インバウンド客を増やす!キャッシュレス導入のメリットとは

現在、世界的にキャッシュレス化が進んでいます。旅行業界でも推進されており、特にインバウンドではキャッシュレスの普及が必要不可欠と言われています。今回は、インバンドにおいてのキャッシュレス化のメリットや、キャッシュレス決済の種類について、事例を交えて紹介します。

目次

    訪日観光客に満足してもらうにはキャッシュレス決済が不可欠

    現金

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    インバウンド誘致政策や円安によって、2012年ごろから訪日観光客の数が爆発的に増加しています。オリンピックや万博の開催で、今後さらに増えることが見込まれ、ホテルや観光地の店舗では、キャッシュレス決済の導入が急がれています。

     

    日本は、キャッシュレス発展途上国と言われています。中国ではキャッシュレス決済の割合が6割、韓国に至っては9割にも及ぶのに対し、日本では2割ほどしか利用されていません。

     

    また、北欧でも現金を扱わない金融機関が増えているほど、キャッシュレスは浸透しています。

     

    日本では、現金への信頼が強く、どこに行ってもATMがありますよね。すぐに現金を手にできるということが、キャッシュレス決済が浸透しない理由のひとつだと言われてます。

     

    また、店舗ではキャッシュレス対応の端末を導入したり、決済手数料の支払いといったコストがかかるので敬遠されがちです。

     

    このような背景によって、日本では基本的には現金払いという文化が強く根付いているのです。しかし、自国ではキャッシュレス決済が当たり前となっているインバウンド客からすると、現金支払いは大変不便なものです。

     

    国土交通省が行った「訪日観光に対する不満点」の調査によると、「支払の際の不便さ」が4番目に多かった不満点という結果が出ました。現金払いをするには、まずは手持ちの通貨を日本円に両替する手間があり、そこが不満要因となっているのです。

     

    中国人観光客による爆買いをきっかけに、キャッシュレス決済を導入する店舗が増えつつありますが、まだまだ遅れている状況なのですね。今後、さらなる訪日観光客を誘致するには、キャッシュレス決済に広く対応し、満足度を高めることが必要不可欠なのです。

    キャッシュレス決済の種類

    電子マネー

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    ひと口にキャッシュレス決済と言っても、決済方法はさまざまです。ここでは基本的なキャッシュレス決済の種類について説明します。

    クレジットカード・デビットカード

    クレジットカード・デビットカードは昔から馴染みのあるキャッシュレス決済方法です。

     

    クレジットカードは、使った金額を定められた日にまとめて口座から引き落としされ、分割払いも可能です。一方、デビットカードは、登録している口座から使った金額が即座に引き落とされるというもので、その性質から分割払いはできません。

     

    どちらも、国際ブランドのカードであれば海外でもすぐに利用できるので、広く使われています。

    電子マネー

    こちらは鉄道会社やコンビニ・スーパーなどが発行するカードタイプのものが多いです。

     

    あらかじめ金額をチャージしておき、カード、またはカードを登録したスマートフォンを専用の読み取り端末にかざして支払います。使った金額に応じてポイントが付与されるなど、特典が充実したカードが多いことがメリットです。

     

    その一方、企業ごとにさまざまな電子マネーが展開されており、1枚のカードでどこでも使える、というわけにはいきません。何枚も電子マネーカードを持つことで、利用状況の把握が難しくなる場合もあるので注意しましょう。

     

    カードを発行する際はデポジットが必要なことが多いですが、最近では訪日外国人向けに、一定期間デポジット不要で利用できる電子マネーも登場しています。

    スマホ決済

    スマホ決済には、携帯電話会社の通信料金と合算して利用した金額を払うタイプと、QRコードを読み取って支払うタイプがあります。

     

    QRコード読み取りのタイプは、今特に注目されているキャッシュレス決済です。

    「〇〇ペイ」という名前の決済サービスが急増していますが、これらの多くはQRコード決済です。QRコード決済の使いかたは下記のふた通りです。

     

      • ・ストアスキャン方式→ユーザーがスマートフォンに表示したQRコードを店の端末で
        スキャンする

     

    • ・ユーザースキャン方式→店側が提示するQRコードをユーザーがスマートフォンで読み取る

     

    このようにレジを通した後は、口座引き落としやクレジットカードなどで決済されます。

     

    電子マネーのように、あらかじめチャージした金額を使うタイプもあるので、口座を持っていない人でも利用できるのがメリットです。インドネシアやベトナムなどの、口座を持っていない人が多い地域で、特に普及しています。

     

    QRコード決済も電子マネー同様に、さまざまな企業が展開している決済方法です。お店によって使えるサービスと使えないサービスがあるので注意しましょう。

    インバウンドにおけるキャッシュレス導入のメリット

    たくさんお買い物

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    さまざまな種類のあるキャッシュレス決済。多様化によりレジ係が対応に苦労しているという話を聞いたことがあるのではないでしょうか。しかしながら、導入すればさまざまなメリットもあります。

    日本円への両替が不要

    海外旅行で煩わしいのは、通貨の両替です。両替可能な場所も時間も限られていますよね。以前から、海外では現金を持たずに国際ブランドのクレジットカードやデビットカードを使うという人は少なくありませんでした。

     

    そこに新たな選択肢としてスマホ決済や電子マネーが加わり、ますます便利になっています。海外でクレジットカードを使うことに抵抗のある人も、安心して利用できますね。

    現金を持ち歩かないので安全

    昔から旅行先で多額の現金を持ち歩くのは危ないといわれていますよね。キャッシュレスとはその名の通り、現金を持たないということです。持ち歩かなければ紛失したり、盗難に遭う心配はありません。

