ホテル運営に必要なADRとは?OCCなどの違いと算出方法をマスターしてキャリアアップしよう

ホテル運営に必要なADRをご存じですか?ADRとは、1日で販売した客室の平均単価を指し、同時に相場の宿泊料金も把握できる指標です。ホテルの経営戦略をおこなう際、ADRのようなデータが必要不可欠なので一定の知識を身につける必要があります。当記事では、ADR以外の指標の意味や数値を上げる対策法を紹介します。

ホテル運営に必要なADRって何?

打ち合わせをするホテルスタッフ

iStock.com/Antonio_Diaz

ホテルを開業する際は、安定した集客を維持しながら経営戦略を軌道にのせる必要があります。

そのためには、確かなデータに基づいたホテル運営をしなければなりません。

特に重視したいデータは、ADR(客室平均単価)というもの。

ADRとは、「Average Daily Rate」の略語で、客室1室あたりの平均販売単価を指しています

<計算式>
売上の合計金額÷売れた客室数=客室平均単価例)Aホテルの売上合計金額100万円、売れた客室50室
100÷50=2 (Aホテルの1日あたりの客室平均単価は2万円)

ADRを把握しておくと、相場よりも高すぎてお客様が集まらなかったり、安すぎて利益につながらなかったりするのを防げるそうです。

その他にも、ホテル運営において必要な指標があるので、次の項目より解説します。
円滑なホテル経営に発展させるためにも、ぜひ参考にしてくださいね。

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ホテル運営に活用できるADR以外の指標とは?

指標を表す資料

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【客室稼働率の把握】OCC

OCC(客室稼働率)とは「Occupancy Ratio」の略語であり、すべての客室に対して売れた部屋数の割合のことを指します。

<計算式>
販売した客室数÷すべての部屋数=客室稼働率例)Bホテルで販売した客室数60室、全ての部屋数100室
60÷100=0.6 (Bホテルの客室稼働率は60%)

また、営業利益を改善するためには、ADRとOCCのバランスが必要不可欠だそうです。

たとえば、長期休暇などは客足が増えるのと同時に客室稼働率も上がるので、一室ごとの宿泊料金を高めに設定するなど。

できるだけ多くの客室を販売するためにも、時期に見合った金額に調整することが大切でしょう。

【客室全体の収益を把握】RevPAR(レヴパー)

RevPARは、「Revenue Per Available Room」の略語で、空室も含めた全客室の単価を指します。

<計算式 ※2通りあります>

例)ホテルCには全部で100室を完備し、1室1万円の部屋が50室売れた場合

①売上の合計金額÷全ての部屋数
50×10,000=500,000
500,000÷100=5,000

②ADR×OCC
10,000円(ADR)
50÷100=0.5(OCC)
10,000×0.5=5,000

上記のように、一室当たり5,000円で提供できればすべての部屋が売れて、ホテル全体の収益が見込めると捉えられるでしょう。

【ホテル全体の平均稼働率を比較】MPI

MPIとは、自ホテルと他社施設・市場全体の稼働率を比較した指数のことです。

MPIを活用すると、他社施設・市場全体と比べて自ホテルの占める割合が適切かどうか判断できます。

<計算式>

自ホテルの稼働率÷他社施設の稼働率×100=MPI

例)80%÷80%×100=100%(100%が適正なシェアの基準となる)

MPIが100%以上なら適正なシェア以上を占めている、逆に100%以下なら適正なシェアを獲得できていないと判断できるでしょう。

【適正料金の把握】ARI

ARIとは、自ホテルの宿泊料金が他社施設の料金と比べて高いか低いかを判断できる指数です。

<計算方法>

自ホテルのADR÷他社施設のADR=ARI

自ホテルの宿泊料金が市場平均よりも高いとき:ARIは1.00上回る
自ホテルの宿泊料金が市場平均よりも低いとき:ARIは1.00下回る

ARIを把握しておくと、稼働率を上げるために宿泊料金を調整したり、目標の利益を達成するために値上げしたりする判断材料になるそうです。

このように、ホテル経営をスムーズに進めるためには、さまざまな指標を参考にして適切な判断をすることが重要でしょう。

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ホテル運営のADRなどの数値を改善する方法とは?

打ち合わせをするホテルスタッフ

iStock.com/pixelfit

前述で紹介したデータを元に、自ホテルの現状を把握したら改善策を講じなければなりません。

どんな対策ができるのかを解説します。

シーズンや客層に合わせたプランを用意する

まず、シーズンや客層に合わせた限定プランなどを用意してOCCの改善などにつなげましょう。

たとえば、女性限定プランに有名ブランドのアメニティをつけたり、母の日や結婚記念日を迎える夫婦向けの特別プランを用意したりなどさまざま。

「せっかくの記念日だけど少しでもコストを抑えたい」「お得なプランで特別な時間を過ごしたい」そんなお客様の要望を想定した、特別なプランを作ることで客足が伸びるきっかけにもなるでしょう。

空室を減らす工夫を施す

「RevPARのデータを参考にして客室全体の宿泊料金を見直したけど、予約数が増えない」とお困りの施設も多いはずです。

そんなときは、空室を減らす工夫を施すことに視野を向けてみましょう。

たとえば、急な出張で宿泊先を探している会社員などをターゲットにして、宿泊日2日前くらいから直前値下げプランを作るなど。

日頃から空室状況を把握したり、特別料金のタイミングをあらかじめ決めたりしておくと、収益の向上にもつながるでしょう。

ホテルのADRの知識を身につけてキャリアアップしよう!

笑顔のホテルマン

iStock.com/ElNariz

ホテルのADRから1室あたりの販売平均単価を把握できるので、立地などに見合った価格設定ができます。

その他にも、円滑なホテル運営をするために必要な目安はたくさんあるのでうまく活用していきましょう。

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