「仕事」とは?
まずは、仕事とは何かについてご説明していきましょう。「仕事」という言葉は、日常のあらゆる場面で身近に使われていますが、辞書では以下のような意味を持つとされています。
- 1.何かを作り出し、成し遂げるための行動
- 2.生計を立てる手段として従事する事柄や職業
- 3.行動の結果や業績
このように、辞書で「仕事」の意味を引いてみても、何かを成し遂げるための行動であったり、行動したことで得られる結果だったりと、「仕事」は多くの意味合いを持ち、幅広い範囲で使われることが分かります。
また、職業そのものを仕事と言い表す場合もありますが、仕事とは「自ら考え、行動することで生まれる価値や業績」でもあると理解しておくといいでしょう。
仕事とは何か?を考えた際、多くの人が「生活するため」「お金を得るため」であると思い浮かべるのではないでしょうか。
仕事は、生きていく上で大切なことに違いはありませんが、その働きによって得られた価値を、必要としている相手に届ける意味も持っています。
例えば、お客様より何らかのクレームがあった場合でいう仕事と作業の違いは以下の通りです。
- ・クレームの原因を探り、解決策を考えて対策を打つ=仕事
- ・クレームを起こさないために必要なマニュアルを作成する=作業
このように、会社が抱えている問題を解消し、試行錯誤が必要なものを仕事と呼び、日々の業務をルーチン化またはマニュアル化したものを作業といいます。
似て非なる二つの言葉には、それぞれ大きな意味があるんですね。次からは、作業とは何かについて、ご説明していきたいと思います。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
「作業」とは?
次に、作業とはどういったことを指すのかをご説明していきましょう。辞書では、以下のような意味として解説されています。
- ・一定の目的と計画のもと身体または知能を使うこと
- ・仕事をすること
- ・誰が行っても同じ結果になること
「仕事」と同義の説明もありますが、これらを踏まえた上で仕事と作業の違いを説くのであれば、作業は「仕事を完了するまでの過程」であるといえます。
効率を上げるためのひな形やマニュアル作成が可能な仕事など、決まりきった手順・動作といったルーチンワークを見える化したものを作業と呼べるのではないでしょうか。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
仕事と作業の違いを知ることで得られるメリット
ここでは、仕事と作業それぞれの違いを知った上で、どんなメリットが得られるのかをご説明していきます。
作業をマニュアル化することで再現性が生まれる
日常的に行っている仕事の中で、あなた以外でも行うことができる仕事はないでしょうか。仕事を細分化し、やり方を決めてしまった方が効率的な結果を得る場合もあります。
主に、作業に分類する目安は以下の通りです。
- ・毎日必ず行う日課的なこと
- ・ある程度やり方が決まっているもの
事務的な作業をマニュアル化することで、仕事の負担や軽減が図れることはもちろん、長時間労働の改善へと繋がっていきます。
人材確保のみならず、職場全体の作業効率が上がることで仕事に使える時間を確保することもできるのです。
作業化しやすい仕事を宿泊業務に取り入れてスムーズに行う!
宿泊業の仕事において、作業化しやすいものが何かを考えていきましょう。主に、お客様を相手とする接客業でも、マニュアル化が可能な仕事をご紹介します。
仕組み化できる環境を整える
仕組み化できる仕事とは主に、能力やモチベーションに依存しない仕事を指します。
- ・客室の清掃
- ・備品の管理・品質・数量チェック
- ・ルールの周知などを知らせる方法をツール化する
- ・荷物の運搬
など、肉体労働やタスクをこなせば作業が完了できる仕事が挙げられます。
一方で、仕組み化できない分類の仕事や仕組み化しない方が効率がいい場合もありますので、正しい見極めが必要となります。
知識や経験を用いて対応すべき仕事は知的労働に当たり、マニュアル化しにくい領域です。
一定のパターンが決まっている、手順がある仕事はマニュアル化することで、宿泊者の満足度を高めるだけではなく、従業員の質向上にも期待ができるのではないでしょうか。
仕事と作業の違いを理解し、良い「仕事」を実現しよう
仕事をマニュアル化したいけれど、何から手をつけていいのか分からないといった方もいらっしゃるでしょう。
やり方はアナログですが、まずは1つ1つの業務を洗い出して整理することです。そうすると、仕組み化できないと思っていた仕事も実はマニュアル化が可能であることに気付かされるはずです。
働く側や雇う側にとって、仕事と作業の違いを理解することで得られるメリットは数多くあります。ぜひ、仕事と作業の使い分けの整理を初めてみてはいかがでしょうか。