「接客態度が悪い」と思われる原因とは?
接客態度をわざと悪くしようと思ってしている従業員はほとんど居ないはずです。しかし、従業員本人に悪気が無く、何気なく取っている態度でもお客様の目には「悪い」と映ることがあるのです。
特に「接客態度が悪い」と思われがちなのは下記の3つの項目です。
あいさつや笑顔が無い
来店時の「いらっしゃいませ」や退店時の「ありがとうございました」を言わないことはないでしょうか。忙しい時間帯は、お客様の動きを見逃してあいさつを漏らしてしまいがちです。
どこの店でもこのふたつの挨拶をするのは当たり前ですよね。そのため、たまたま挨拶をし逃しただけでもお客様には「この店は挨拶をしない店」という印象になるのです。
また、笑顔が無い表情も「接客態度が悪い」と思われやすいです。顔には人それぞれ個性がありますがどんな顔の人も、接客の仕事中は笑顔を心がけましょう。
そうすることによって「怒っているように見える」「つまらなそうに対応された」「めんどくさそうに仕事をしている」「暗くて話しかけづらい」など、お客様から誤解されることを防げます。
動作が雑
品だしや清掃、レジ打ちなどの操作を雑にしていると「モノに八つ当たりしている」と誤解されてしまいます。特に、「バン!バン!」と大きな音を立てることは、お客様や他の従業員の耳障りにもなるので禁物です。
また、レジに商品を通すときも扱い方に気を付けましょう。商品はお客様のもの。ポイポイと投げるように扱ってはいけません。元気はつらつな人や、スピーディに仕事をこなす人ほどやりがちなので注意しましょう。
目を合わせない
人と話すとき、相手の目を見る人は好印象を持たれます。視線を合わせることで、しっかりと向き合っていることがわかるからですね。
反対に、目を合わせないと、相手に対して「拒絶・不信感・不快感」を持っていると感じさせてしまうのです。
照れくさくて目を合わせるのが苦手、という人は眉毛や鼻など、まずは目に近いパーツを見て話すことから慣れると良いでしょう。
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接客態度が悪いとどんなデメリットがあるのか
「接客態度が悪い」と思われることは、ホテルやお店、そして従業員本人にもデメリットがあります。想定されるデメリットを学び、不利益を防ぎましょう。
リピーターになってもらえない
嫌な態度で接客をする従業員が居るホテルやお店にまた来たい、と思うお客様は居ません。過去に素晴らしい対応で感動した経験があったとしても、その後に嫌な思いをすれば「ずいぶん接客の質が落ちたものだ」という記憶に塗り替えられるのです。
また、接客による不満を感じても多くのお客様は直接クレームを言いません。黙って利用を控えるようになるだけです。お客様からのお叱りが無いからといって油断せず、常に接客態度を見直す習慣を持ちましょう。
SNSで拡散される
今の時代、情報はあっという間にSNSで拡散されます。接客態度の悪いホテルやお店のうわさも瞬く間に広がり、下手をすれば録音・録画をされて、ネットにアップされることもあるので要注意です。
なんでもすぐに拡散する側にも大いに問題があると思いますが、このような現代社会ならではのリスクがあることは常に念頭に置いておきましょう。
本部・本社からの指導が入る
接客態度に不満を持つお客様の中には、本社や本部、お客様相談室などにクレームを言う方も居ます。また、現場で直接受けたクレームも上層部へ報告することが義務付けられた企業もありますよね。
本社・本部に度重なるクレームが届けば、指導が入ります。改善の指導を受けることは決して悪いことではありません。しかし、レポートの提出など本来しなくてよい業務が発生し、現場の負担が増える恐れがあります。
また、企業の方針によっては減給などのペナルティもあり得ます。このような事態を避けるためにも、日ごろから良い接客態度を心がけ、クレームを発生させないように取り組みましょう。
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良い接客態度になるにはどうすればいい?
それでは、お客様に良い印象を与える接客態度で仕事に臨むにはどのような努力をすればよいでしょうか。ちょっとしたポイントを抑えて印象は大きくアップさせましょう。
鏡を見て笑顔の練習
前の項目でも接客には笑顔が大事と書きましたが、お客様の前では緊張して自然な笑顔が出しにくいという人も多いでしょう。
そんな人には、1日1分だけでも、鏡を見て自然な笑顔の練習をすることをおすすめします。口角を少し上げただけで、グッと柔らかい印象になりますよ。
自分の自然な笑顔をチェックし、顔の筋肉の動かし方を身体で覚えれば、接客中にも笑顔が出てきます。
言葉遣い・仕草を見直す
言葉遣いや仕草も、お客様が接客の良し悪しをジャッジするポイントです。言葉遣いは、良かれと思って使った謙譲語・尊敬語に誤りがあって知らないうちに失礼なことを言っていたり、知識の薄いお客様に専門用語を使って「不親切」と思われることの無いように気を付けましょう。
相手の反応を良く見ていれば、自分がおかしな言葉を使っていないか、説明がお客様にきちんと伝わっているか掴めるはずです。
仕草については、まずは乱暴・雑に見えることの無いように気を付けてください。例えば、メニューや場所を説明する時、指さしで案内しないようにしましょう。手で指し示す時は手のひらを上に向け、指をそろえた形で手の全体を使って指すのがマナーです。
そのほか、お客様からお金や品物を受け取るときは両手で丁寧に、こちらから品物を渡す時はお客様がしっかり受け取ったことを確認してから手を離すなど、ひとつひとうの仕草を丁寧にしましょう。
雇い主側では研修を繰り返し行うことがポイント
従業員に常に良い接客態度で仕事をしてもらうには、適切な指導が不可欠です。接客態度・マナーに関する研修を開く企業は多いですが、一度きりではあまり効果は期待できません。
研修直後は接客態度が良くなっても、次第に心構えを忘れてしまうものなのです。従業員全員で日ごろの接客態度を振り返る意味でも、研修は繰り返し行うことがポイントです。
不満を感じた接客態度の事例
お客様が不満を感じた接客態度の事例を紹介します。接客は、「人のふり見て我が振り直せ」の精神が大切。これを読んで、事例と同じ失敗をしないように気持ちを引き締めてくださいね。
- ホテルでの朝食後にお茶を頼んだが出てこなかった。再度頼んでも出てこなかった
- 年長の仲居さんに、子どもに話しかけるような言葉遣いで接客された
- ホテルのスタッフにレストランの場所をたずねたが、調べることもせず「わからない」と一蹴された
- デパートの店員が他のお客様の接客に夢中で、道をふさいでいることに気が付かなかった
- 免税店で20万円台の高級腕時計が無いかたずねたら「このメーカーで50万円以下のものなんてありません」と冷たく言い放たれた
- 旅館でお盆を投げるように置かれた
いずれの事例も、お客様の心情を読み取りることや気配り・目配りに欠けた対応であることがわかるでしょう。
「接客態度が悪い」と思われないために
多少仕事に不慣れでも、誠意のある接客をしていれば「未熟な従業員」と思われることはあれども「接客態度が悪い」という評価にはならないはずです。
反対にいくら仕事が早く正確であっても、接客態度が悪いと思われてしまえば、お客様からの評価は残念なものになるでしょう。
接客態度ひとつで自分の接客能力の評価、ホテルやお店の評価は大きく左右されます。今回紹介したポイントや事例を参考にぜひ、より良い接客態度を目指して頑張ってくださいね。