ホテルの業種・職種を分類。ホテルの職種を見てみよう!

ホテルにはたくさんの職種が存在します。業務内容によってそれぞれの役割は異なりますが、ホテルマンとしてお客様に満足いただけるサービスを提供するという、共通の役割を持っています。本記事では、ホテルの部門や職種の分類について詳しく紹介します。ホテル業、ホテルでの仕事に興味のある方は参考にしてみてくださいね。

【ホテルの職種】ホテルの分類は?

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宿泊業、サービス業と言われるホテル。業種、職種の分類はどのようになっているのでしょうか。

ホテル業の業種の分類は「日本標準産業分類」で定められています。

  • ・大分類:宿泊業、飲食サービス業
  • ・中分類:宿泊業
  • ・小分類:ホテル

営利的に宿泊又は宿泊と食事を一般公衆に提供する事業所として分類されるため、小分類の中には、旅館や簡易宿所、下宿業も含まれます。

ホテルの職種の分類は「日本標準職業分類」で定められています。

  • ・大分類:サービス職業従事者
  • ・中分類:接客・給仕職業従事者
  • ・小分類:身の回り世話従事者

旅館・ホテル・待合・航空機・船舶・列車などにおいて用務・部屋の清掃など、お客様の身の回りの仕事に従事するものとして分類されています。一般的にサービス業と呼ばれる、お客様対応が必要な職種が該当します。

ホテルの職種には、お客様対応の必要がない職種も。レストランで勤務するシェフの場合は、中分類と小分類が異なります。

  • ・大分類:サービス職業従事者
  • ・中分類:飲食物調理従事者
  • ・小分類:調理人

ホテルにはさまざまな職種が存在し、連携しながらサービス提供を行っています。同じサービス業であっても担う役割はそれぞれ違います。あらゆる職種のプロフェッショナルが集まった集団であるというのは、ホテルの特徴かもしれません。

参考:日本標準産業分類/総務省

   日本標準職業分類/総務省

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【ホテルの職種】ホテルの種類の分類は?

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ホテルは立地や価格、利用目的に合わせて分類されています。ホテルの分類は、宿泊客がホテルを選択する際の目安になるものでもあります。

国内ホテルの代表的な3つの種類について紹介します。

リゾートホテル

リゾートホテルは、観光地や観光地周辺に点在する、休暇滞在を目的としたホテルです。

豪華な設備があったり、美しい景観を臨める客室があったり、特別感を感じる作りになっているのも特徴です。

客室は広めに作られていることが多く、一泊あたりの宿泊料金は数万円〜数十万円。きめ細かなサービスが提供され、ホテル滞在だけでも十分に楽しむことができます。

シティホテル

シティホテルは市街地に位置し、さまざまな目的で幅広い層に利用される大型のホテルです。

レストランや宴会場があり、イベント会場としても使用されます。美容院、エステ、写真館などの施設が併設されていることも多く、宿泊以外での利用客も訪れるのが特徴です。

単身から家族まで幅広い層に合わせた複数の客室タイプがあり、客室数が多いことから団体での利用も可能です。

ビジネスホテル

交通アクセスの良い場所に点在する、ビジネスマンが出張の際に利用するホテルです。

1人での宿泊が多いことから、客室面積が狭かったり、シングルルームが多かったりするのが特徴です。そのため、宿泊料金が安いというメリットがあります。

館内の設備はシンプルですが、通信環境が整っていたり、無料で朝食を提供していたり、ビジネスマンの利用を考慮したサービスが用意されていることも多くあります。

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【ホテルの職種】ホテルの部門と職種の分類は?

