入湯税とは
まずは入湯税の基礎知識について学んでいきましょう。入湯税の目的や税率、納税方法を解説します。
目的
入湯税は、温泉の利用者に負担してもらう地方税です。
主に観光施設や消防施設などの整備、そして観光キャンペーンなどの費用に充てるために使われています。環境衛生施設や鉱泉源の保護管理施設などにも、徴収された入湯税が使われているそうです。
税率
入湯税にかかる税率の標準は、一日1人あたり150円です。税率は各市町村によって異なるので、それぞれ調べてみてくださいね。
納税の方法
温泉施設の経営者(特別徴収義務者)が、毎月1日から末日までに徴収した入湯税を各市町村に対して翌月の末日までに申告・納入します。
ちなみに「特別徴収」とは、納税義務者の個人が直接税金を納めるのではなく、特別徴収義務者が個々人から税金を預かり納めることです。
ですので、入湯税では、施設の経営者が入湯客に代わって各市町村に税金を納めていることになります。
参考:入湯税/総務省
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入湯税が免除されることはある?
入湯税はある条件を満たせば免除されますが、その条件は市町村によって異なります。特に多い内容は以下5つの条件です。
・市町村内に居住する65歳以上の方
・市町村内に居住する障がい者の方(各市町村によって一定要件あり)
・修学旅行生
・共同浴場または一般公衆浴場に入湯する方
先述した通り、市町村によって異なるので、以上の条件が多く敷かれているからといってどこでも適用されるわけではありません。十分に注意しましょう。
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入湯税が免除される市町村別の3ケース
入湯税が免除されるケースは市町村によって異なります。では、実際にはどのような条件が提示されているのでしょうか?
東京都港区、宮城県仙台市、京都府京都市の例を紹介しますので、参考として紹介いたします。
東京都港区
・共同浴場又は一般公衆浴場に入湯する者
・日帰り客の利用に供される施設で、1,200円以下の利用料金で入湯する者
東京都港区では、日帰り客で1,200円以下の利用料金ならば入湯税はかからないそうです。他の市町村よりも入湯税が免除されるハードルが低いように見えますね。
宮城県仙台市
・共同浴場または一般公衆浴場を利用する方
・長期療養者を対象として設けられているへきすう地の簡素な旅館等で市長が指定するものにおける長期湯治客
・身体障害者福祉センターで温泉を利用する身体に障害のある方とその付き添いの方
宮城県仙台市では、12歳以下ではなく「義務教育終了前」の方は入湯税が免除されるようです。さらに、条件を満たした長期湯治客を対象に、入湯税を免除をしていることも特徴ですね。
参考:宮城県仙台市/入湯税
京都府京都市
・共同浴場又はいわゆる銭湯に入湯する方
・利用料金が1,000円(消費税及び地方消費税相当額を除く)以下である施設に日帰りで入湯する方
・学校(大学を除く)の生徒等で、修学旅行その他学校行事に参加している方及びその引率の方
・医療提供施設において入湯する方
京都府京都市の場合、「12歳以下」「義務教育終了前」などではなく「小学生以下」の方が入湯税が免除されると明記されています。
また、修学旅行生などを対象として入湯税を免除していることは、京都ならではの特徴の一つとして挙げられるかもしれません。
入湯税免除の詳細は各市町村によって違う!
入湯税の免除条件は市町村によって異なるので、温泉施設のある場所の条件を調べなくてはなりません。
なかには入湯税の免除条件を詳しく記載していないところもあるので、気になる方は該当の市町村へ直接問い合わせたほうが良いでしょう。