ホテル・旅館が目指す満室経営に必要な対策と3つのポイント!

ホテルや旅館を経営するにあたって、常に「お部屋を埋めて満室経営で回すこと」が理想的とされますが、満室経営の条件とはどういったものなのでしょうか。そこで、満室経営を目指すなら知っておきたいポイントや、満室経営のために押さえておきたいチェック項目15などをご紹介いたします。

満室経営に必要不可欠なものとは?

宿泊業にとって、1年を通して満室経営ができればベストであることに違いはありませんが、満室経営を実現・継続するためには何が必要なのでしょうか。

各ホテル・旅館によって、立地条件や施設の強みといったものは違いますが、共通していえることがあります。それは、お客様に伝わる行き届いた管理やおもてなし、他施設との差別化が図られていることだといえるでしょう。

基本的なことを軸に、3つのポイントに分けて満室経営のポイントを解説していきたいと思います。

貴ホテル・旅館の現況を踏まえながら、一つずつチェックしていきましょう。

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満室経営のポイント1:客室稼働率を把握し、分析する

ホテル客室

ostap25 – stock.adobe.com

客室稼働率とは、稼働している客室の割合をあらわす数値です。全客室のうち、実際に利用されている客室の割合です。OCC(Occupancy Ratio)とも言われます。

客室稼働率=利用されている客室÷すべての客室

以上の計算式で割り出すことができます。宿泊施設を運営する上で、いかにして客室稼働率を上げて、満室に近い状態をキープできるかが鍵となります。

自ホテル・旅館によって、それぞれのハイシーズンは変わってきます。例えば、紅葉の名所に近い温泉旅館では、10月以降の秋がハイシーズンとなる傾向があります。

空室対策を打つためには、客室稼働率を把握し分析することが大切です。年間を通してどう変動するのかを知って、適正な価格やサービスを打ち出せるようにデータを活かしましょう。

なお、今回解説した客室稼働率については、以下の記事に詳しい説明がありますのでぜひ、ご参照くださいね。

「客室稼働率とは?ホテル・旅館の客室稼働率を上げる重要性を解説」

ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事

満室経営のポイント2:お客様が旅館やホテルを選ぶ決め手を知る

お客様が旅館やホテルを選ぶ際の条件が何かを知ることも重要となります。厚生労働省が出している「生活衛生関係営業の生産性向上を図るためのマニュアル」から、以下のようなデータをご紹介いたします。

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「ビジネス・出張」目的では、

  • ・宿泊料金
  • ・立地・アクセス

宿泊料金や立地といった2つの条件に、お客様の決め手が集約されており、

「旅行」目的では、

  • ・宿泊料金
  • ・立地・交通アクセス
  • ・禁煙・分煙

宿泊料金を最も重視しており、続いて立地や交通アクセス、禁煙か分煙であるかといった条件も、「ビジネス・出張」目的に比べて高い数値で選ばれているようです。

また、同データによる「同じ旅館やホテルの複数回利用者が重視する宿泊施設の条件」によれば、

「ビジネス・出張」「旅行」目的共に、

  • ・宿泊料金が手頃
  • ・立地 ・ 交通アクセスがよい

が上位となり、立地やアクセスに比例した適正価格が重要であることが分かりますよね。

また、「旅行」目的の宿泊者は、食事・サービス・部屋の設備といった以下の条件を重視しているようです。

  • ・食事の内容がよい・充実している
  • ・サービスの質が高い
  • ・部屋の設備や広さがよい
  • ・施設が清潔に保たれている
  • ・スタッフの接客態度や身だしなみがよい

リピーターとなるお客様は、充実した食事内容や施設内の清潔感、スタッフの接客態度といった点を挙げており、各ホテル・旅館に合ったおもてなしが必要だといえるでしょう。

ビジネス客と旅行客、それぞれが求めるニーズの違いを知り、自ホテル・旅館が持っている強みと照らし合わせながら、満室経営に繋がるヒントを探っていきましょう。

データ参照:厚生労働省「生活衛生関係営業の生産性向上を図るためのマニュアル」

満室経営のポイント3:満室経営を目指す!チェック項目15!

清掃チェック

New-Africa – stock.adobe.com

ホテルや旅館の空室を減らし満室経営を目指すためには、「またこのホテルに泊まりたい」「この旅館に再び訪れたい」と、お客様が思うような対策が求められます。

そのためには、お客様の目線となり、さまざまな視点から自ホテル・旅館を見直してみることが大切です。顧客満足度を高める基本的なチェックポイントを、15の項目に分けてご紹介いたします。

  • 1.自ホテル、自宿の強みを知る
  • 2.ターゲットを絞る
  • 3.自ホテル、自宿ならではのテーマを決める
  • 4.エリアに沿った金額相場であるか
  • 5.周辺施設の設備状況に劣っていないか
  • 6.繁忙期・閑散期に合った広告等の打ち出しができているか
  • 7.繁忙期と閑散期の価格帯バランス
  • 8.自ホームページ・SNSはモバイルファーストになっているか
  • 9.素早いSNS対応(口コミ対応)
  • 10.新しい生活様式にあったお部屋の提供
  • 11.顧客に毎年来てもらえる仕組みづくり
  • 12.朝食や夕食の内容、値段は適正であるか
  • 13.電子マネー対応や無線LANなどネット環境の充実度
  • 14.インターネット予約や外国語対応は可能か
  • 15.適切なコスト削減がされているか

それぞれのチェックポイントについて、ご説明していきます。

自ホテル・旅館の強みを知る

まずは、周辺施設との違いと比べつつ、自分たちの施設が持つ強みを知ることが重要です。その中で、ターゲットとテーマを絞っていきましょう。

さまざまな目的を持ったお客様や幅広い年齢層の方に来館していただくことは大切ですが、ターゲットを絞りきれないと、打ち出す広告にズレが生じたり、サービスの軸を見失ったりする原因となる場合もあります。

例えば、

立地に関係のない付加価値はある」

「宿泊料金が安いのに料理が充実している」

近くて便利」

「中心部なのに温泉気分が味わえる」

「都会なのに趣があるお部屋」

など、自分達の宿にしかないアピールポイントをすることで、何度も来たくなる宿=満室経営に繋がっていくといえるでしょう。

エリアに適した価格帯とプラン

エリアに適した価格帯か、周辺施設より設備が劣っていないかといった、エリアマーケティングも重要です。

繁忙期と閑散期を上手に使い分けたプランの打ち出しも、満室経営に繋げる大事なポイントです。

売上が確保できる繁忙期に、しっかりと利益を得る工夫を凝らしましょう。閑散期に客足を劇的に伸ばすことは難しい課題となってくるので、価格帯のバランスを見ながら調整することをおすすめします。

インターネット予約や電子マネー等の導入で利便性を高める

インターネット予約が主流である現代では、多くがモバイルからの予約です。宿を予約する際の利便性はもちろんのこと、モバイルからの見やすさにも目を向けましょう。

電子マネーやクレジットカードの導入、無線LANの設置、外国語対応なども必須となりますので、しっかりとチェックしたいものです。

口コミやお客様の声に対する対応

SNSに寄せられた口コミや、施設に直接寄せられるお客様からの声には、多くの気付きがあります。

施設改善に対する声と受け止め、真摯に対応することが、常にお部屋が埋まるような宿づくりへと繋がっていきます。

上述したデータにもあったように、口コミを見て宿を判断するお客様が多くいらっしゃいます。

各口コミや意見へのオンライン対応も重要な接客の一つとなりますので、従業員全員で取り組みようなシステムづくりで対応していくといいかもしれません。

新しい生活様式に沿った館内と適切なコスト削減

リピーターのお客様が寄せる声に、「施設が清潔に保たれている」ことが挙げられていました。

今後はより、新しい生活様式に取り組んだホテルや旅館が、お客様に選ばれていきます。

館内の除菌や衛生管理には、多くの人手と手間を必要としますが、適切なコスト削減と作業効率の向上を図ることで、足りない部分を補っていきましょう。

各旅館・ホテルが持つ問題改善を図って満室経営を目指す!

ホテルフロント

Jacob-Lund – stock.adobe.com

宿泊業界は、社会情勢の影響を色濃く受けやすい業界です。そのような中、お客様が求めるニーズは様変わりしていきますが、自ホテル・旅館に足りないものをその都度、確認しながら「お客様の視点に立つ」ことが、満室経営を成功させるコツだといえるでしょう。

お客様からの信頼と支持を得るために必要なことは何かといった視点を大切にしながら、満室経営を目指しましょう!

宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。

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