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ホテルの中には、複数の部門があり、部門ごとにさまざまな職種があります。ホテルの規模や種類によっては、存在しない部門や職種があったり、兼任していたりする場合もあります。

比較的大型であるホテルをもとに、部門と職種の分類についてご紹介します。

宿泊部門

ホテルの顔とも言える、フロントやホテルロビーで働く宿泊部門。客室販売や利用客への接遇を担当します。

宿泊予約

宿泊客の予約受付、予約管理を担う職種です。宿泊を希望する顧客からの電話・メールへの対応、各種予約サイトの管理などをおこないます。

団体客の受け入れがある場合には、旅行会社や公的機関との連絡にあたることもあります。

実際にお客様と対面する機会は少ないものの、お客様とホテルをつなぐ入口とも言えるポジションです。丁寧で迅速な対応が求められます。

フロントスタッフ

ホテルのフロントとロビーを預かる、ホテルの中心的役割とも言える職種です。宿泊客の行動や目的にあわせ、24時間体制でお世話をします。

宿泊客の到着時の出迎えや案内業務、出発時の見送りや清算業務が主な仕事。必要に応じて、他部門への連絡や引継ぎも担います。宿泊予約の受付をすることもあります。

宿泊客に限らず、ホテルを訪れる全てのお客様への対応が必要なため、施設案内だけでなくホテル周辺の情報や交通情報など、幅広い知識が求められます。

ベルスタッフ

ホテルの利用客が集まるロビーでサービスを提供する、お客様対応の頻度が最も高いと言える職種です。比較的広いロビーのあるホテルに配置されます。

出迎えや見送り、客室までのアテンド、催事の案内などが主な業務です。また、ロビーの安全を守るという役割も担っています。

お客様が最初に接するスタッフでもあるため、ベルスタッフの印象はホテル全体のイメージに結びつくと言っても過言ではありません。質の高い接客スキルが必要です。

ドアスタッフ

ホテルの玄関に立ち、お客様の出迎えと見送りをする職種です。送迎、車やタクシーの誘導、玄関周辺の保守点検などを担当しています。車寄せのあるホテルに配置されます。

暑さ寒さにかかわらず玄関前に立たなければならなかったり、荷物の積み下ろしなどがあったり、体力も必要な仕事です。

館内と連携を取りながら、スムーズに出入りを案内しなければなりません。一日のスケジュールを正確に把握し、状況に合わせた判断力が求められます。

コンシェルジュ

ロビーに設置された特設のデスクで、お客様のさまざまな要望に対応するワンランク上の接客スキルが求められる職種です。ハイクラスホテルの配置されることがあります。

どんな要望でも「NO」を言わないのがコンシェルジュの仕事。一緒に観光スケジュールを組んだり、サプライズの演出を考えたりするようなこともあります。

ホテル内だけでなく、ホテル周辺の飲食店やレジャー施設などの情報を、常に最新の状態で知っておく必要があります。

ハウスキーパー

客室の清掃や備品管理をする、快適な客室を提供する職種です。裏方の仕事ではありますが、ホテルを支える重要な役割を担っています。

チェックアウト後の客室清掃は、正確さとスピード感が求められます。細やかな気配りと体力が必要で、繁忙期には重労働になることも。

清潔で快適な客室は、ホテルの重要な商品です。心地よく滞在できたかどうかで、ホテルの評価も大きく変わるため、ハウスキーパーの課せられた責任には大きなものがあります。

料飲部門

ホテル内にあるレストランやバーを担当する部門。専門的なスキルは必要な職種が多いのが特徴です。

ホールスタッフ

レストランのホールで、お客様から料理や飲み物の注文を受けたり、提供したりする職種です。

単に料理や飲み物を運ぶだけでなく、料理の内容や特徴、使用している食材などの知識も必要です。時に、お客様との会話を楽しみながら、お客様の好みに合ったメニューを提案することも。

スマートな立ち居振る舞いで、お客様に特別な時間を提供することもホールスタッフの役割です。ホテルのレストランの高級感に合った、質の高いサービススキルが求められます。

ルームサービス

宿泊客から料理や飲料の注文を受け、客室に運ぶ職種です。ルームサービスは、レストランのある比較的大型のホテルで行われるサービス。ホールスタッフやベルスタッフが兼任することもあります。

客室でゆっくりと過ごしたいというニーズが高まる中、ルームサービスの人気は上昇中です。

全てのホテルで提供されているサービスではありませんが、ルームサービスの充実化を計るホテルも増えています。

ルームサービスは、料理を運ぶだけでなく、誕生日のような記念日のサプライズ演出をお手伝いすることも。お客様と密に関わることもあるので、質の高い接客スキルが求められます。

