ホテル総合職に興味はあっても、「裏方の仕事で本当にやりがいを感じられるのか」と不安に思う方は少なくありません。
さらに、年収やキャリアの先がどんなふうに広がるのか、志望動機をどう伝えればいいのかと悩む人も多いでしょう。
実際、総合職はホテルの運営を支えるゼネラリストとして幅広い業務を担当するため、仕事内容が見えにくく、イメージしにくい部分もあるでしょう。
この記事では、ホテル総合職のやりがい7選を中心に、年収・キャリアパス・向いている人の特徴・志望動機例まで詳しく解説します。
ホテル業界でやりがいのあるキャリアを築きたい方は、ぜひ最後まで参考にしてください。
ホテル総合職とは?|幅広い業務を担うゼネラリスト職
ホテル総合職は、フロントやレストランなどの現場で接客を行う職種とは異なり、ホテル全体の運営を横断的に支えるゼネラリスト職です。
人事・企画・営業・総務など幅広い部門を経験しながら、現場と経営の橋渡し役として動くのが大きな特徴です。
接客現場に立つことは少ないものの、裏側からホテル全体を動かす重要な役割を担っています。
ホテル総合職の仕事内容について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
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ホテル総合職のやりがい7選|働く魅力を徹底紹介
ホテル総合職は、表立った接客よりも運営全体を支える役割が中心ですが、その分、ほかの職種にはないやりがいがあります。ここでは、実際に総合職として働く中で実感できる7つの魅力を紹介します。
1.ホテル全体を設計できる
ホテル総合職は、宿泊プランや料金設定などホテル全体の流れを考える立場です。
自分のアイデアが稼働率や売上に直結し、工夫が成果に変わる実感を得ることができます。
たとえば、週末限定プランを企画して稼働率が改善したり、法人向けプランを導入して新規顧客を獲得できたりと、成果が数字やお客様の反応に表れるのが大きな魅力です。
2.現場と本部の橋渡し役になれる
フロントや清掃など現場スタッフの声を経営に届け、改善を進めるのも総合職の役割です。
小さな工夫で現場が「働きやすくなった」と感謝される瞬間に、大きなやりがいを感じます。
たとえば、備品の在庫管理方法を見直すだけで準備の手間が減り、清掃スタッフから「前より楽になった」と言われることも。表舞台に立たなくても、確実に貢献している実感を得られます。
3.ホテルを裏側から支えられる
予約システムの調整やイベント運営の準備など、目立たない業務も多いですが、1日の運営が滞りなく進むのは総合職の調整力あってこそです。
何も問題なく1日が終わることは当たり前のようでいて、実は裏側の努力の積み重ねでもあります。
縁の下の力持ちとして、ホテル全体を支える実感を味わうことができます。
4.部署を横断して経験できる
総合職は数年ごとのジョブローテーションや兼任を通して、人事・企画・営業など幅広く経験できます。
部署をまたいで働くことでホテル全体の仕組みを理解でき、キャリアの選択肢が広がります。
同じ仕事を続けるだけでは物足りないという人にとって、常に新しい学びを得られる環境は大きな魅力です。
5.経営視点を身につけられる
売上や稼働率のデータを分析し、改善策を考えるのも総合職の仕事です。
こうした経験を重ねることで、自然と経営の視点が養われていくでしょう。
支配人やマネージャーを目指すうえで、数字をもとにホテル全体を判断できる力は大きな武器になります。
6.チームで成果を出せる
団体客の受け入れや大規模イベントの運営など、ホテルは部署ごとの連携が欠かせません。総合職はその調整役として動き、全体をまとめていきます。
トラブルなくやり切れたときの達成感や、スタッフ全員で味わう一体感は、総合職ならではの大きなやりがいです。
7.柔軟な対応力が評価される
繁忙期の人員調整や急なトラブル対応など、臨機応変な判断が求められる場面も多いのがホテル業界です。総合職はこうした対応の中心を担います。
すばやい判断で現場を助けたとき、スタッフから「本当に助かりました」と感謝される瞬間に、自分の存在価値を強く実感できるでしょう。
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ホテル総合職の求人を確認するホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
ホテル総合職の年収・待遇|新卒から管理職までの目安
