おもてなし検定って何?
おもてなし検定の正式名称は、「日本の宿 おもてなし検定」といいます。
おもてなし検定は、主に旅館やホテルの接客業従事者に向けて2009年から実施されるようになった比較的新しい検定試験です。
開始当初は初級・中級のみの内容でしたが、2016年からはおもてなしのスペシャリストを目指す上級者向けの試験がスタートしました。
おもてなし検定では、旅館業界における接遇力の向上や人材育成・支援、グローバル化が進む中での日本伝統文化を受け継ぐスタッフの成長などを目的として掲げています。
おもてなし検定を受験することで、自身の接客レベルを確認するだけでなく、接客におけるおもてなし精神について知識を深めることもできるのです。
それでは、資格取得方法について詳しくみていきましょう。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
おもてなし検定の資格取得方法
おもてなし検定では、接遇のおもてなしレベルをスタート・3級(基礎)・2級(応用)・1級(指導)の4つに分けています。
旅館の仕事を始めたばかりの新人は「スタート」、標準業務に対応でき好感を得られるレベルが「3級(基礎)」、的確なサービスの提供と確実なプラス評価をいただけるレベルが「2級(応用)」、お客様に感動していただけるレベルが「1級(指導)」という位置づけです。
試験は3段階に分けられており、受験級は自由に受けられるわけではなく、3級合格後に2級、2級合格後に1級と、段階的に受験資格が得られる仕組みになっています。
具体的な試験内容についてみてみましょう。
3級(基礎)
3級はWEB試験で、特別な受験資格はありません。標準化された業務に対応できる能力が求められます。
試験時間は45分、出題は3級の公式テキストから60問で、正解率80%以上が合格基準です。
2級(応用)
2級も3級同様WEB試験ですが、受験資格は3級合格者のみに与えられます。お客様の要望を察知して、柔軟かつ的確にサービスを提供できる能力が求められます。
試験時間は60分、出題は2級の公式テキストから60問で、正解率80%以上が合格基準です。
1級(指導)
1級の試験内容は一次試験が作文、二次試験が筆記試験・実技・面接で、一次試験合格者のみに二次試験に進むことができます。
1級の受験資格は、2級合格者であること、現在宿泊施設に勤務していること、宿泊施設での勤務が原則5年以上であること、接客経験が原則3年以上であることなどが条件です。
おもてなしに必要な知識に加え、実務能力、指導や育成ができるレベルであることが求められます。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
おもてなし検定が活かせる職種は?
おもてなし検定は実際にどのような現場で活かせるのでしょうか。おもてなし検定が役立つ仕事や職種についてご紹介します。
旅館
日本の宿を象徴する旅館は、おもてなしの心を伝えやすい場所です。特にお客様と接する機会の多い接客係、予約係ではおもてなし検定を活かせるでしょう。
旅館における接客係は仲居とも呼ばれ、お客様の出迎えから案内、配膳、見送りまでを担当します。また、着物で接客する施設も多く、美しい所作に気を配ることも大切です。
ホテル
ホテルは、老若男女、国籍に関係なく多くの人が訪れる場所です。中でも、フロントスタッフはお客様と接する機会の多い仕事ですから、おもてなし検定が役立ちます。
また、お客様と直接的な関りはなくても、おもてなしを発揮できるのが客室清掃スタッフでしょう。
主な仕事は、お客様が気持ち良く過ごせるように客室を整えることですが、客室の清潔感がホテルの印象を左右することもある重要な仕事です。
おもてなし検定は宿泊業界の仕事に役立つ!
おもてなし検定はその目的や内容から、旅館やホテルなどの宿泊施設で役立つことがわかりました。
旅館とホテルの客層や施設ごとのルールに違いはありますが、宿泊業においてお客様を「おもてなし」することに変わりはありません。
接客サービスのレベルを確認することはもちろん、現在宿泊業界で働いている方にとっても知識や自信に繋がりますし、宿泊業への就職や転職時に履歴書に書くこともできます。
おもてなし検定をご自身のスキルアップや、接客レベルの向上に役立ててみてはいかがでしょうか。