レストランのナプキンの役割とは?
フレンチやイタリアンなどのレストランで用意されているナプキン。
多くの方が認識している通り、ナプキンは食事中についた手や口元の汚れを拭うためのものです。
膝上に広げたり首元に下げたりして、服に汚れがつくのを防ぐために使われることもあります。
ちなみに、和食で用意されるおしぼりでは口元(顔)を拭いてはいけません。ナプキンと違って手を拭うときのみ使用します。
また、歴史を辿ると、古代ローマの時代からナプキンは存在していたようです。
ナイフやフォークではなく手で食べていたことから、手の汚れを拭うためにナプキンを使っていたのだとか。
用途的には、現代の使い方と同じように扱われていたのですね。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
レストランのナプキンの折り方4選!
レストランで使えるナプキンの折り方を紹介します。
王冠折り
ナプキンの折り方の主流である「王冠折り」。
その名の通り、王冠のようなフォルムをしており、安定感があります。テーブルコーディネートには欠かせないナプキンのアレンジです。
<折り方>
- ①半分に折る
- ②左下角を上部の中心に合わせるように折る
- ③右上角を下部の中心に合わせるように折る
- ④裏返して長辺が上・下になるように置く
- ⑤下から上に半分に折る
- ⑥裏返す(三角の山が2つできていればOK)
- ⑦右端を持って手前の三角の中に入れ込む
- ⑧裏返す
- ⑨同様に右端を左の三角の中に入れ込む
- ⑩底が袋状になっているので広げれば完成
三角折り
三角折りは、シンプルでスタイリッシュな折り方です。
レストランで見かけたことがある方も多いかもしれません。立体感があるため、見栄えが非常に良いアレンジです。
<折り方>
- ①ナプキンを半分に折って折り目をつける
- ②広げ直して真ん中の折り目に沿うように下半分を半分に折る
- ③同じように上半分を真ん中の折り目に向かって半分に折る
- ④上部を持って奥から手前にくるように半分に折る
- ⑤右端を持って左に向かって半分にして折り目をつける
- ⑥広げ直して端を持って折れ目に沿って手前に折る
- ⑦左も同じように左端を持って折り目に合わせて手前に折る(紙飛行機や家のような形ができます)
- ⑧左手前の端を持って奥に向かって二つ折りする
- ⑨同じく右手前を持って奥に二つ折りする
- ⑩右を持って左に半分に折る
- ⑪ナプキンを垂直に立たせて真ん中を開く
- ⑫左側の折った部分を開く
- ⑬右側の折った部分を開いて完成
扇子折り
扇子のようにナプキンを折る方法です。
日本料理の席でも使用されていることが多く、豪華な印象を与えます。
<折り方>
- ①縦半分に折る
- ②縦向きで下から上に5cm幅ぐらいでびょうぶだたみに折っていく(最後まで折らず、半分を過ぎるぐらいまで折ったらストップ)
- ③裏返して縦半分に折る
- ④突き出ている部分があるので、その角を持って三角にするように内側に折る
- ⑤両端を広げると扇になる
バタフライ折り
バタフライ折りは、蝶々のようにナプキンを折ります。
「アゲハ蝶は幸せを運ぶ存在」と言われているように、蝶々は縁起が良いものとして扱われることも多いです。
そのため、結婚式のようなお祝いの席で使われることがある折り方のようです。
<折り方>
- ①ナプキンを上から下に向かって三角に二つ折りにする
- ②先端を上部のラインまで折り上げる
- ③両サイドの端を持って中央に沿うように手前に折る
- ④裏返して上下を反転
- ⑤突き出した三角部分を下に折り曲げる
- ⑥裏返す
- ⑦上から先端が少しはみ出るように折る
- ⑧先ほど織り込んでいた先端部分を下に広げて完成
他にもたくさん!ナプキンの折り方
ナプキンの折り方には、これまでに紹介した4つ以外にも多様なアレンジがあります。
その他、ナプキンの折り方にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
巻物
ナプキンを巻物のように丸めて、金具などでとめます。
袋型
長方形の袋になるようにナプキンを折ります。
カトラリー類を入れたり、お花を一輪さしてオシャレ感をアップしたりという工夫も!
