ホテルから旅館への転職はできる?
ホテルで働いている方の中には、旅館への転職を検討している方もいるのではないでしょうか。
同じ宿泊業界ですから、ホテルから旅館の転職は比較的ハードルの低いものと言えそうです。
だからといって、安易に考えるのは危険です。ホテルと旅館には、さまざまな違いがあります。しっかりと理解しておく必要があるでしょう。
また、それぞれの違いを理解したうえで、理想の働き方に合っているかを判断することも大切です。
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転職する前に知っておきたいホテルと旅館の違い
ホテルと旅館は同じ宿泊業界の施設形態ではありますが、それぞれ異なる特徴があります。まずは、その違いを理解しておきましょう。宿泊施設としての役割、立地や規模、働き方について、ホテルと旅館の違いを紹介していきます。
宿泊施設としての役割
- ・ホテル
ビジネスや観光客向けの宿泊施設で、客室の数や客室タイプがさまざまあります。
利便性やプライバシーが重視されるのが特徴です。
宿泊のみの料金や食事つきの料金など多様な料金体系があり、宿泊客の幅広いニーズにあわせたサービスを提供しています。
- ・旅館
伝統的な日本の宿泊施設で、日本文化や風土が体験できる外観や内装であることが一般的です。
広々とした共有スペースがあったり、大浴場が設けられていたりと、交流やくつろぎを大切にしているのが特徴です。
食事や温泉利用などのサービスを含めた料金体系であることが多く、季節や地域の食材を取り入れた料理や文化を感じることができるイベントなど、旅館ごとにこだわりを感じるサービスが提供されています。
立地や規模
- ・ホテル
主に都市部や主要交通機関の近くに建ち、利便性が考慮された立地であることが一般的です。デジタル機器を活用した、効率的で快適なサービスを提供しているホテルも増えています。
ホテルは規模が大きいことが一般的で、数十から数百の客室を持っています。大規模なホテルでは、団体での宿泊も少なくありません。
ビジネス街や繁華街の中に立地していることが多く、周辺に飲食店や商業施設があるため、外出しやすさが魅力です。
レストランやバー、会議室などが完備されていることも多く、宿泊以外の利用も可能です。
- ・旅館
一般的に小規模な宿泊施設で、数室から数十室の客室を持っています。家族経営の旅館も多く、小規模でアットホームな雰囲気が特徴です。
自然豊かな地域や温泉地など、郊外に立地していることが多く、自家用車や送迎バスの利用が必要になることが少なくありません。
温泉や庭園など、日本の伝統が感じられる施設や設備が魅力の旅館も多くあります。
宿泊客以外の利用は少なく、宿泊客がゆったりと過ごせる広々とした空間が提供されています。自然景観を楽しみながら館内で静かに過ごしたい場合の利用に適しています。
働き方
- ・ホテル
ホテルは24時間営業であることが一般的です。そのため、フロントやベルスタッフなど客室部門の従業員は、24時間体制でサービスを提供します。
ホテルの多くがシフト制の交代勤務を行い、部門ごとに業務が明確に分けられています。
服装は、制服が支給されたりスーツを着用したりすることが多く、身だしなみは厳しく統一されています。
- ・旅館
ホテルが24時間体制であるのに対し、旅館は営業時間が限られていることが少なくありません。
ホテルと同様に部門ごとに業務が分担されていることもありますが、客室の案内や料理の配膳、客室清掃などさまざまな業務を1人が兼任することも多くあります。
日本文化を感じさせるおもてなしを提供するため、和服を着用したり和室の作法を守った接客が行われたりしています。
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ホテルから旅館への転職でいかせるスキルは?
ホテルと旅館は同じ宿泊業界。働くうえで必要なスキルが同じであることも多く、転職後も十分に活躍できるはずです。いかせるスキルについて詳しく紹介していきます。
おもてなしの心
ホテルで培ったおもてなしの心は、旅館で働くうえで最もいかせるスキルの1つです。
お客様をあたたかく歓迎し、快適で思い出深い滞在になるよう配慮する姿勢や、細かなニーズに気づく能力は、必須スキルと言っても過言ではないでしょう。
顧客サービスの経験
旅館の求人を見てみると、接客業での経験や顧客サービスの経験を必須としていることが少なくありません。
お客様の要望に適切に対応したり、トラブルやクレームに迅速に対応したりするスキルは、顧客サービスの経験がなければ培われません。
ホテルでの経験をいかした、接客のプロとして高度なサービスが提供できるでしょう。
コミュニケーション能力
ホテルや旅館では、スタッフ間との連携やお客様との会話において、高いコミュニケーション能力が必要とされます。
業務を効率的に進めたり、一貫したサービスを提供したりするためには、スタッフ間で密にコミュニケーションを取る必要があります。
お客様へのサービスにおいては、丁寧なコミュニケーションで信頼関係を構築することで、満足度を向上させたりリピーターの獲得につながったりするでしょう。
問題解決能力
お客様の滞在中には、さまざまな問題が発生することがあります。部屋の設備トラブルや予約の混乱などは、ホテルや旅館で起こりやすい問題です。
このようなトラブルを迅速な対応で解決させるスキルは、サービス品質を保ったり、顧客満足を向上させるためには欠かせません。
ホテルから旅館への転職を成功させるためには?
ホテルから旅館へは同業界への転職なので、比較的転職成功率が高いように感じるかもしれません。確かにいかせる経験やスキルは多いでしょう。しかし、より確実に採用されるためには、それぞれの違いや旅館で求められるスキルについてしっかりと理解しておく必要があります。転職成功のためのポイントを詳しく見ていきましょう。
旅館の特性や文化の理解を深める
旅館業界はホテルとは異なる独自の特性や文化を持っています。
日本の伝統的な宿泊施設である旅館は、季節感やアットホームな空間を大切にする傾向が強く、それは接客スタイルにも反映されています。従業員に求められるマナーや所作が、日本の伝統に準ずることもあります。
先に紹介した、宿泊施設としての役割や立地・規模、業務内容などの違いを参考に、旅館の特性や文化の理解を深めておきましょう。働き方をイメージするのに効果的です。
実際に旅館を訪れて、顧客体験をしたり、違いを見つけてみたりするのもおすすめです。
旅館のニーズに合わせてスキルをアピールする
ホテルで身につけたスキルの多くが旅館でもいかせることは、間違いありません。
しかし、文化や習慣が異なることから、ホテルで身につけたスキルのままでは不十分ということもあるでしょう。
どんなスキルを重視するのかはホテルと旅館で異なったり、旅館によっても違いがあったりもます。
ホテルでの接客経験は即戦力として期待されるものではありますが、転職したい旅館にとって貢献度の高いスキルを持っているかは重要です。
求人票や旅館のホームページなどにある、求める人物像や旅館のコンセプトをしっかりと把握し、ニーズに合わせてスキルをアピールしましょう。
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