カプセルホテルで盗難を防ぐには
カプセルホテルは、お客様が寝泊りするユニットに鍵を付けることができない施設です。そのため貴重品などの盗難が起こりやすい場所というイメージがありますよね。
しかしながら、意外なことにカプセルホテルはそれほど盗難が頻発している場所ではないのです。
それでももちろん全く起こらないというわけではなく、不安を感じるお客様は多いものです。ホテルで取るべき盗難を防ぐための対策をチェックしてきましょう。
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カプセルホテルで盗難が起こりやすいのは?
カプセルホテルは客室に鍵が付いておらず、お風呂やトイレも共同です。それ故に盗難が起きやすい場所やタイミングがあります。どんな場所・場面で特に注意が必要なのかを確認しましょう。
ユニットに貴重品を放置して不在にする
カプセルユニットは、カーテンやスクリーンで簡単な仕切りが付いているだけで、誰でも簡単に出入りすることができます。そんな場所に、貴重品を放置していれば「ご自由にお盗りください」状態になってしまいます。
ユニットを不在にするときは、貴重品は絶対に持って移動しましょう。特に気を付けたいのは、掛かってきた電話に出るために、ロビーなどに移動するときです。
慌てて貴重品を忘れてないように注意しましょう。さっと持って出られるように、貴重品はトートバッグなどにまとめておくと便利です。
また、小銭入れやスマートフォンだけでなく充電ケーブルやイヤフォンなどのちょっとしたものを盗まれるケースもあります。
不在であることが分からないよう、ユニットを出るときはカーテンやスクリーンを閉めましょう。そうすることで、荷物を荒らされる被害を防げます。
そして何より、ユニットに貴重品を持ち込むこと自体が危険です。カプセルホテルには必ず鍵が掛かるロッカーがあります。お財布や貴金属はロッカーに入れるか、フロントに預けるかにして、持ち込みはスマートフォンや必要最低限の小銭程度にとどめておくことが重要です。
ロッカーの鍵も絶対に失くしたり、盗まれたりすることが無いようにしましょう。
脱衣所での盗難
お風呂やサウナを利用するときの脱衣所も、盗難が起こりやすい場所です。脱いだ服の下に隠しておけば大丈夫だろうと思って盗まれた事例や、貴重品ロッカーの鍵を脱衣所に放置してロッカーからお財布が盗まれたという事例があります。
脱衣所に鍵付きロッカーがあればしっかりと施錠し、無ければ面倒でも貴重品ロッカーに貴重品は預けて、鍵の管理もしっかり行いましょう。
休憩室や食堂での居眠りによる盗難
休憩室や食堂などの共有スペースでも盗難は起こり得ます。テレビを観たり漫画を読んだりしているうちに居眠りをしてしまい、目が覚めたらお財布が無くなっていた!という事例もあります。
また、居眠りをしなくても食器を下げに行ったり、漫画を取りに行ったりしている間や、少しの間目を離した隙に持っていかれるということもあり得ます。
人気が少なく、眠くてぼんやりしがちな深夜の時間帯に休憩室や食堂を利用する時は、特に注意しましょう。
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カプセルホテル側が取るべき盗難対策とは
カプセルホテルでの盗難は、意外とそう多くはないことを冒頭でお伝えしましたが、それは各ホテルが有効な対策を取っているからです。どういった対策が功を奏しているのかを見ていきましょう。
ロッカーをフロント近くに設置し盗難を防ぐ
貴重品を入れるための鍵付きロッカーは、どのカプセルホテルにも必ずあります。防犯意識の高いカプセルホテルでは、常にスタッフの目が届くフロントの近くにロッカーを設置しています。
万が一ロッカーキーの盗難が起こってもロッカーを荒らすことを抑制でき、荒らしたとしたらどんな人物かを見ているスタッフがいるので犯人を割り出すことが容易になります。
防犯カメラの設置・作動をチェックして盗難を防ぐ
盗難を防ぐには、防犯カメラの設置も有効です。貴重品ロッカーの付近や共有スペース、ユニットフロアの出入口などにはカメラを設置し「防犯カメラ作動中」などのステッカーを貼りましょう。