ソムリエ

ワインに関する専門知識を持った、ワインのスペシャリストと言える職種です。料理に合ったワインを提案することもあるため、料理や食材にも精通していなければなりません。

ワインを最高の状態で提供するために適切な品質管理をしたり、在庫管理したりするのもソムリエの仕事です。提供するワインをセレクトして、ワインリストを作成することも。

立ち居振る舞い、言葉遣いなどの接客スキル、お客様の会話から好みを聞き出すようなコミュニケーション能力も必要です。

バーテンダー

ホテル内のバーでアルコールを提供する、ホテルの仕事の中では特殊とも言える職種です。

数千種類もあると言われるカクテルのレシピの中から、お客様の気分や好みに合ったカクテルを提案します。季節やイベントに合わせたオリジナルのレシピを考案することも。オリジナリティや想像力が求められます。

バーを利用するお客様には、それぞれ違った利用目的があります。会話を楽しんだり、厳かな空間を演出したり、お客様の気分を読み取る能力も必要です。

調理部門

ホテル内で提供される料理や飲料のすべてを担当する調理部門。ホテル全体の料飲部門の経営を任されることもあります。

シェフ

ホテル内のレストラン、調理場の一切を仕切る職種です。料理長と呼ばれることもあります。

現場に立ち、調理に携わることはもちろん、調理場の指揮を取るのもシェフの役割です。味付けや盛り付けのチェックを行ったり、適切なタイミングで料理が提供できるようにスタッフへの指示を出したりします。

食材の仕入れや管理、新メニューの考案を行うことも。ホテルの味を決める大切な役割を担っています。

ブッチャー

料理に使用する食肉を仕入れ、下処理する職種です。調理や盛り付けは行いませんが、鮮度が重要な食肉に関する専門的な知識や技術が必要な仕事です。

肉料理は、ホテルで提供される料理のメインになることも多くあります。ホテルメイドのハンバークやソーセージが話題になることも。

素材は料理の土台。部位に合わせたカットや適切な品質管理は、味を左右するものです。裏方の仕事ですが、調理の知識や技術もなければ務まりません。

ベーカリー

ホテルで提供されるパンを製造する職種です。製造だけでなく、材料の仕入れや管理、メニューの考案も行います。

朝食で提供される焼きたてのパンが人気になることも。レストラン内に漂う香ばしい匂いは格別です。パンが人気となり、テイクアウトされることもあります。

軽量、成形、焼成と、パン作りの行程は多く、体力も必要です。温度や湿度によって焼き上がりや味が変化する繊細さもあり、まさに職人と言われる仕事です。

パティシエ

ホテルで提供される菓子やデザートを専門に扱う職種です。洋菓子を作る専門的な知識や技術が必要です。

繊細な細工や色彩豊かな盛り付けには、美的センスも必要です。スイーツフェアが人気のホテルも多く、季節のフルーツを使った独創的な洋菓子を考案することも。

ウェディングケーキのような、特別な思い出を演出することもあります。心をも満たすスイーツは、幸せの立役者。ホテルメイドの洋菓子は、集客にも重要な役割を担っています。

宴会部門

各種宴会、会議やイベント、婚礼に対応する部門です。宴会部門は利益率が高いことからホテル経営において重要な役割を担っています。

宴会予約

宴会場の利用予約受付、イベント開催前の打合せや指示書の作成などを担当する職種です。会場の空きに合わせて、収益向上ための販促業務を行うことも。

パーティーや披露宴、展示会などの華やかなイベントにも利用されるホテルの宴会場は、ホテルのもう一つの顔とも言えます。宴会場の利用客の宿泊を獲得することもできるため、宿泊部門との連携も重要です。

特にブライダルシーズンは書き入れ時。試食会や試着会などのブライダルフェアを企画するのも、宴会部門の仕事です。

宴会スタッフ

さまざまな種類の宴会において、料理や飲料を提供したり、宴会の運営をサポートしたりする職種です。

宴会予約が作成した指示書を基に、会場の設営を行うこともあります。同日に複数の宴会が開催されることもあり、利用客を的確に誘導しながら、円滑な進行に尽力します。

宴会スタッフの働きは、宴会の印象を左右することも。規模によっては大勢の宴会スタッフが配置されます。周囲の動きを把握しながら、宴会スタッフ同士が協力し合う姿勢も重要です。

