お客様の安心のためにあるホテルのセキュリティ
ホテルがお客様に提供すべき基本的なサービスとして、安心して滞在ができる安全な環境の提供があります。安全が確保されてこそ、快適な客室や施設全体の心地よさが実現できます。特にシティホテルは、宿泊利用の他にもレストランやラウンジ利用など、お客様の出入りが多く、利用客の特定が難しいという特徴があります。そのため、ロビーやエントランスなどの共有部分の防犯対策は特に注力する必要があります。
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信頼獲得のためにあるホテルのセキュリティ
ホテルは、旅館業法という法律に基づいて運営されています。この中には、宿泊名簿の記載が義務付けられています。これは、感染症等の対応や違法行為の防止のためであり、宿泊名簿そのものにも、セキュリティの意味を持っているのです。そのため、ホテルは多く個人情報を取り扱うこととなります。名前や住所などの基本的な情報のほか、外国人客の場合はパスポートの提示も必要です。
企業の個人情報の漏洩は、たびたびニュースで目にすることがあります。ホテルも例外ではありません。過去には、ホテルのホームページがハッキングされ、数万人もの個人情報が盗み出されたと発表されたことがありました。一部にはクレジットカードの情報まで含まれていたこともあり、多くにお客様にご迷惑をおかけする結果になりました。このようなことが起これば、ホテルの社会的な信頼の失墜は避けることはできません。情報セキュリティといった観点からも、対策を講じなければなりません。
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ホテルのセキュリティ対策
ホテルが実際に行っている、セキュリティ対策についてご紹介します。設備を整えるが必要な場合が多く、コストがかかる印象を受けますが、導入のメリットも多くあります。
カードキー
ホテルの客室のカギとして、カードキーを導入しているホテルが多くあります、導入のメリットとして、防犯性の高さがあげられます。ピッキングの危険性や、複製の恐れも低く、入退室をネットワークで管理することも可能です。万が一紛失した場合には、カード情報の書き換えを行うだけで良いのもメリットです。
防犯カメラ
エントランスやロビー、廊下部分には防犯カメラが設置されています。ホテル内は、全てのお客様の出入りを確認することが困難です。女性専用フロアなど、特に配慮が必要な場所には、複数台設置されていることもあります。防犯カメラの設置の目的は、証拠の撮影をすることですが、安心感の醸成や的犯罪抑止の効果への期待もできます。
セーフティボックス、貸金庫
ホテルには、客室内やフロントにセーフティボックスや無料の貸金庫が設置されています。宿泊客が貴重品を持ち歩くことができない場合に利用するものです。ホテルないでの貴重品の管理については、宿泊約款や利用案内の中にはっきりと明記されていることがほとんどです。ホテル内での貴重品の紛失は、思わぬトラブルのもとになってしまいます。セーフティボックスや貸金庫は、お客様の安心のためだけでなく、ホテル従業員の身を守ることにもつながります。
アクセスコントロール
アクセスコントロールとは、入退室に対する制限のことを表します。カードキーや暗証番号を活用し、深夜の利用や専用フロアの出入りを制限しているホテルがあります。基本的に、ホテルは24時間営業です。宿泊者以外の出入りを制限することで、夜勤者を少なくすることも可能なため、人件費削減への効果もあります。
コンプライアンス(法令順守)研修
ホテルでは多くの個人情報が扱われているとご紹介しました。個人情報を流失させないためには、従業員の一人ひとりが、その重要性を理解しなければなりません。お客様にとっての安心、安全なホテルの実現のためには、従業員が安心安全に働ける環境の整備が必要です。ビジネスマンの基礎としてコンプライアンス(法令遵守)に関する研修を用意し、意識づけを行うことで、ホテルを守ることにつなげることだできます。
ホテルのセキュリティ対策が利益につながる
ホテルのセキュリティ対策は、リスクマネジメントの一環です。セキュリティ対策は導入費用は高額である場合も多く、利益を発生させることはありません。セキュリティ対策の目的は、ホテルにとって不利益になる事案の発生を防ぐことにあります。ホテルに潜む危険性への対応や対策、発生時の被害を最小限に留めることで、業務の遂行に係るリスクも抑えることができます。セキュリティ対策を整えることは、結果的に損失発生のリスクを回避する結果につなげることができるのです。
ホテルマンによるセキュリティ対策
ホテルのセキュリティ対策は、ホテルマンの働きにとよっても行われます。共有部分えお定期的な共有部分の見回りを行うことも業務のひとつです。さらに、お客様をお迎えするときには、きちんと顔を見て、名前を覚えることに努めています。お客様の顔と名前を覚えることは、質の高いサービスを実現するための高度な能力でもあります。そのほかに、ホテル内のお客様を把握し、宿泊客の出入を記憶しておくことは、ホテルの安全確保につなげることもできるのです。ホテルマンの仕事はおもてなしだけではありません。安全、安心もサービスのひとつであることを忘れてはいけません。