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ホテル総合職の年収は、キャリアの段階やホテルの規模によって幅があります。
ここでは、おもてなしHRに掲載されている求人データなどをもとに、おおまかな年収の目安を整理しました。
キャリア段階 | 年収目安 | 特徴・業務イメージ |
新卒・若手 | 年収280〜400万円 | 研修やOJTで基礎を学びながら、事務・労務・総務など幅広いサポート業務を経験。将来の配属に備えて複数部署をローテーションするケースも多い |
中堅社員 | 年収400〜500万円 | 部署の一部を任され、マネジメント補佐や改善提案を行う。後輩指導やリーダー的役割も担い始める |
管理職 | 年収500〜600万円以上 | 部門マネージャー・支配人候補として運営全般を担い、予算管理や人材育成にも関わる |
※おもてなしHRの掲載求人データおよび転職支援実績を元に算出
大手ホテルチェーンや都市部のホテルでは、同じキャリア段階でも提示される年収が高めになる傾向があります。
一方で、地方や中小規模のホテルは年収水準がやや抑えられる代わりに、複数業務を早くから任されるチャンスがあるのも特徴です。
また、基本給に加えて深夜勤務手当や住宅手当、社宅制度、食事補助などの福利厚生が整っているホテルも少なくありません。
求人を見るときには、年収だけでなく手当や福利厚生を含めた実質的な待遇をチェックしておくと安心です。
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おもてなしHRで条件を比較してみるホテル総合職のキャリアパス|マネジメントと専門職の2つの道
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ホテル総合職は、入社後に幅広い部署を経験しながら基礎を身につけるゼネラリスト職です。
その先には、大きく分けてマネジメント職と専門職という2つのキャリアパスがあります。
自分の適性ややりがいを感じる分野によって、目指す方向は変わっていきます。
1.マネジメント職へのステップアップ
総合職として現場や数字を総合的に把握できるようになると、マネージャーや支配人といった管理職を目指す道が開けます。
- 部門の予算管理や売上管理を担う
- スタッフの育成やマネジメントを行う
- 部門をまたいだ方針づくりや調整を任される
責任は大きくなりますが、ホテル全体を動かしているという実感を得られるポジションです。
キャリアの王道ともいえる道であり、組織の中枢を担うやりがいがあります。
2.専門分野に特化したキャリアを目指す
経験を重ねる中で「企画が得意」「人事に関心がある」といった適性が見えてきたら、専門分野に特化する道もあります。
- 宿泊プランやイベントを企画するマーケティング職
- 採用や教育を担う人事・労務職
- 業務改善やシステム導入を進めるバックオフィス職
ゼネラリストとしての視野を活かしながら、自分の得意分野を深めていくことで、専門職として長期的なキャリアを築くことが可能です。
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おもてなしHRに無料で相談するホテル総合職に向いている人|採用で評価されやすい特徴
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ホテル総合職は、幅広い部門を横断してホテル全体を支える役割です。そのため、採用でも重視されやすい素質があります。ここでは、特に評価されやすい5つの特徴を紹介します。
人を支えることにやりがいを感じられる人
総合職は、自分が表に立つよりも、周囲を支えることで成果を生み出すポジションです。
困っているスタッフをフォローしたり、現場がスムーズに回るよう準備を整えたりする姿勢が欠かせません。
たとえば、備品を補充して清掃スタッフの作業効率が上がり、「ありがとう」と声をかけられる瞬間があります。
目立たないサポートでも、組織を支える力として採用担当から高く評価されるポイントです。
チームワークを大切にできる人
ホテルは複数の部署の連携で成り立っているため、調整力や協調性が求められます。
人と協力して物事を進めるのが好きな人は、総合職に向いています。
たとえば、大型イベントや団体客の受け入れではフロント・清掃・料飲などが連携しますが、その調整役となるのは総合職です。
大人数を動かす経験は、現場をまとめられる人材として採用でも好印象につながります。
変化に柔軟に対応できる人
