ホテリエとは
「ホテリエ」とは、ホテルで働く人のことを指す言葉です。ホテルで働く男性を「ホテルマン」と呼び、女性を「ホテルウーマン」と呼ぶこともありますが、男女を区別しない総称として「ホテリエ」が使われています。
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ホテリエの仕事内容
ホテリエの仕事は、ホテル運営のあらゆる面をカバーしお客様が快適に過ごせるようにサポートすることです。
具体的には、フロント業務や客室清掃、レストランサービスなど多岐にわたり、部門によって明確な役割分担がされていることが一般的です。しかし、どの部門においても「お客様に満足を提供する」という共通のゴールをめざして仕事に取り組んでいることでしょう。
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ホテリエに役立つ資格とは?
ホテリエとして働くにあたって、必要な資格は特にありません。しかし持っていると実務に役立つ資格や転職活動で有利になる資格はいくつかあります。詳しく見ていきましょう。
ホテルビジネス実務検定
ホテルビジネス実務検定試験(略称:H検)は、ホテルの実務知識の総合的な理解度を測定するための検定試験。一般財団法人日本ホテル教育センターが開発し、1999年から実施されています。
宿泊や料飲、宴会などお客様と密に接する業務から、総務人事や経理会計などマネジメント業務に至るまで、ホテル全体の業務について体系的に学ぶことができます。ホテリエとしてキャリアアップを狙うなら、習得して損はない資格です。
資格の詳細は以下の記事をご参照ください。
ホテル実務技能認定試験
ホテル実務技能認定試験は、サーティファイホテル実務能力認定委員会が1992年度から実施している試験。ホテル業界の基礎知識から宿泊・料飲などの専門知識まで幅広く出題され、ホテル実務と業界動向を踏まえた知識を得ることができます。
上級と初級に分かれており、保有スキルに応じて受検できるため、すべてのホテリエにとって役立つ資格といえるでしょう。
以下の記事も併せてご参照ください。
出典元:ホテル技術技能認定試験 / ビジネス能力検定サーティファイ
マナー・プロトコール検定
マナー・プロトコール検定は、特定非営利活動法人日本マナー・プロトコール協会が実施し、文部科学省が後援する、社会人として必須のマナーやプロトコール(国際儀礼)に関わる知識と技能を認定する検定です。
試験ではテーブルマナーやビジネスマナーのほか、国旗の扱いや宗教上の配慮なども問われます。海外のお客様と接する機会の多いホテリエにとって、役立つ知識が得られます。
マナー・プロトコール検定については以下の記事で詳しく紹介しています。
出典元:日本マナー・プロトコール検定/特定非営利活動法人 日本マナー・プロトコール協会
TOEIC® L&R TEST
TOEICは英語コミュニケーション能力を評価する世界共通の基準で、世界約160カ国で実施されています。
テスト結果は合否でなく、スコアで表示されるのが特徴。採用基準として「TOEIC〇〇点以上」などと掲げている企業も少なくありません。
ホテリエは海外のお客様と接する機会が多く、一定の英語スキルを求められます。履歴書や面接でTOEICのスコアを提示することで、英語力をアピールできます。
TOEICについての詳細は以下の記事をご参照ください。
出典元:TOEIC® L&R TESTについて/一般社団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
※TOEIC is a registered trademark of ETS. This web page is not endorsed or approved by ETS.
※L&R means LISTENING AND READING.
ホテリエが身につけるべきスキルとは
ホテリエとしてお客様からの信頼を得るためには、スキルを磨く必要があります。また、ホテル業界でキャリアアップ転職を狙うのであれば、即戦力になれる高いスキルが求められるでしょう。
ホテリエが身につけるべきスキルとして、代表的な例を見ていきましょう。
ホスピタリティマインド
ホスピタリティ(hospitality)は「親切にもてなすこと」や「歓待」、マインド(mind)は「心」や「精神」といった意味を持つ英単語です。つまりホスピタリティマインドは、「おもてなしの心」です。
ホスピタリティマインドを備えているホテリエは、常にお客様の目線に立ち、ホテル内で安心して過ごしてもらえるかを考えて行動するもの。お客様からも職場からも頼りにされるホテリエとなるためには、ホスピタリティマインドが必要不可欠といえるでしょう。
マナーや身だしなみ
ホテリエはホテルの顔です。お客様はホテリエを見て、そのホテル全体の評価をするといっても過言ではありません。優秀なホテリエは常に見られている意識を持ち、完璧なマナーや身だしなみを心がけています。
語学力・異文化対応力
規模の大きなホテルでは、さまざまな国からお客様が訪れます。英語をはじめ、複数の言語を扱えるホテリエは活躍できます。また、キャリアアップや昇進も望めるでしょう。
そして世界各国の文化・歴史・生活習慣などを知っておくと、海外のお客様からのニーズにも応えることができます。
コミュニケーション力
コミュニケーション力とは、人との意思疎通を円滑に行うためのスキルです。お客様に快適な空間を提供するには、ホテリエ同士の連携やチームワークが欠かせません。業務を円滑に進めるために、コミュニケーション力は必須といえるでしょう。
また、当然ながらお客様に接する際にもコミュニケーションスキルが重要です。優れたホテリエは相手の表情や声のトーンなどから様子を察して適切な対応をしたり、隠れたニーズを読み取って先回りしたりするもの。そうした行動を取るためには、コミュニケーションスキルが必要不可欠です。
マネジメント力
転職で管理職やマネジメント職を希望する場合は、部下の育成や部門の統括といったマネジメント力が必要です。マネジメント力は「管理能力」のことですが、ビジネスシーンにおいては「成果を上げるための管理能力」や「経営資源の管理能力」などを指します。
また、ホテルのようなパート・アルバイト従業員が多い職場では、一般社員にもマネジメント能力が求められるでしょう。マネジメント能力は、日々の経験を通して身についていくもの。一流のホテリエをめざすのであれば、積極的にリーダー役を務めたり経営者の視点でものごとを考えたりといった努力が必要ではないでしょうか。
ホテリエに求められる英語力とは?
ホテリエにとって英語力は必須というイメージが強いかもしれませんが、実際には必須条件として提示していないホテルも多く見受けられます。一方で、外資系ホテルなどの場合は「TOEICのスコア〇〇点以上」というように英語力を採用条件として明確に設定しているケースもあります。
TOEICスコアは「600点以上獲得すると就職・転職におけるアピール材料になる」といわれています。英語力が必要とされるホテルで活躍したいのであれば、TOEICで600点以上のスコア獲得を目指すことをひとつの目安として設定してみるとよいかもしれません。
ただし、国際色が強いホテルではさらに高いレベルの英語力が求められることもあります。「どのようなホテルで働きたいのか」と希望に応じて目標を設定してくださいね。
資格やスキルの習得でホテリエとして成長しよう!
ひとりひとりのホテリエが、自身の成長のために努力することでより質の高いおもてなしを提供できるのではないでしょうか。また、ホテリエとして成長することができれば、キャリアアップやよい条件での転職もかなえやすくなるはずです。お客様のため、ホテルのため、そして自分自身のためにも、資格やスキルの習得にチャレンジしてくださいね。
なお、ホテル業界の転職はおもてなしHRにご相談ください。