なぜホテルのキャンセル料を支払うの?
ホテルの宿泊を取り消すと、基本的にはキャンセル料が発生します。
宿泊しないとはいえ、ホテル側が当日までにお客様を受け入れる準備などを含めると損失はかなり大きくなります。
ホテルは宿泊予約を受けると当日のために部屋を確保することになりますが、急に宿泊をキャンセルされると売り上げが全くなくなってしまいます。別の予約を受けることができた可能性を考えると、ホテル側が被った不利益は決して小さくはないことがわかるでしょう。
さらに、食材の仕入れや料理の仕込み、当日のスタッフの確保なども台無しとなるのです。
そのような売り上げの損失や準備を補う意味があるとわかれば、ホテルのキャンセル料が設定されているのも頷けますね。
ちなみに、キャンセル料が発生する期間と料金の相場は以下のようなものが一般的です。
1カ月前 | 無料 |
1週間前 | 宿泊料の20% |
3日前 | 宿泊料の50% |
前日 | 宿泊料の80% |
当日 | 宿泊料の100% |
無断キャンセルの場合も当日キャンセルと同じ料金を支払うことになりますので、注意しましょう。
ただし、無断キャンセルはホテル側に多大な迷惑をかけることになります。予定が分かり次第、予約キャンセルは早めに連絡するようにしてくださいね。
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ホテルのキャンセル料が無料になる場合もある?
キャンセル料は、ホテルによって定められている期間や料金が異なります。さらに、理由によってはキャンセル料を受け取っていないホテルもあるそうです。
しかし無料になるといっても、それはホテル側の厚意です。基本的にホテルのキャンセル料は発生するものだということは忘れないでおきましょう。
急な発熱
急な発熱が事情にあったとしても、キャンセル料はかかります。しかし、最近では新型コロナウイルス感染症により大事をとって宿泊を遠慮する利用者も増えてきているようです。
一部のホテルでは、宿泊規約にキャンセル料についてのルールが記載してあろうとも、お客様への配慮として急な発熱の場合はキャンセル料を免除することがあります。
また、キャンセル料を「預かり」という形で次回の宿泊時に差し引くサービスを行うホテルもあるのだとか。
ホテルによって対応は異なりますので、詳しくは該当の施設へ問い合わせてみましょう。
身内の不幸
身内の不幸で宿泊予約を取り消さなければならない場合、なかには代わりの日程に変更してもらえればキャンセル料を免除するホテルもあります。
利用客の責任ではどうにもならない事態と判断されるときは寛容な対応をしてくれるホテルは多いそうです。
宿泊規約以上に、ホテルはお客様との信頼関係を何よりも大切にしています。丁寧に説明すれば事情を考慮してくれる施設は多いでしょう。
自然災害
台風や大雪などの自然災害の場合、キャンセル料が無料になるケースは少なくありません。
キャンセルが出たとしても、現地で動けなくなった人を泊める準備ができるので、空室は大体埋まっていくようです。むしろ、空室が増えれば被害で困っている人を対応できる分、多くの人を助けることにもつながるのです。
また、ホテルマンとしては「一番残念がっているお客様の心情を察すると、キャンセル料なんて請求できない」という気持ちは大きいそうです。
だからこそ、自然災害の場合もキャンセルの連絡は早めに行うのが得策でしょう。
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キャンセル料はどのように支払えばいい?
ホテルのキャンセル料の支払いが発生したとき、どのような支払い方法があるのでしょうか?
宿泊予約の際に選択する「現地決済」や「事前決済」のパターンから、キャンセル料の支払い方法を見ていきましょう。
現地決済
現地決済を選択した場合、後日ホテル側から請求書が送られてくるので、指定の方法で料金を振り込むのが一般的です。
事前決済
事前決済の場合は、ホテル側に対してすでに代金を支払った状態になっているので、後日キャンセル料が差し引かれた代金が返金される仕組みとなっています。
ちなみに、「キャンセル不可プラン」では予約の時点で宿泊料金にキャンセル料が含まれていることが多いので、返金されるケースは少ないでしょう。
利用者にはホテルのキャンセル料を支払う義務がある!
宿泊をキャンセルした利用者には、ホテルのキャンセル料を請求されるのが基本的な流れです。特別な事情があったとしても、宿泊のキャンセルによってホテル側には少なからず損失が生まれていることには違いありません。
そうしたホテル側の事情を利用者が汲み取り、キャンセル料を支払う意志を示すことが何よりも大切なのです。
キャンセル料が発生しなかったとしても、それはホテル側の厚意なので当たり前のことだとは考えないようにしてくださいね。