独自性とは?
独自性とは、「その人・物事にのみ備わっている、他と異なる固有の性質」を指す言葉です。「個性」や「アイデンティティ」と言い換えることもできます。
転職活動の際に自身の強みとして「独自性」や、類語の「独創性」「ユニークさ」を挙げる方もいますが、独自性が求められるのは個人ばかりではありません。企業も同様なのです。
スマートフォンの普及により、誰もが簡単に情報を得られるようになった現代で、顧客は日々目まぐるしいほどの情報に触れています。この顧客の目に留めるためにも、他社との差別化は欠かせませんよね。加えて、独自性を的確に伝えていくスキルも必要となります。
自ホテル・自旅館の独自性は見出せているでしょうか。また、消費者に伝わっているでしょうか。企業は改めて、自社の持つ独自性と向き合ってみるのも良いかもしれません。
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企業が考えるべき「独自性」とは?
「独自性」と言えば、奇想天外な発想や、革新的なサービスを思い浮かべやすいものですが、企業の独りよがりで終わっては何の意味もなしません。企業の独自性は、3つの観点から考えるべきとされていますので、3点全てが備わっているか、自社と照らし合わせてみてください。
新規性
最もわかりやすいのは、新規性です。「新しい!」「見たことがない!」というような事業・サービスは注目とともに、評価が集まりやすくなります。
新規性は、企業の独自性を考えるうえでも主軸となる観点ですが、新規性にのみスポットを当てるだけでは顧客の心を掴むことは難しいでしょう。物珍しさだけで売り出すことは、一時的な消費にしかならないことを覚えておいてくださいね。
顧客メリット
顧客メリットとは、事業やサービスを介して顧客が被るメリットのことを指します。メリットを感じ続けられなければ、長期的に支持される可能性は低くなります。
企業によっては、「一時的な爆発力だけあれば良い」という考えもあるかもしれませんが、その場合は常に顧客メリットを刷新し、その都度顧客に伝えていく必要があるでしょう。
自社メリット
自社メリットは、ビジネスの目的を達成できているかということに置き換えて考えればわかりやすくなります。企業の目標とする、売上や顧客の行動促進と捉えることも可能です。
事業・サービスは、たとえ世間から注目を集めたとしても、売上に繋がらなければ存続はできませんよね。新規性があり、しっかりと顧客がついてくる事業・サービスを継続的に行うことができれば、企業の独自性は確立したと言えるのではないでしょうか。
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独自性を光らせた企業の成功例
独自性を成功させた企業の例を3つご紹介します。提供する商品・サービスそのものと、ブランディング・売り出し方という2点に着目し、読み進めてみてください。
あえて栄養成分を謳わないレッドブル
「レッドブル、翼をさずける。」のCMでもおなじみのエナジードリンク・レッドブル。眠気・疲れと戦う必要がある学生や社会人であれば、1度は口にしたことがあるのではないでしょうか。
エナジードリンクは医薬部外品ではないため、正確にはリポビタンDやチオビタドリンクなどの栄養ドリンクとは異なりますが、似たような機能を持つにも関わらず、成分を押し出しているイメージはありませんよね。
それは、従来の「疲労回復」から「力を発揮する」というプラスのイメージ戦略を図り続けているからです。成熟した市場で顧客の支持を獲得し続ける、好事例と言えるでしょう。
ブランドイメージの定着に努めた今治タオル
今でこそ、シンプル・高品質のタオルの市民権を得るようになった今治タオル。しかし、1990年代諸島のバブル景気崩壊をきっかけに、海外の安価なタオルの輸入により価格競争が激化、海外の輸入規制を申請するほど売上が低迷していた時期があるのをご存じでしょうか。
国から助成金を受け、改めて独自性を見つめ直した今治タオルが決めたのは、ブランドマークを作成し、コアプロダクトを無地の白いタオルへ、そして品質の高さを顧客に訴えるというものでした。
国内外からも支持を集める今治タオルにも、こんな苦汁を飲む経験があったのです。タオル産地消滅の危機にまで陥っていたとは思えないほどの、大逆転劇ですよね。
研修は80時間・人を大切にするスターバックス
企業の独自性は、商品そのものやPRのみに留まりません。その好事例と名高いのは、スターバックスの人材育成でしょう。
小売業のアルバイトの研修は数時間、長くとも2~3日ほどが一般的のようですが、スターバックスではアルバイトであっても80時間の研修を行うというのですから驚きです。ここまで研修に時間をとる企業は類を見ませんよね。
そして、サービスマニュアルは存在しないとのこと。コーヒーの淹れ方・掃除などのオペレーションマニュアルを超えた接客の権限は、個人に委ねられているのです。キラキラした働き方をするパートナーを目の当たりにし、我こそはと優秀な人材が集まるのも頷けます。
雇用形態問わず、従業員を「パートナー」と呼んでいることからも、スターバックスの人に対する愛が感じとれるでしょう。まさに、独自性のあるサービスブランディングです。
独自性を極めるホテルや旅館は増加傾向にある
近年では、独自性を極めるホテル・旅館も増加傾向にあります。ブックホテルをはじめとしたコンセプトホテルの増加を、ひしひしと感じる宿泊業関係者も少なくないはずです。
ベッドや宿泊空間そのものが全て氷でできているホテルや、異国の雰囲気を体感できるホテル、客室から魚釣りができるホテルなど、独自性の強いホテルは唯一無二の存在となります。
消費者の趣味嗜好も多様化の一途を辿っているため、今後ますます増えることが予想される独自性の光るホテル。そのホテル・旅館の対抗策を考えておくことは、これから宿泊業界で生き残るうえで非常に重要です。
そうは言っても、ゼロから何かを生み出すことは容易ではありませんよね。そんな時は、自社の強みを見つめ直してください。エリア内で他社が有していない強みがあれば、魅せ方を変えるだけでも「独自性」になるはずですよ。
下記記事にもヒントがたくさんありますので、ぜひ併せてご覧ください。
面白いコンセプトのホテル10選!行動喚起を促すホテルを作るコツとは?
コミュニティマーケティングとは?宿泊業でコミュニティマーケティングを活かす方法!
地域に根差すエリアマーケティングとは?メリット・ポイント・宿泊業での活かし方を解説!
独自性のあるコンセプトで徹底したブランディングを!
企業の独自性を考えるうえで重要なのは、「新規性」とともに「顧客メリット」と「自社メリット」を持たせるということです。独りよがりなコンセプトやブランディングをもとにPRを行っても、顧客はついて来ません。しかし、何事も挑戦は必要です。
自社で取り組んでみたいこと、変えていきたいことが1つでも思い浮かぶホテル・旅館があれば、世間のニーズと照らし合わせながら、独自性を押し出してみてはいかがでしょうか。力を入れようと動き出すだけでも、きっと何かしら良い学びが得られるはずです。
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