温泉旅館のフロントに転職したい!
「お客様を笑顔にしたい」「素敵な時間を過ごしてもらいたい」、接客業に飛び込んだ方は、そんな志を持っている方が多いことでしょう。
一方で、「今の仕事ではなんだか物足りない……」「お客様とより近い距離で接客がしたい……」など、今の勤務先に対して不満・悩みを抱えることもあるはず。そんな方は、温泉旅館への転職を考えてみてはいかがでしょうか。
温泉旅館のフロントや仲居は特に、お客様と接する時間が長いのが特徴です。ゆったりとした時間が流れる温泉旅館に、心の癒しを求めて訪れたお客様との会話を楽しむ。そんな職場であれば、きっと素敵な毎日になりそうですよね。
本記事では、温泉旅館のフロントの仕事内容や、転職のポイントをご紹介します。ぜひ転職活動の参考にしてみてくださいね。
こちらの記事も併せてご参照ください。
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温泉旅館フロントの仕事内容を知って転職に役立てよう!
旅館フロントには、大きく分けて「受付」「各種手配」「予約管理」「会計」の4つの仕事があります。それぞれどのような仕事内容なのかを押さえておけば、より具体的に転職をイメージできるはずですよ。
受付
受付では、お客様のチェックイン・アウトを管理。チェックインのときは、フロントで受け付けを済ませた後に仲居に引き継ぎます。フロントは「旅館の顔」とも言える仕事です。
各種手配
旅館のフロント業や仲居は、タクシーや航空券の手配、レストランなどの予約を頼まれることがあります。そういったご要望にもフロントでお応えします。
予約管理
宿泊や宴会の予約管理をするのも、フロントの仕事です。そのときの空室状況や宿泊料金などの情報を頭に入れておき、ミスなく迅速に対応することが求められます。
会計
チェックアウト時の会計も、フロントスタッフが担当します。金銭をやり取りするため、大きな責任が伴う業務です。
温泉旅館の場合は上記4つの仕事に加え、温泉に関する説明・案内が含まれます。
例えば、大浴場の場所や入浴時間の案内は必須です。時間帯によって男湯と女湯が入れ替わる場合は、それについても説明します。また家族風呂があれば、家族連れのお客様向けにお声がけすると喜ばれるでしょう。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
温泉旅館のフロントへの転職に役立つ宿泊業界の動向
観光庁が2018年にまとめた「観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について」によると、ホテルの施設数が増加傾向にある一方、旅館は大幅減となっています。
割合で見てみると、2008年から2018年までの10年間でホテルは+8.3%、旅館は-24%と非常に厳しい状況です。一方で、客室稼働率は全国のホテル・旅館共に微増傾向にあります。
この背景には、訪日外国人観光客の急増が関係していることでしょう。外国人観光客が希望する宿泊施設で最も多かったのは「日本旅館」で、割合は全体の70%にものぼりました。しかし希望に反し、「実際に日本旅館に泊まった」と答えたのは55%ほどと、希望と現実の間に乖離があります。
要因に挙げられているのは、ホテルと比べて外国人観光客向けの対応が遅れていること。逆をいえば、時代に合わせた対応のできる旅館には、まだまだポテンシャルがあると言えそうです。
なお、以下の記事では旅館への就職に必要な知識や適性などについて解説しています。併せてご参照ください。
参照:観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について / 観光庁
温泉旅館フロントへの転職を成功に導く3つのポイント
では、温泉旅館フロントへの転職を成功させるためには、どのようなことを押さえておくべきなのでしょうか。3つのポイントをご紹介します。
高度なコミュニケーションスキルが求められる
温泉旅館では、フロント・仲居・レストランスタッフなど、働くスタッフ全員がお客様対応のために連携する必要があります。つまり、お客様だけではなく、従業員間でも多くのコミュニケーションが発生するのです。
また、温泉旅館の規模が小さければスタッフは少なくなりますし、1人のスタッフがいくつもの業務を兼務する旅館も多いと言われています。そんな中でも、笑顔を崩さずお客様とコミュニケーションを取ることができるスキルが、温泉旅館では求められます。
そのため、他部門のスタッフと連携して仕事をしたり、成果を上げた経験があれば、きっと面接時のアピール材料になるはずです。
一歩踏み込んだおもてなしが必要
ホテルも旅館も「泊まる場所」という意味では同じですが、サービスを提供する姿勢には大きな違いがあります。
まずホテルの場合、食事はバイキングやレストランでとる、部屋の掃除をしてもらうかどうかをお客様が選べる、などが一般的。基本的には、ゲストのプライバシーを優先するサービスが特徴です。一方旅館の場合、仲居が部屋まで食事を運ぶ、お客様が部屋を空けている間に布団を敷いておくなど、至れり尽くせりのおもてなし・サービスが特徴です。
あえて旅館を選ぶお客様は「ここだからこそ受けられるサービス」を求めています。つまり自旅館を選んでもらうためには、他にはないサービス・一歩踏み込んだおもてなしを提供し差別化することが必要なのです。
独自のサービスを提供している温泉旅館の例をみてみましょう。
- ・浴衣のデザインを選べる
- ・大浴場にタオルとタオルの返却口を置く(部屋からタオルを持っていく必要がない)
- ・脱衣所に数種類の飲み物を置く
などがあります。
膨大な費用をかけなくとも、少しの工夫やアイデアでお客様に喜んでもらういただくことは十分可能です。決められた業務をこなすだけでなく、自らアイデアを提案して実行できれば、温泉旅館のスタッフとして高い評価を得られるでしょう。
経営状況やスタッフの年齢層などを知っておく
訪日外国人観光客の急増でインバウンド景気に沸く宿泊業界ですが、ホテルと比べて温泉旅館の需要は伸び悩んでいるのが実情です。前述のように、旅館の数は減り続けており、今まさに経営難に陥っている旅館も少なくないでしょう。
その一方で、和と洋の要素をうまく取り込んだ客室作りやWi-Fiの整備、多言語に対応したホームページなど、現在のニーズにマッチした温泉旅館の人気は高く、同じ旅館でも二極化が起こっています。
また郊外に多い温泉旅館は、都市部のホテルと比べてスタッフの年齢層が高めなのも特徴です。外国人、高齢者、地元の人……など客層も旅館によってさまざまなので、その旅館は自分が働く環境としてどうなのかをよく調べておくと、働き始めてからのミスマッチを防げるでしょう。
下記の調べ方も参考にしながら、ぜひ自分にぴったりの温泉旅館を探してみてくださいね。
- ・ネットの口コミを参考にする
- ・実際に働いている、働いていた人から話を聞く
- ・温泉旅館に詳しい転職エージェントに聞く
旅館・ホテルの経験を活かして温泉旅館のフロントに転職!
「温泉旅館のフロントとして働きたい!」と考えている方は、温泉のない旅館・ホテルでの勤務経験を活かしたい、という方も少なくないはずです。
接客業のフロントの仕事は、共通する部分が多いもの。温泉旅館以外のフロントの経験や、レジ・サービスカウンターで働いた経験があれば、温泉旅館へ転職してもこれまでに培った経験を活かすのは十分可能です。
一方で温泉旅館ならではの特徴もあります。過去の勤務先との共通点・相違点を理解したうえで転職活動に臨むことでができれば、働き始めてからのミスマッチを防ぐことができるでしょう。
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