失業手当受給中は扶養に入れないことも！
iStock.com/metamorworks
扶養に入れば、離職した場合にも国民年金や国民健康保険、税金の納付が減免されます。
厚生年金を納められないため、将来受け取れる年金を増やせないなどのデメリットも存在しますが、それを踏まえても扶養に入りたいと思う方は少なくないでしょう。
そこで、「退職後に失業手当を受給をしながら扶養に入ることはできるのか？」疑問に思いますよね。
結論を述べてしまうと、失業手当受給中でも条件を満たしていれば扶養に入ることは可能ですが、受給額によっては扶養に入れないこともあります。
そのため、扶養に入れるか否かについては、基本日額手当（失業手当の1日あたりの受給額）に注意してください。
扶養から外れず失業手当を受給していると、不測の事態に陥る恐れがあります。
「退職後、扶養に入り失業手当を受給しようと考えている」などという方は、失業手当受給中の扶養についてしっかりと確認しておきましょう。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか？
失業手当の受給中に扶養に入れないことがあるのはなぜ？
iStock.com/kazuma-seki
先述した通り、失業手当受給中は扶養に入れないケースがあります。
では、なぜ扶養に入ることができないのでしょうか？
扶養には「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2つの意味があります。
失業手当は非課税のため、税制上の扶養に関しては特別気にする必要はありません。
問題となるのは「社会保険上の扶養」です。
年収130万円未満までの家族を被扶養者として認めることが一般的で、年収が130万円未満であれば社会保険は免除されます。
そこで、なぜ社会保険上の扶養を気にしなければいけないかという点ですが、失業手当受給中に得た手当も「収入」とみなされるからです。
失業手当の受給日数は考えずに、1年間受給したとき年収が130万円に達するかどうかで扶養に入れるかが判断されます。
このとき、ボーダーラインは基本日額手当が3,612円を超えるか超えないか。
日額3,612円以上の場合は、年収の見込みが130万円以上になるため、扶養に入ることはできません。
ただし、扶養のルールは健康保険組合によって異なる場合があります。
家族や自分自身が加入している健康保険組合ではどのようになっているのか、よく確認してくださいね。
ホテル＆旅館業界の就職・転職についての記事
失業手当の受給中に扶養に入ったままだとどうなるの？
iStock.com/oatawa
基本手当日額3,612円以上で失業保険を受給しながら扶養に入っていると、どうなるのでしょうか？
最も困った事態になりやすいのは、医療費の問題。
病院では健康保険証を提示することで、3割負担で医療サービスを受けることができます（予防注射や美容整形など健康保険で受けられない一部のサービスを除く）。
家族の扶養に入っている方は、被扶養者の保険証で同様の扱いを受けられるため、自分自身が保険料を納めなくても3割負担で済むのは大きなメリットですよね。
しかし、基本手当日額3,612円以上の失業手当を受給している方が、家族の扶養から抜けることなく保険証を使って病院にかかったらどうなるでしょうか？
そのときは、「健康保険組合が1度負担した7割の医療費の返還」を後から求められてしまいます。
風邪で1、2度病院に行っただけであれば、まだ少額の負担で済むかもしれません。
しかし、歯医者に何度も通ったり入院したりすれば、かなりの金額を返還しなければいけないことになるでしょう。
ある健康保険組合では、医療費・高額医療費・付加給付金などを合計して約99万円を返還してもらった事例があるのだとか。
扶養からきちんと外れ、国民健康保険に加入していれば払わずに済んだお金です。
このような目に遭わないよう、必要な手続きは確実におこなってくださいね。
失業手当受給中の扶養ルールを理解することが大切
iStock.com/kieferpix
失業手当受給中に扶養に入れるかどうかの基準を理解しておかなければ、多額の返還をしなければいけない事態に陥ることもあります。
紹介した事例とは反対に、失業手当の受給額が扶養に入れる範囲内で収まるにもかかわらず、扶養を外れて損することもあるかもしれません。
失業手当を受給する際は、何かとやることが多く扶養に関する手続きを忘れがちです。
いざというときに備え、健康保険組合の規約を読んでおきましょう。
もし「これから失業手当を受給しながら転職活動を始める」などという方で、宿泊業界に興味がある方は、私たち「おもてなしHR」が力になります！
Facebookでシェア
X(Twitter)で投稿
