英語を勉強中である
などという方は、この記事で接客英語のフレーズについて確認し、お客様にとって好ましいフロントスタッフを目指していきましょう。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
【ホテルフロントの接客英語フレーズ】声がけ
まずは、あいさつや呼びかけなど、ホテルのフロント業務で覚えておきたい基本的な接客英語のフレーズをチェックしていきましょう。
あいさつ
お客様への基本的なあいさつは、時間帯に合わせて以下の表現を使いましょう。
- 午前:Good morning
- 午後:Good afternoon
- 夕方以降:Good evening
※Helloは少しカジュアルな表現になるため、上記のフレーズが望ましい。
・「〇〇ホテルへようこそ」
Welcome to 〇〇 Hotel.
あいさつの後に付け加えることで、歓迎の気持ちを伝えることができます。
呼びかけ
お客様に呼びかける際は、性別に合わせて呼びかけ方を使い分ける必要があります。
- お客様(男性)→Sir
- お客様(女性)→Ma’am/Miss
例:Good morning, sir.
女性の場合、Missは主に若い女性へ向けられるのに対して、 Ma’amは熟年の女性へ向けられて使います。
年齢の判断を誤るとお客様に不快な想いを与えてしまう可能性もあります。お客様の呼びかけに対してはホテル内でよく話し合った方が良いでしょう。
また、お客様を呼び止める必要があるときは男女関係なく「Excuse me.」を使用します。
・「ごゆっくりおくつろぎください」
Please enjoy your stay with us.
Please help yourself.(おくつろぎください)
・「少々お待ちください」
Just a moment, please.
Could you wait for a moment ? (より丁寧)
・「電話を切らないでお待ちください」
Hold the line please.
返事
・「かしこまりました」
Certainly, sir/ma’am.
※Sure.でも可能だが、Certainly.が望ましい。
・「とんでもないです」
You’re welcome.
Not at all.
My pleasure.(より丁寧な表現)
問いかけ
・「~してもよろしいでしょうか?」
May I~?
例:May I have your name, please ?(お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?)
例:May I help you ? (お手伝いしましょうか?)
お客様に困りごとがあったときや、お客様がホテルの従業員に話しかけたいような素振りを見せたときにも使えるフレーズも併せて覚えておきましょう。
・「~をご希望ですか?」
Would you like〜 ?
例:Would you like a smoking room ?(喫煙のお部屋をご希望ですか?)
上記は、ものを勧める表現としても使えます。
例:Would you like some Japanese tea ?(日本茶はいかがですか?)
・「入ってもよろしいですか?」
May I come in?
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
【ホテルフロントの接客英語フレーズ】予約受付
予約の受付はフロント業務に欠かせません。
予約受付の際に役立つ接客英語のフレーズを身につけて、予約業務もスムーズにおこなえるようにしましょう。
「予約」の表現
・「予約」
reservation
・「予約する」
make a reservation
予約受付時
予約を受け付ける際には、予約に必要な情報を正確に聞き取らなければなりません。予約受付時に確認する項目に合わせて、英語フレーズを紹介します。
【予約日】
When would you like to check in ?
(ご希望のチェックイン日はいつでしょうか?)
【滞在日数】
How many nights would you like to stay?
(何泊のご予定ですか?)
How long will you be staying for ?
(滞在日数は何日間ですか?)
【人数】
For how many people?
(何名様ですか?)
【部屋の種類】
What kind of room would you like ?
(どのお部屋をご希望ですか?)
【お客様情報】
Could I have your name and phone number ?
(お客様のお名前とお電話番号を教えていただけますでしょうか?)
予約の確認
「スミス様のお名前で6月25日に1名様でシングルルームを1泊でご予約いたしました。」
I have reserved a single room for one on June 25th for one night under Smith.
予約確認後、問題なければ
「We look forward to seeing you.(お会いできるのを楽しみにしております。)」
と一言添えると非常に印象がよくなりますよ。
【ホテルフロントの接客英語フレーズ】チェックイン・チェックアウト
お客様のチェックイン・チェックアウト時に使う接客英語のフレーズです。
チェックイン
・「チェックインでよろしいですか?」
Are you checking in ?
・「ご予約はされていますか?」
Do you have a reservation ?
・ 「ご予約番号を教えていただけますでしょうか?」
Could you have the reservation number ?
・ 「お名前を教えていただけますでしょうか?」
May I have your name ?
・ 「こちらの用紙にご記入ください」
Could you fill in this form ?
・ 「パスポートを確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
May I have your passport ?
・ 「お客様のお部屋は5階の501号室です。こちらはお部屋の鍵です」
Your room number is 501 on the fifth floor. Here is your key.
・「スタッフがお部屋までご案内します」
Our staff will attend you.
・ 「エレベーターは右手にございます。」
The elevator is on the right.
チェックアウト
・「チェックアウトでよろしいですか?」
Are you checking out ?