ブライダルコーディネーター

結婚式や披露宴をコーディネートする職種です。ホテルの社員が配属されたり、フリーランスのコーディネーターと契約されたりすることもあります。

お客様との打ち合わせを基に、さまざまな手配を行います。ホテル内の他部門はもちろん、必要に応じて他企業との連携も必要です。

特別な一日を演出する、責任ある立場でもあるブライダルコーディネーター。幸せな瞬間に立ち会える喜びを感じられる仕事です。

販売促進部門

客室、宴会場、レストランは全てホテルの商品です。ホテルを売り物として外部にアピールし、集客につながる働きをする部門です。

セールス

企業や団体、個人に向けてセールスを行う職種です。旅行代理店を通した団体ツアーの獲得や、公共団体による学会や会議など宴会利用と一体化した宿泊客獲得などを担っています。

競合ホテルも多く、競争入札やコンペなども行われます。価格競争だけでなく、他ホテルにはないサービスの考案や提案も行います。

横のつながりも重要なホテル業界。競争だけではなく、連携を図ることもあるため、他ホテルと良好な関係を築くのもセールス担当者の役割です。

企画広報

全館イベントや観光フェアなど、ホテルで開催される催しを企画したり、PRしたりする職種です。

ホテルはイメージとブランディングを大切にしています。イメージアップにつながる広報活動や、SNSなどを活用した認知活動を戦略的に行います。

お客様のニーズやトレンドをすばやく察知し、常に斬新で新鮮なアイディアを生み出す特別な面白さがある仕事です。

管理部門

ホテルの人材、お金、設備に責任を持ち、管理を担当する管理部門。裏方と言われる仕事も含まれますが、ホテルを一つにまとめる重要な役割を持っています。

総支配人/支配人

ホテル全体の最高責任者である総支配人、各部門を統括する支配人は、ホテルにおいて最も重要な職種です。

経営のトップであり、接客のトップでもあります。利益を上げることはもちろん、顧客満足度、従業員満足度を向上させるため、ホテル全体の動きを把握し、適切なマネジメントを行います。

著名人やVIPの来館時には、接客を担当することも。お客様と従業員から信頼される人望と、ホテルの将来を担う責任感が必要な仕事です。

人事

スタッフの採用、退職、教育や研修などの、人材に関する業務を担当する職種です。

ホテル業界は人柄重視とも言われる業界。人材がホテルの業績を左右することもあります。人材の採用・育成がホテル経営に直結していると言っても過言ではありません。

お客様対応が求められることはありませんが、求人の作成や面接官としての役割を担うこともあるため、ホテルスタッフとして実務を経験してから人事担当になることもあります。

経理

ホテル内のお金の動きを把握し、予算管理や収益管理する職種です。

宿泊、料飲、宴会、全ての部門の伝票を扱い、取りまとめるのはホテルの経理ならではの難しさです。日常の経理処理や月次・決算などを担当し、ホテル全体のお金の動きを把握していなければ務まりません。

適切な請求だけでなく、経費削減にも目を光らせる必要があります。

施設管理

お客様が安心、安全に過ごせるよう、施設全体の整備や点検、メンテナンスを行う職種です。

電気や空調など、ホテル内の設備が正常な状態であることは、快適なホテル滞在の基本とも言えるものです。万が一の事故に備え、日頃の保安管理も行います。

ホテルは24時間、365日稼働しています。毎日の安全を守る施設管理は、ホテルを守る縁の下の力持ちと言えるでしょう。

ホテルの職種はホテルの分類によって異なる!自分に合ったホテルを選ぼう

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ホテルの職種は、ホテルの分類や規模によって異なります。マルチに活躍したいのか、スペシャリストになりたいのか、という視点で見るのも、応募先のホテル選びの際には重要です。

希望する働き方にマッチしているかどうか不安な場合は、おもてなしHRにご相談くださいね。

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