宿泊業の離職率は30%超えで全産業トップ
厚生労働省の発表によると、2021年上半期の国内全産業のうち最も離職率が高かったのは「宿泊業、飲食サービス業」で、その数値は15.6%。
全産業平均の離職率7.56%と比較すれば、どれだけ大きな数値であるかがわかります。
もちろん、この数値は宿泊業のみで構成されたものではなく、レストランや料亭など飲食サービス業も含んでいます。しかし、ホテルを去ってしまう方は少なくないのが現実です。
その背景にあるのは、下記のような宿泊業界の実情が関係していると考えられています。
・過酷な勤務形態
・休暇の取りづらさ
・給料の安さ
労働環境が良いとは言えないなかで給与にも不満があると、スタッフの働く意欲は低下してしまいますよね。
そのため、ホテルは慢性的な人手不足に陥りやすく、労働環境や待遇の改善は宿泊業界全体の課題となっています。
参考:令和3年上半期雇用動向調査結果 産業別の入職と離職|厚生労働省
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ホテル業界の離職率が高い理由
憧れを抱いて就職をしたものの、理想と現実のギャップに耐え切れず退職する方も多いホテル業界。
ホテル業界の離職率が高いとされる原因には、一体どのようなものがあるのでしょうか。それぞれ詳しく解説していきましょう。
勤務形態が過酷
ホテルは基本的に24時間営業なので、ホテルのスタッフはお客様から要望があれば、それに応える準備をしなければなりません。
そのため、長時間シフトになってしまうケースがほとんどです。人手不足の施設だと少ない従業員で業務を回す必要があるので、残業が発生しやすくなってしまうのです。
さらに、夜勤も含めたシフト制で働くと規則的な生活を送ることが難しくなります。その結果、体調を崩しやすくなってしまうのです。
休暇が取りづらい
ホテルのスタッフは、一般的な休日である土日・GW・お盆・お正月は休みなく働くことになります。週休1日制の施設も多く、スタッフの休みも多くはありません。
家族や友人と予定を合わせることも難しく、ストレスを発散する機会が少なくなってしまう方もいます。
人手不足のホテルの場合、周囲が気になり有給休暇さえ取りづらいという現状も。
長時間労働のうえに休暇が取りづらいと疲れやストレスを溜め込みやすく、退職を選んでしまう方も少なくないようです。
給与が安い
ホテルのフロントは基本的に長時間立ちっぱなしであったり、体力が求められたりする業務でもあります。
しかしながら、宿泊業の給与は他業種と比較すると残念ながらあまり高い水準とは言えません。
厳しい勤務形態でも給与さえ高ければモチベーションの維持ができますが、仕事量に見合わない額だと感じてしまえば、業界を去るのも無理はないでしょう。
人間関係に問題がある
どの業界・職種でも共通して言えることですが、ホテルマンでも人間関係が離職理由になります。ホテルのフロントも、いわば小さなコミュニティです。そこで人間関係が上手くいかないと、離職のきっかけともなってしまうようです。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
宿泊業・ホテル業界の離職率の高さはネガティブな理由だけではない!
ホテル業界の離職率の高さは、過酷な労働環境から逃れるためだけでなく、業界全体の転職に対するハードルの低さも影響しています。
転職へのハードルが低い分、業界自体に自分の可能性に挑戦できる環境が用意されているので、あなたが理想とする働き方に近づくチャンスがたくさん眠っているということも言えるでしょう。
たしかにホテル業界は勤務形態が特殊で、休暇も取りづらい傾向にあります。ですが、最近ではスタッフの幸せを第一に考えた施設が急増しています。
たとえば、ホテルに定休日を設けて休暇を取得しやすくしたり、それぞれのホテルで長時間労働を避ける工夫をしたりするなど、労働環境なども改善されようとしています。
ホテル業界の実情を知らずに、ただ離職率が高いからといってホテル業界への転職を諦めてしまうのは時期尚早かもしれませんよ。
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ホテル業界の離職率は高いものの、労働環境の悪さだけが原因ではありません。そのため、業界に興味がある方には積極的にチャレンジしてみることをおすすめしますよ。
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