実務経験なしでもホテル・旅館の調理師として働ける?
実務経験がなくとも、ホテルや旅館で調理の仕事に就くことは可能です。
しかし、調理師には「調理師免許」という国家資格が存在します。
調理師免許取得者を歓迎している求人に申し込む際は、取得者と比べて採用で不利になってしまうリスクがあるので注意しましょう。
実務経験なしで仕事を探すときは、「未経験OK」と記載されている求人に応募するといいかもしれませんね。
さらに経験がない分、熱意やポテンシャルが注視されます。
誰よりも「仕事に意欲的であること」「自分には将来性があること」をアピールしていかなければいけません。
性格や態度など人柄を大事にしている会社は多いので、その点も意識できると採用されやすくなりそうです。
また、調理師を目指すならば「調理師免許」をとっておいて損はないでしょう。
調理師免許をとれば、就職・転職に有利になるだけでなく、資格手当がついたり即戦力としてすぐに大きな仕事を任されたり好待遇を期待できます。
では、実務経験なしの状態から資格を取得するためにはどのようなステップを踏めばいいのでしょうか?
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
実務経験なしから調理師免許を取得する方法
調理師免許を取得する方法は2通りあります。
(1)調理師試験に合格する
1つ目は調理師試験に合格して免許をとる方法です。
試験には受験資格が定められており、下記に記載している(A)学歴かつ(B)職歴の条件を満たしていなければ受験することはできません。
(A)学歴
- ・中学校卒業以上の者
- ・ 旧制国民学校高等科の修了者、旧制中学校2年の課程の修了者又は調理師法施行規則(昭和33年厚生省令第46号)附則第3項の規定によりこれらの者と同等の学力があると認められる者
(B)職歴
- ・調理師法施行規則第4条に定める施設で2年以上調理業務に従事した者
要するに、一般的には「中卒以上の学歴があり、飲食店などで調理の実務経験を2年以上積んでいる」必要があるということです。
そのため、実務経験がない方がこの方法で資格をとるには、まず経験を積むことから始めなければいけません。
調理に関わる仕事内容であっても、実務経験として認められない業務もあるため注意が必要です。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
(2)厚生労働大臣が指定する調理師養成施設を卒業する
2つ目は調理師養成施設に通い、卒業すること。
調理師養成施設とは、調理師として求められる知識や技能を習得するための専門学校や高校・短大・大学という教育機関を指します。
1年以上カリキュラムをこなして学校を卒業すれば、試験を受けずとも免許を取得できるのです。
学校へ通うことに経験の有無は関係ないため、実務経験がないという方はこのルートを検討してみてもいいかもしれません。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
実務経験なしから調理師免許を取得するメリット
調理師免許を取得することで何か利点があるのか気になる方も多いですよね。
考えられるメリットは以下の通り。
- ・就職、転職活動で有利になる(アピールできる)
- ・好待遇が期待できる
- ・店舗の信頼度に貢献できる
- ・自分の仕事に自信がつく
他にも学校のカリキュラム内容や調理師試験の範囲を勉強するうちに衛生面、栄養面といった知識が身についたりすることも。
食に関する知識を増やせるため、調理師としてさらにレベルアップすることができそうですね。
特にホテルや旅館は敷居の高いイメージがある場所であり、それ相応の質の高いスキルや技術が求められる場所です。
そのため、調理師免許を勉強するうえで、学んだ知識やスキルを活かせる場面が多いかもしれません。
調理師として活躍していきたいと志している方は、挑戦してみるのもアリですよ。
なお、以下の記事では冷たい料理を担当する調理師、ガテマンジャーについて詳しく解説しています。併せてご参照ください。
実務経験なしの方へ!ホテル・旅館の調理師について知ろう
働くのであれば、できるだけ多くのスキルや知識、アイデアを学ぶことができる会社に就きたいですよね。
求められるスキルや将来性などを理解し、自分が学ぶべきことは何なのか考えておくと企業選びの際にも役立ちます。
ホテル・旅館の調理師について簡単にみていきましょう。
【ホテル・旅館】調理師の仕事内容
ホテル・旅館にはどのような仕事があるのかご存じですか?
一括りに調理師といっても、細かくみていけばその職種は多岐にわたります。
- ・総料理長
- ・シェフ
- ・ソーシエ
- ・プッチャー
- ・ベーカリー
- ・パティシエ
- ・洗い場
調理全体を監督する総料理長だったり、調理スタッフを統括するシェフだったりさまざまな役割があるのです。
ただ単に「調理師になりたい!」というだけではなく、自分がやりたい職種とは具体的に何なのか深堀しておくと、働く目標やビジョンが立てやすいですよ。
【ホテル・旅館】調理師に求められるスキル
ホテル・旅館の調理師に求められることは、お客様が楽しめる料理を提供すること。
創意工夫を施しておもてなしをしなければいけません。
そのためには、質の高いおいしい料理を作ることが前提です。
調理師の「目利き」や「味覚に繊細な舌」が、おいしい料理となるかどうかの決め手となります。
魚介や肉など数多くある食材からベストなものを選び、食材の良さを最大限に引き出すためにはどうするべきなのか、常に考える探求心も持ち合わせていけるといいですね。
また、味だけでなく目でも楽しんでもらえるように、盛り付けにも気を配らなくてはいけません。
料理を美しく魅せるためにはどのように装飾するべきか、美的センスが問われる部分もあるでしょう。
スキル・知識を身につけることも重要ですが、どうすればお客様に「特別感」を味わってもらえるのか日々考えることも大切です。
ホテル・旅館では、この「特別感」があるかないかで印象を左右します。
コンビニやスーパーで買えば食べられるような料理を提供しても、お客様の心に響かせることはできませんよね。
これらのことを意識的に取り組み、一人前の調理師として活躍できるよう実力を培っていきましょう。
【ホテル・旅館】調理師の需要や将来性
近年ではコロナ禍によって、業界全体の失業率は上がり求人数が減っているという状況にあるようです。
特に宿泊客が要であるホテル・旅館は、その宿泊客が激減したことで運営がままならなくなったというところも。
そのため「ホテル・旅館の調理師に対する需要も減ったのではないか?」と不安を感じた方もいるのではないでしょうか?
たしかに、以前と比べて多少減っている面はあるかもしれませんが、求人数自体にはあまり変化がないように見受けられます。
調理師は元々、待遇面が厳しかったり少子高齢化で調理師専門施設へ通う人が減少していたりして人手不足が課題となっていた職業。
就職・転職が以前よりもしづらい状況ではありますが、需要や将来性に関してあまり心配する必要はなさそうです。
コロナ禍が落ち着けば、採用意欲は元に戻ってくるのではないかともいわれています。
ホテル・旅館にとって調理師の存在は欠かせません。
今後も需要のある職業として求められ続けられそうですね。
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実務経験なしでもOK!調理師として働くために仕事を探すなら
実務経験がなくとも、ホテルや旅館で調理の仕事を担うことはできます。
しかし、調理師として名乗るために必要な「調理師免許」は、実務経験を2年以上積むか養成施設へ通わなければ取得できません。
実務経験がある方と比べて採用の道のりは険しいかもしれませんが、経験の有無はいわば加点対象であり、必須条件にしている求人はそこまで多くないようです。
あまりネガティブに考えすぎず就職・転職活動に臨んでくださいね。
なお、「ホテル・旅館で調理師として働きたい」「調理師免許をとるために仕事を探している」という方は、当サービスおもてなしHRをご活用ください。