     

    また、キャッシュレスでは支払の履歴が、すべてデータとして残ります。万が一、不正利用などが起こっても履歴を追って調査できる点もメリットです。

    お財布の紐が緩む

    こちらはインバウンド受け入れ側のメリットです。現金ではどうしても、残りの日程のため旅費のやりくりが必要です。気に入ったお土産品を見つけても予算次第で諦めざるを得ないことがありますよね。

     

    また、「現金はいざという時のためになるべく取っておこう」という心理が働くのだそうです。これがキャッシュレス決済になれば支払は後からで良いため、奮発して欲しいものを購入しようということになるのです。

     

    実際に、海外旅行でクレジットカードを使う人は、現金のみで買い物をする人よりも30%ほど多い金額を使うという調査結果があります。売上を増やす機会の損失を防ぐためにも、さまざまなキャッシュレス決済に対応していくことが望ましいですね。

    どう取り組む?インバウンド消費へのキャッシュレス対策

    カード払い

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    それでは、実際にキャッシュレス対策にどのように取り組めば良いのか見て行きましょう。

     

    まずは、どのキャッシュレス決済を導入するかの決定が必要です。電子マネーやスマホ決済は種類が多く、どれを導入したら良いのか迷ってしまうかもしれません。

     

    乗車カードなど、普及率の高いキャッシュレス決済を選ぶことも有効ですが、インバウンド対策では訪日観光客の母国で馴染みのあるものを選ぶことが重要です。

     

    今、インバウンドでもっとも多いのは、中国からのお客様です。中国で広く使われているキャッシュレス決済方法を導入してから、高いコース料理の注文が増えたという事例があります。また、支払時のコミュニケーションがシンプルになり支払関連のトラブルも減ったそうです。

     

    さらに、その決済方法が利用できる旨の看板を設置することで、中国からのお客様がお店に入りやすくなるという心理的効果もあります。やはり、自国内での買い物と同じ方法で支払ができるというのは安心感があるのでしょう。

     

    このような事例を参考にし、導入するキャッシュレス決済が決まったら申し込み、審査を受けます。審査に通った後の専用端末の設置には費用が掛かる場合もありますが、条件付きで無料貸し出しをしてるところもあります。

     

    また、導入のための費用や決済手数料を補助する行政の制度もあるので活用しましょう。

    地方での対策事例

    ビールとホットドッグ

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    大手チェーン店や、都心部のホテルなどで見かけることの多いキャッシュレス決済ですが、インバウンド誘致を狙う地方でも活用されています。地方でのキャッシュレス決済導入の事例を見てみましょう。

    大規模なお祭りでのキャッシュレス導入

    毎年北海道で開催される雪まつりでは、2019年に電子マネーでの決済が導入されました。

     

    毎年大勢の人が訪れるこのお祭りでは、屋台の会計の効率化と、衛生面の向上を考慮して導入されたそうです。確かに食品を手渡しする屋台では、現金になるべく触らない方が衛生的ですね。

     

    また、設けられた専用ブースでは、会場内で1000円以上電子マネーを使ってお買い物をするか3000円以上のチャージをすると抽選会に参加できるというイベントが開かれたそうです。

    完全キャッシュレス化した野球場

    宮城県の地元球団の野球場では、2019年のプロ野球シーズンから、完全キャッシュレス化されています。

     

    この球団は持ち主の企業が電子マネーに参入しています。球場を完全キャッシュレス化することで、さらなる普及を狙った施策と言えるでしょう。

     

    球場では一切現金が使えないため、キャッシュレス決済に馴染みのない層が観戦に来なくなるのでは、という懸念がありました。しかし、大々的に告知を出し、球場内でキャッシュレス決済の利用を手厚くサポートする体制を整えたため、大きな混乱も起こらず順調に運営しているそうです。

     

    小銭のやり取りに気を取られてビールをこぼす心配も無くなりましたね。

    大阪道頓堀はキャッシュレス天国

    大阪・道頓堀の商店街では、大半の店が中国で普及しているスマホ決済を導入しています。この商店街は、馴染みのスマホ決済が使えることで、中国人観光客の間でも有名です。

     

    この商店街でいち早く中国人向けのスマホ決済を導入したラーメン店では、来店者の8割が中国人観光客に変わったと言います。しかもそのうち9割りが支払いにスマホ決済を利用しているとのことです。馴染みのある決済方法は、ここまで集客の効果があるものなのですね。

     

    もちろん、ラーメンが美味しいからこその人気なのでしょうが、決済方法を増やすことで、新たな客層を獲得できた例と言えるのではないでしょうか。

    訪れる側も受け入れる側もラクラク キャッシュレス決済

    笑顔のレジ係

    naka- stock.adobe.com

     

    キャッシュレス決済のメリットは、なんといってもレジでのやりとりがラクになることです。

     

    インバウンド客は通貨両替をしたり、扱いなれない日本円を一生懸命数えて支払う手間が省けますね。ホテルや店舗ではスムーズになると共に、レジを閉める作業の負担も軽減されます。

     

    キャッシュレス決済は、種類が多すぎて難しいというイメージの人も多いと思いますが、客層や取り扱い商品に合う決済を導入すれば、売上アップのチャンスにも繋がるのです。

     

    行政での補助制度もありますので、この記事で紹介した事例なども参考に、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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