扶養を外れて働くとどうなる?扶養外パートの働き方とメリットについてご紹介

現在、扶養内で働いているものの「収入に余裕が欲しい」と考え、扶養から外れて働くことを検討している方も少なくないはずです。しかし、扶養を外れることによる所得税や社会保険料の負担などが気がかりですよね。当記事では、扶養を外れたらどのような働き方になるのか紹介しますので、働き方に悩んでいる方はお役立てくださいね。

扶養を外れて働くなら意識したい「150万円の壁」

iStock/Kavuto

扶養内で働いている方は、「103万円の壁」「130万円の壁」という制限を意識して働いてきたのではないでしょうか?

扶養を外れて働くということは、その壁を意識する必要がなくなるということ。

しかし、扶養から外れた場合でも「103万円の壁」「130万円の壁」のように意識したいことがあります。

それが「150万円の壁」と「年収154万円以上」の2点です。

それぞれ解説しますので、扶養を外れて収入アップを目指している方は目を通してみてくださいね。

なぜ「150万円の壁」なのか?

扶養を外れて働くとき、ひとつの目安となるのが「150万円の壁」。

 

150万円の壁は「配偶者特別控除の金額が段階的に減額されはじめる」という意味で使われています。

つまり年収150万円までは、配偶者特別控除を最大で38万円受けることができますが、超えてしまうとその控除額が減ってしまうのです。

配偶者特別控除とは、控除対象者が節税の恩恵を受けられる制度。

被扶養者の年収が103万円以上201.6万円未満であれば適用の範囲内となります。

150万円を超えたラインで減額され始めることから、150万円の壁は「配偶者特別控除が満額で適用されるかどうかの基準」であるともいえますね。

また、配偶者特別控除が適用されなくなる「201万円の壁」というのも存在します。

扶養外で働くなら「年収154万円以上」を目指すと◎

扶養を外れて働くのであれば「年収154万円」を目指しましょう。

 

一般的に、年収130万円を超えた時点で住民税・所得税・社会保険料の全ての負担が発生し、その負担額は年間24万円程度です。

そのため、差し引き後の手取額で考えた場合に「年収130万円から153万円未満は働き損」ともいわれています。

 

勤務時間が長くなったのにも関わらず、手取額は扶養内で働いたときと変わらないという現象が起こりうるのです。

以上のような理由から、扶養を外れて働くのであれば年収154万円以上を目指して働くといいでしょう。

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扶養を外れて働くと何が変わる?

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扶養を外れて働くことで、増える負担があります。

負担が増えるといっても、全てがマイナスに作用するわけではありません。

長期的な視点を持つことでプラスになることもあります。

では、扶養を外れて働くことでどのような変化があるのか詳しく見ていきましょう。

社会保険料の負担がかかる

扶養を外れることで発生するのは「社会保険料の負担」です。

社会保険上の扶養であるための年間所得制限は130万未満。

年収が130万円を超えた時点で、

  • ・自分が勤める企業の社会保険に加入する
  • ・国民健康保険に加入する

以上のどちらかを選択しなければいけない義務が課せられています。

この社会保険料の負担があることで、扶養を外れることをためらう方も少なくないはず。

社会保険料を考慮した上で、扶養から外れるかどうか検討することが大切ですよ。

時間と体力面の負担が増える

扶養を外れて働くということは、得られる所得が増えるということ。

しかし、多くの方はその分労働時間が増えてしまうでしょう。

 

「自由な時間を確保したい」「家事のために使う時間が欲しい」という場合には、時間の使い方に関する負担が増えるかもしれません。

  • ・就寝時間が遅くなる
  • ・休養する時間が取れない

などが原因で、体力面での負担が大きくなることも。

 

ゆとりがなくなると述べると厳しくも聞こえますが、時間と体力を十分に確保しながら働きたいときは、扶養内のほうがいい場合もあります。

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扶養を外れて働く!パートの働き方

iStock/monzenmachi

扶養内、扶養外ともに時給が1,000円であった場合の労働時間や日数のモデルケースを紹介します。

<扶養内パート>

※社会保険上の扶養とされる年収130万円未満を意識した場合。

  • ・週5日×4時間労働=年収104万円
  • ・週4日×6時間労働=年収124.8万円

<扶養外パート>

※年収154万円を目安にした場合 

  • ・週5×6時間=156万円
  • ・週4×8時間=166.4万円

扶養外パートの場合は所得税・社会保険料が引かれるので、手取り額は上記に記載している額よりも下回るでしょう。

しかし、厚生年金に加入していることから、将来受け取れる年金は増加します。

 

どちらも週5日で働くとすると、扶養内で働く場合の年収は約104万円、扶養外では約156万円。

さらに、労働時間の違いをみると扶養外は扶養内と比べて「1日2時間、週に10時間長く働く」ことに。

 

このように労働日数や時間といった部分に大きな違いがでてくると考えられますが、これらは時給によって左右されます。

効率よく稼ぎたいのであれば、時給が高い勤務先を選択するといいでしょう。

通勤時間なども含めると、仕事に要する時間というのは思いのほか多いもの。

家事や子育て・介護など仕事以外の時間確保も考慮し、1日を通してどの程度働くかを考えるといいかもしれません。

扶養を外れて働く!パートのメリット

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扶養外パートとして働くことで感じるメリットは、実感しにくい部分があるかもしれません。

では、扶養を外れて働くことでどのようなメリットが生まれるのか、考えられる2つの要素についてみていきましょう。

(1)受け取れる保障が変わる

扶養を外れて働くメリットは、社会保険に加入することで受けられる保障と厚生年金に加入することで将来受け取れる年金の増額です。

 

社会保険についていえば、ケガや病気などで働くことができなくなったとしても、手当金が支給されるため、生活不安が軽減されます。

厚生年金も生活不安の軽減という意味では同様です。

厚生年金に加入した事実があれば、基礎年金に上乗せした金額を年金として受け取れるため、働くことが難しくなる老後の生活にゆとりを持つことができます。

(2)キャリアアップのチャンスに繋がる

扶養外パートで働くとき、「フルタイムパート」として勤務する方もいます。

正社員・契約社員などと変わらない勤務時間で、パートとして働くという方法です。

 

これは勤務時間は同じでも、権限や役職の面で差があったり収入の面で低くなったりするのが一般的。

さらに給与形態や福利厚生は、基本的にはパート勤務の扱いと違いはありません。

一見、不利なことが多いようにみえるフルタイムパート。

しかし、扶養を外れ、フルタイムパートとして正社員と同様に働くことで、将来のキャリアアップにつながる可能性は高くなります。

 

また、年間所得制限なく働くことができるというのもキャリア志向の方にとってはメリットに感じるかもしれませんね。

扶養を外れてパートで働くのもアリ!

iStock/kokouu1

扶養を外れて働くと、社会保険や労働時間という点で負担がかかりますが、収入アップや将来の保障を確保できるという利点もあります。

働き方を変えるというのは、なかなか勇気がいるもの。

悩んだときは1人で抱え込まず、まずは家族や配偶者の方に相談してみるといいでしょう。

また、転職も選択肢として置いているのであれば、転職エージェントを活用してみるのもいいかもしれません。

働き方に詳しく転職のサポートもしてもらえるため、あなたの悩みを加味した上で適切なアドバイスをもらうことが期待できますよ。

もし、「扶養を外れて働きたいけど漠然とした不安がある」「扶養を外れて働くために転職したい」という方がいれば、私たち「おもてなしHR」が力になります。

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