そして、設置したことに満足せずに定期的な作動チェックを行ってください。あるカプセルホテルの口コミでは「財布を盗まれて防犯カメラのチェックを依頼したが作動していなかったと言われた」という声が寄せられていました。
このようなことがあると、犯人が捕まりにくいばかりか、従業員による窃盗を疑われることになりかねません。カメラの作動は必ず確認・メンテナンスしましょう。
カプセルホテル利用者への注意喚起で盗難を防ぐ
窃盗を防ぐには、お客様にも防犯意識を持ち、自衛してもらうことが必要不可欠です。
共有スペースやユニット内に、張り紙をするなどで注意を促しましょう。
特に盗難・紛失が起こりがちな脱衣所や食堂、休憩所には目立つように張り紙をすると効果的です。
また、チェックインの手続きをする際にひとこと「貴重品の盗難や紛失にご注意ください」と呼びかけをするのも有効です。
責任の所在を明文化して盗難を防ぐ
さまざまな対策を講じても、盗難を100%防ぐことは難しいです。万が一、盗難事件が発生した際に備えて、責任の所在を明文化しておくことを忘れてはいけません。
ホテル側は防犯に努める必要はありますが、貴重品の管理はお客様の自己責任です。
「紛失や盗難については当ホテルでは一切責任を負えません」という旨を約款に明記し、館内のお客様の目につきやすい場所に掲示しておきましょう。これによって盗難事件がホテル側の責任になることを防ぎ、お客様の防犯意識も高まります。
カプセルホテルで盗難が起きたらどうするべき?
それでは実際に、カプセルホテルで盗難が起こった場合はどう動けば良いでしょうか。利用者側とホテル側との、それぞれが取るべき行動を説明します。
カプセルホテルで盗難が起きた場合に利用者がすること
カプセルホテルの滞在中に、自分の持ち物が無くなった場合はどうするべきでしょうか?まず最初に確かめたいのは、ユニット内やロッカー、バッグの中などを今一度確認することです。
それでも見つからない場合は、自分の行動を思い出してみましょう。最後に無くなったものを見たのはいつか、カプセルホテル内のどこに持って行ったのかを思い出し、心当たりの場所に置き忘れが無いかをチェックします。
そこまでしてもやはり無いとなると、盗難に遭った可能性が高いです。その場合はフロントのスタッフに申告し、監視カメラを確認や、警察を呼ぶ手配をどうするかなどを相談しましょう。
カプセルホテルで盗難が起きた場合にホテル側がすること
カプセルホテルの施設内で盗難が起きた場合、ホテル側ではどう対処するのが適切でしょうか。盗難が起こったことが分かるのは、被害に遭ったお客様からの申告を受けたときか、明らかな窃盗の現場を目撃した時ですね。
窃盗は間違いなく犯罪ですので、警察は必ず呼びましょう。ただし、お客様から「貴重品が無くなった」と申告を受けた時点では実際に盗まれたかのどうかは分からないことですね。大げさに騒ぐと他のお客様も不安になってしまうので、冷静に対応することが大切です。
ホテル内を隈なく探すことも重要です。単に、お客様が置き忘れていたものが見つかり一件落着ということもあれば、窃盗犯が現金を抜いたあとのお財布が見つかって、捜査の手がかりとなる可能性もあるためです。
また、可能であればお客様のご協力を仰いでください。とはいえ、持ち物検査やホテル内での待機などは、警察の指示でも無ければそう簡単にはできないですよね。
そこでおすすめしたい行動は、自分の荷物に紛れ込んでいないかの確認を促すことです。
本当に紛れ込んでいる可能性もありますし、声掛けをしたときの反応を見ておくことで、警察の捜査に役立つかもしれません。
適切な設備と注意喚起がカプセルホテルの盗難を防ぐ
いくら貴重品の管理はお客様の責任だといっても、盗難事件が頻繁するようなカプセルホテルでは、評判が悪くなり、客足が遠のいてしまいます。
カプセルホテルの盗難を防ぐのは、適切な設備と注意喚起です。鍵の掛かるロッカーやしっかりと作動する防犯カメラを備え、お客様の防犯意識が高まるように注意喚起をしていきましょう。