バラ型
ナプキンをパスタを巻くようにまとめていくと、バラのような形が完成します。
華やかさが感じられる折り方です。
リボン型
ナプキンの真ん中をとめ具でおさえて、リボンの形にします。
白ではなく、淡く色がついたナプキンを使うと可愛らしさが増す折り方です。
キャンドル型
ナプキンを筒状に巻くことで、キャンドルのようなシルエットができ上がります。
ドレス柄
ナプキンを二つ折りにして折り目部分を輪で結び、裾部分を広げるとシルエットがドレスになる折り方です。
エレガントな印象を与えます。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
レストランでのナプキンの使い方
レストランで働くスタッフであれば、ナプキンの使い方やマナーをきちんと覚えておきたいところです。
この項目では、ナプキンの使い方を紹介します。
ナプキンを取るタイミング
着席後、ナプキンは基本的に料理や飲み物が運ばれてくる前に取って膝にかけます。
座ってからすぐにナプキンを手に取ってしまうのはNGです。
ただし、大勢で食事をする場合は全員で乾杯した後、主催者や目上の方がいるときはその方々がナプキンを取った後など、場合によってタイミングが異なることもあります。
ナプキンの置き方
ナプキンは、二つ折りにして膝の上にかけておきます。
お手洗いなどで席を外すときは、ナプキンを三角の形に折って椅子の上に置いておきましょう。
また、食事が終わって席を立つときは、テーブルの上に簡単にたたんで置いておきます。丁寧すぎず、雑すぎない程度に折って置いておけばOKです。
ナプキンで口を拭うとき
ナプキンで口を拭うときは、ナプキンを二つ折りにして中側で汚れを拭き取ります。
中側で拭くのは、拭いた汚れが他人の目に入らないようにするためです。
もし、ナプキンがひどく汚れてしまったときは、スタッフに目配せして新しいものに換えてもらいましょう。
レストランでナプキンを使うときのNGマナー
続いて、レストランでナプキンを使うときのNGマナーについて確認していきましょう。
着席してすぐに使用しない
先述した通り、席に着いてすぐにナプキンに手をつけないように気をつけてください。
ナプキンを早く手に取ると料理を催促している意思表示になってしまい、気が短い人と思われるかもしれません。
ナプキンで口元を拭う前にグラスに口をつけない
フレンチやイタリアンでは、基本的にワインを飲み物としますが、グラスに口をつける前に、一度ナプキンで口元を拭います。
グラスの縁に油脂や口紅がつくことを防ぐためです。
他人のグラスが目に入ったときに、油脂やリップで汚れていたらあまり良い気持ちはしませんよね。
ちなみに、レストランに入ってすぐにスタッフから「お手洗いはいかがなさいますか?」と聞かれたときは、口紅をつけすぎていたり服に乱れがあったりするという合図でもあるようです。
ハンカチを使わない
ナプキンが用意されている場合は、食事中は自分のハンカチを使用しないようにしてください。
ナプキンが準備されているのにもかかわらず、ハンカチを使ってしまうと「お店のナプキンが汚れているから使えない」という意思表示になってしまいます。
レストランの印象を落とすような行為でもあるため、ナプキンが汚れていたときは速やかにチェンジしてもらうようにしましょう。
落としたナプキンは自分で拾わない
物を落としたときは反射で拾い上げてしまうものですが、レストランでは自分で拾わないようにしましょう。
腰をかがめて取ろうとしている間に、料理や飲み物をこぼしてしまうおそれがあるためです。
スタッフとアイコンタクトを取って拾ってもらうようにしてください。ナプキンだけでなく、ナイフやフォークなどのカトラリー類も同様です。
ナプキンでおしゃれに!気分が上がるレストランづくり
ナプキンひとつで、テーブルの上の印象はがらっと変わるもの。
さまざまな折り方を学んで、お客様に感動を与えられるように努めていきましょう!