ホテルでは、突然の予約変更やスタッフの欠勤など、予定通りに進まないことも珍しくありません。そのため、臨機応変に動ける人は現場から信頼されやすい存在です。
たとえば、急な団体予約に合わせて人員を再配置し、トラブルを未然に防いだ経験は判断力のある人として評価されます。
変化を楽しめる人にとっては、大きなやりがいにもつながるでしょう。
数字や計画に関心を持てる人
売上や稼働率など、数字をもとに改善策を考えるのも総合職の重要な仕事です。
データを見ながら、次にどうすればいいかを考えるのが好きな人は強みを発揮できます。
たとえば、閑散期の稼働率を分析し、新しい宿泊プランを提案した結果、予約が増えるような場面も考えられます。
数字への関心は、経営に貢献できる人材として評価されやすいポイントです。
ホスピタリティ精神を持って行動できる人
お客様と直接接する機会は少なくても、おもてなしの心は総合職にも必要です。
備品を先回りして補充したり、混雑を予測してスタッフに声をかけたりと、細やかな気配りが生きる場面は多くあります。
こうした行動は、裏方であってもホテル全体の質を高められる人として評価されます。
サービス精神を裏方で発揮できる人は、総合職で特に活躍できるタイプです。
【新卒・転職別】ホテル総合職の志望動機の考え方
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ホテル総合職は配属先が幅広く、応募段階では具体的な仕事内容がイメージしづらいこともあります。ここでは、新卒と転職希望者に分けてポイントと例文を紹介します。
新卒向けの志望動機の書き方
新卒の場合は、経験よりも将来性や学びへの意欲が評価されます。
ホテル総合職としてさまざまな部署を経験し、キャリアを築いていきたいという前向きな姿勢を示すと効果的です。
書き方のポイント
- 幅広い経験を通して成長したい意欲を示す
- 接客経験やアルバイト経験があれば具体的に触れる
- 将来マネジメントや専門分野に挑戦したいビジョンを伝える
例文
「学生時代にホテルでのアルバイトを経験し、チームで協力してお客様に喜んでいただくやりがいを感じました。今後はホテル総合職としてさまざまな業務を経験し、将来的には現場をまとめられるマネージャーを目指したいと考えています。」
転職希望者向けの志望動機の書き方
転職希望者の場合は、前職で培った経験をホテル総合職でどう活かせるかを伝えることが大切です。
異業種出身であっても、接客スキルやマネジメント経験、数字を扱った経験などを具体的に結びつけると説得力が増します。
書き方のポイント
- 前職の経験(接客・営業・管理など)を総合職の業務に関連づける
- 「安定した環境で成長したい」など転職理由をポジティブに表現する
- 将来のキャリアビジョンも合わせて伝える
例文
「アパレル販売職として接客と売上管理を経験し、人と関わりながら数字を意識して働くことにやりがいを感じてきました。今後はホテル総合職として接客経験を活かしつつ、企画や運営にも関わりながらキャリアを広げ、将来的にはホテル全体を支える存在になりたいと考えています。」
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書類作成のサポートを受けるホテル総合職に関するよくある質問
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ホテル総合職を目指す方からは、仕事内容だけでなく働き方やキャリアに関する疑問も多く寄せられます。ここでは、応募前によくある質問とその回答をまとめました。
ホテル総合職とホテル一般職の違いは何ですか?
未経験や異業種からでもホテル総合職に応募できますか?
ホテル総合職は転勤や部署異動がどのくらいありますか?
ホテル総合職はプライベートと両立できますか?
ホテル総合職から専門職へキャリアチェンジは可能ですか?
ホテル総合職はやりがいのあるキャリアを築ける仕事
ホテル総合職は、裏方としてホテル全体を支える重要なポジションです。
直接お客様と接する機会は少なくても、日々の工夫や調整が成果につながり、スタッフや経営から感謝される瞬間に大きなやりがいを感じられます。
また、経験を重ねることでマネジメント職や専門職といったキャリアの道が広がり、未経験からでも将来的に大きな成長を目指せるのが魅力です。
「人を支える仕事がしたい」「安定した環境でキャリアを築きたい」と考える方にとって、ホテル総合職は挑戦する価値のある仕事といえるでしょう。
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