最近人気の「本の宿」「ブックホテル」とは?
マスツーリズムの時代が終わり、個人の趣味趣向を重視したテーマのある旅行に注目が集まっています。個性的なコンセプトを持つホテル・旅館も増えており「本の宿」「ブックホテル」などと呼ばれる宿泊施設もそのひとつ。
本の宿・ブックホテルが持つ特長や、旅行者がどんな部分に魅力を感じているのかを紐解きます。
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「本の宿」「ブックホテル」はこんなところ
本の宿・ブックホテルは、読書を楽しむことを目的とした宿泊施設です。
一泊3万円以上のラグジュアリーなホテルから、カプセルユニットに宿泊する格安ホテルまでタイプはさまざま。数はそう多くはありませんが、日本全国に点在しています。
図書室や24時間営業の本屋を併設していたり、館内のいたるところに本を配置し、宿泊客が好きな本を自由に読むことができます。
また、ホテルによって公開している本に個性があるのも面白いところでしょう。例をあげると、以下のような特徴が見られます。
- 30000冊を超える蔵書がある
- 80年代、90年代の雑誌が読める
- 有名人がチョイスした本が入った本箱が館内各所に設置されている
滞在中に貸し出しのみを行うホテルもあれば、気に入った本を購入できるホテルもあります。
こうしたホテルはもともと本が好きな人だけをターゲットにしているのではありません。普段本を読まない人に、本との出会いや読書の楽しみを提案するための場所という側面も持っています。
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旅行者が感じる「本の宿」「ブックホテル」の魅力とは
わざわざ旅先で、それも読書に特化したホテルを選んで本を読むということに疑問を感じる人も居るのではないでしょうか。本の宿・ブックホテルに宿泊する旅行者は、どんなところに魅力を感じているのか見てみましょう。
思う存分読書できる
今日は思いっきり読書しよう!と思っても、自宅では意外に没入感を得にくいものです。やりかけの家事やテレビ番組が気になって、集中力が途切れてしまうのですね。
本の宿やブックホテルに赴き、日常生活から離れることで本の世界に浸りやすくなるのです。
また、読書で肩や目が疲れたら温泉に入り、好きな本を読みながら寝落ちするなど、実に贅沢な読書体験ができる点も大きな魅力でしょう。
普段読まない本との出会い
本の宿・ブックホテルでは、宿泊代に読書のための料金がが含まれていることがほとんど。何冊読んでも支払金額は同じです。また、観光目的の旅よりもホテルに滞在する時間はずっと長いでしょう。
そのため、普段は読まないジャンルの本にも手を出しやすく、気が付いたら夢中で読んでいた!ということが起こります。本の宿・ブックホテルへの滞在が、読書の幅が広がるきっかけになるのですね。
近隣に住んでいても行きたくなる
2020年10月現在、新型コロナウイルスの影響を受けて県をまたぐ旅を控える人が多い状況です。有名観光地に近いホテルや旅館では苦しい状況が続いていますが、本の宿・ブックホテルは近隣住民が行っても楽しめる場所として注目されています。
ごく普通のホテルや旅館は「旅の宿」としての利用が一般的ですが、本の宿・ブックホテルは「読書するために泊まる場所」です。立地場所がすぐ近所だったとしても行く意味があるのは、これからの宿泊業界で大きな強みになるのではないでしょうか。
旅行で疲れない
本の宿・ブックホテルへの滞在には、観光旅行でありがちな「張り切りすぎて疲れる」という失敗がありません。
名所を見て回る旅も良いものですが、日ごろの疲れを癒すことが目的ならば、本の宿・ブックホテルがうってつけではないでしょうか。
「本の宿」「ブックホテル」のようにホテルのコンセプトを考えよう
宿泊施設が林立している上に、新型コロナウイルスの影響で客足が遠のいている今、「普通のホテル」「普通の旅館」のままでは、近い将来生き残れなくなるかもしれません。
本の宿・ブックホテルのように、明確なコンセプトを定め、全面的にアピールすることを検討してみましょう。
なおテーマのある旅や、個性的なホテル・旅館の取り組みについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、コンセプトづくりの参考にご参照ください。
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