・「鍵をいただけますか?」
May I have the key ?
・「ミニバーはご利用されましたか?」
Did you have anything from the mini-bar ?
※ミニバー=ソフトドリンクや酒類、小さいお菓子やおつまみなどの飲食物を提供する小型冷蔵庫あるいはその機能を持つ棚
・ 「お支払いはいかがなさいますか?」
How would you like to pay?
・ 「ご精算内容をご確認ください」
Please check your bill.
・ 「お会計の合計は~円です。」
Here’s your check, the total is ~ yen.
・ 「お支払いは現金になさいますか、それともクレジットカードになさいますか?」
Would you like to pay in cash, or by credit card ?
・「お支払いはご一緒になさいますか、別々になさいますか?」
Would you like me to make out one check or separate checks?
・「〇〇円のお返しです」
Here is your change of 〇〇 yen.
・ 「こちらにご署名ください/暗証番号を入力してください」
Could you sign here ?/ May I ask you to enter your PIN ?
・ 「おつり(カード)とお控えでございます」
Here’s your charge (your card) and receipt.
・「当ホテルをご利用いただきありがとうございます」
Thank you for staying with us.
・「またのお越しをお待ち申し上げております」
We look forward to seeing you again.
・ 「気を付けてお帰りください」
Have a safe trip to your home.
【ホテルフロントの接客英語フレーズ】トラブル発生時
ホテルのフロントは、時には突然のトラブルやクレームにも対応しなければいけません。
イレギュラーな事態が起きてしまったときに使える接客英語のフレーズをチェックしていきましょう。
・「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
We apologize for the inconvenience.
・「お待たせして申し訳ございません」
I’m sorry to have kept you waiting.
・ 「こちらのミスをお詫び申し上げます」
We’re sorry for the mistakes we made.
・ 「二度とこのようなことがないようにします」
This will never occur again.
・ 「スタッフがすぐに向かいます」
Our staff will be there in a few moments.
最低限、以上の接客英語を押さえていれば、いざという時も冷静に対応できるでしょう。
また、客室でトラブルが起きた場合はフロントに内線がかかってくることもあります。お客様が目の前にいない分、伝わりにくいこともありますので、よく使うフレーズを受話器の近くに用意しておくと安心です。
ワンランク上を目指す!ホテルフロントの接客英語フレーズ
海外のお客様により満足していただくために、気の利いた接客英語のフレーズを紹介します。
海外から訪れるお客様の中には、異国の地で不安な気持ちを抱えている方も多いです。そのようなお客様を安心させるためにも、以下の接客英語を投げかけてみてください。
・「何か必要でしたら、いつでもお申し付けください」
If you need anything, please let us know.
・ 「何かお困りですか?」
May I help you ?/How can I help you ?
・「バスのご利用をお勧めします」
I suggest that you take a bus.
・「こんにちは。ご機嫌いかがですか?」
Good afternoon. How are you ?
※挨拶は時間帯によって変えましょう。
・「ごゆっくりとお過ごしください」
Enjoy your stay.
お客様に挨拶をするときは、上記の「How are you ? 」などのようにフレンドリーな挨拶を心がけることで相手の警戒心をほぐすことができます。
さらにチェックインが済んだら、「Enjoy your stay.」と伝えましょう。
ホテルフロントの接客英語で大切なのは「話す」「聞く」
接客では、英語を「話す」「聞く」力が重要です。書く・覚えることはできても、いざ話そうとしたり聞こうとしたりすると戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか?
ペーパーテストでは書けるのに、実際に道端で英語で話しかけられたら上手く聞き取れなかった・話せなかったという経験があるかもしれませんね。
また、日本人が学んだ英語と、ネイティブの方が話す英語の発音が違うことで知っている単語でも何と言っているのか分からなくなってしまうこともあります。
そのため、書く・読むことで英語のフレーズを覚えたら、次は実際に話したり聞いたりしてみて「英語の音」に触れることが大切です。
ホテルのフロントで海外のお客様と接する姿をイメージして、実際に話す練習をしてみましょう。
何回も声に出してみて、頭で考えなくとも自然とフレーズが出てくるようになったら身についている証拠です。
英語は1日集中してたっぷりやるよりも、少しずつでも毎日学んだほうが定着するとも言われています。自分から英語に触れにいくことを心がけて勉強してくださいね。
接客英語を実践!ホテルフロントの仕事をお探しの方へ
ホテルのフロントで使う接客英語のフレーズについて紹介してきましたが、一番大事なポイントは「お客様とコミュニケーションを取ること」です。
海外の方とコミュニケーションを取るために英語が必要なのであって、ただ英語を話せればいいわけではありません。そのことを念頭に置いて接客英語を学んでみましょう。
今回はホテルフロントの接客英語を紹介しましたが、ほかの部署にいる場合の接客英語について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてくださいね。