ホテルの予約確認を電話でする人は多い
インターネットが生活に浸透し、旅行の手配にも活用されるようになりました。
交通手段から宿泊先までオンライン予約が当たり前になっていますが、ホテルでは今でもネットだけでなく、電話での予約確認も受け付けているところがほとんどです。ネット社会になった現代でも、電話での予約確認のはどのような人なのでしょうか。
まず、多いのはお年寄りです。最近はコンピューターを自在に操るお年寄りも増えていますが、昔ながらの電話の方が安心して予約が取れると感じる方が多いようです。
また、時間が無く急いでいる方も、ネットよりも電話で予約を取る傾向があります。予約サイトなどを使う場合は、一度会員登録を済ませれば2回目以降は簡単ですが、最初は入力しなければならない情報が多いため、電話の方が手間が省けて簡単です。
そして、ネットの情報では満室でも電話であれば予約が取れることもあります。それは、ネットを使えない人のために、オンライン上では公開していない客室があるためです。ホテルの裏事情ですが、旅慣れているお客様はこのことを結構ご存じなので、空きを狙って電話を掛けて予約をする傾向にあります。
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ホテルの予約確認を電話で受け付けるメリットとは?
インターネットでの予約は、人による対応が不要で24時間受付可能といったメリットがあります。一方、電話での予約確認は人による対応が必要で、混み合う時間帯は対応をお待たせしてしまうデメリットがあります。
それでもなお廃止しないのはなぜでしょうか。電話での予約受付ならではのメリットを見ていきましょう。
機会損失を防ぐ
前の項目でも解説した通り、お年寄りはネットよりも電話の方が安心して予約が取れる傾向があります。
ホテル側の工数を削減することだけを考えて、電話での予約は受け付けないとしてしまえば、こうしたお客様を逃がしてしまうことになりますよね。
IT化が進む一方で、少子高齢化が進む現代の日本では、お年寄りのニーズにしっかり応えるサービスが必要とされているのです。
また、若い人の中にも機械操作が苦手な人は居ますし、予約を取ろうとしたタイミングでたまたま近くにネット環境が無いということも考えられます。
無断キャンセルのリスクを軽減できる
ネットでの予約は一度もスタッフと話さずに数カ月先まで予約を取ることができます。そのため罪悪感持たずに無断キャンセルになるリスクが電話よりも高いのです。
ある程度、電話予約のお客様のために客室を確保しておくのは、こうしたリスクを軽減させるためでもあります。
また、急なキャンセルになった客室に、電話で予約を入れたお客様を、ちょうど良く割り振るなどの調整がしやすい点も、ホテル側のメリットと言えるでしょう。
疑問点をその場で解決できる
宿泊前にお客様が抱いている疑問点を、その場で解決できるのも電話で予約確認を受け付けるメリットです。疑問点を解消することで、安心して来館して貰えますね。
また、プランを改めて案内・確認することで双方の勘違いや思い込みがクリアになり、滞在中のトラブルやクレームを防ぐことにも役立ちます。
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ホテルの予約確認を電話で受ける際の注意点
人によってはネットよりも便利なホテルの予約確認ですが、受ける際には電話ならではの注意事項があります。どんなところに気をつけなければならないのか、確認していきましょう。
聞き間違い・言い間違いに注意
電話でのやりとりでもっともありがちなミスは「聞き間違い・言い間違い」です。
数字の1(イチ)と7(シチ)やササキ様とマサキ様など、発音での区別が難しい言葉や、「いいです」などの否定とも肯定とも取れる言葉もありますね。
伝わりにくい言葉は言い換え、認識のすり合わせをしながら案内を進めることが大切です。
ネット限定の料金プランに注意
ネット予約限定の宿泊プランを用意しているホテルもありますよね。電話で予約確認をする人の中には、検索してプラン内容を見るところまではできる、という人やネットで調べておいて後で電話をするという人も居ます。
ネット予約限定のプランであれば、サイトにその旨を記載しているはずですが、見落として電話でそのプランの予約を申し出ることもあるでしょう。
そのため、ホテルで電話を受ける担当者はネット限定のプランについてしっかり把握し、電話で申し出られた場合は丁重に説明することが必要です。
本当に予約が取れたか不安になる人も居る
ネットからの予約であれば、予約後に予約が確定された旨のメールが届きますよね。きちんと予約を取った証拠になるのでお客様は安心できます。
一方、電話での予約では口頭でやりとりをするだけなので、予約を取ったという証拠になるものが残りません。
そのため本当に予約が取れたのか?行って予約が入っていないと言われたらどうしよう?と、不安に感じるお客様も居ます。
ご希望であればメールやFAX、郵送などで予約確認書を発行しましょう。予約番号を出すホテルであればしっかり伝えてください。
また、対応の最後に担当者名を改めて名乗ることを忘れずに。自分が対応しました、という責任感の表明になり、お客様にご安心いただけます。
ホテルの予約確認の電話専門のコールセンターもある
電話での予約確認をフロントなどで受けているホテルもありますが、コールセンターを設置しているホテルもあります。
電話を受ける専門のセンターを作ることで、ホテル内の業務負担が減り、接客の質を向上させることができます。
また、コールセンターではトークスクリプトや対応マニュアルが設けられるので均一的な案内ができます。
専用のシステムを使って録音・記録ができるので言い間違い・聞き間違いによるトラブルを防げることもメリットです。
ホテルの印象は予約確認の電話対応で決まる
予約確認の電話は、お客様とホテルスタッフのファーストコンタクトです。対応が素晴らしければ期待感が高まり、対応が悪ければせっかくのお出かけ気分が台無しになります。お客様の旅行は、ホテルの予約を取るところから始まっています。
最初から最後まで気持ちの良い旅行を楽しんでもらうためには、電話での予約確認の対応品質が非常に重要なのです。ネット予約が一般的になった今こそ、素晴らしい電話対応で他のホテルに差をつけましょう。