仲居の仕事や必要スキルとは?
旅館の仲居は宿泊客から「仲居さん」と呼ばれ、親しまれる存在です。よく知られている職業ですが、具体的にはどのような業務を担当しているのでしょうか。仕事内容や必要なスキル・資格を見てみましょう。
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仲居の担当業務
仲居お客様が旅館に到着してからお見送りまで、さまざまなお世話を担当します。仲居の仕事内容は、大きく分けて以下の4つ。詳しい内容を見てみましょう。
お迎えと客室までの案内
旅館に到着されたお客様をお迎えするところから仲居の仕事は始まっています。
フロントでチェックインが済んだら、館内を紹介しながら客室まで案内します。客室に着いたらお茶とお菓子を用意し、室内の設備や食事時間などを説明します。
お客様にリラックスしてもらうために、晴れやかな笑顔と柔らかい物腰で接客することが大切です。
食事の準備と布団敷き
部屋などに食事を配膳することも仲居の仕事です。
料理を運ぶことはもちろん、料理の説明をし、飲み物の注文を受けることもあります。お客様の食べるスピードに合わせて食事を出し、食べ終わったタイミングで空いているお皿を下げる気配りも重要。
団体のお客様に対応する時は、重い御膳を持ち、次々と料理や飲み物を運ぶため、体力と効率が求められます。
また、お客様が休む前に布団を敷くことも、仲居の大切な仕事の1つです。気持ちよく眠れるように、配膳やシーツのシワなどにも気を配りながら素早く敷くことが重要です。
お見送り
お見送りをする最後の瞬間まで、仲居の仕事は続いています。お客様に「また来たい」と思ってもらえるように、最後まで丁寧な接客が求められます。
立ち姿やお辞儀の角度などの接客マナーも重要ですが、笑顔で気持ちよくお見送りをすることが何よりも大切です。
客室清掃
チェックアウトが済み、お客様が帰られた後は、次のお客様を迎えるために館内を清掃します。旅館の規模によっては清掃業者に依頼をしている場合や、スタッフ総出で清掃する場合も。
客室やロビー、廊下はもちろん、お客様の目が届くところは隅々まできれいにすることが大切です。客室に季節の植物を飾るなど細かな心配りが、お客様の良い思い出を作るのです。
このように、仲居の仕事は幅広く、お客様と接することが多い重要な仕事なのです。仲居の接客で旅館の印象が決まることもあり、責任重大な業務と言えるでしょう。
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仲居の仕事のやりがい・面白さ
旅館の顔とも言える仲居。どのようなことに仕事のやりがいや面白さを感じるのか見てみましょう。
お客様の喜びをいちばん近いところで感じられる
旅館を訪れるお客様は、非日常を楽しみに来ています。そのため旅館では、お客様が心から楽しめるように細やかなサービスを提供します。お客様のいちばん近いところでおもてなしをする仲居は、お客様から「ありがとう」と直接感謝を伝えられることもあるでしょう。
また、お客様に提案した旅館での過ごし方や観光スポットに対して良いリアクションをもらえたり、会話を楽しんだりができるのは、仲居ならではの喜びでしょう。仲居の接客を気に入ってリピーターとなってくれるお客様や、指名してくれるお客様も居ます。
「おもてなし文化」の魅力を伝えられる
旅館には、老若男女問わずさまざまなお客様が訪れるため、お客様に合わせた接客をする面白さがあります。
お客様が望んでいることを言葉や表情などで読み取り、それに応えるサービスが提供できた時には、とても大きなやりがいを感じられます。
すべてのお客様にホスピタリティの精神を持って接していけば、日本の「おもてなし文化」の魅力を伝えるプロフェッショナルとして活躍できるでしょう。
仲居の仕事の難しさ・大変さ
仲居の仕事にはさまざまなやりがい・面白さがある一方で、難しさや大変さもあります。どういったことで苦労を感じやすいのか把握しましょう。
体力を使う
お客様の荷物の運搬や配膳、布団の上げ下ろしなどで重いものを持つことも多いので、1日働けば多くの体力を使います。
複数の客室を1人で担当し、休む間もなく動き続ける日もあるかもしれません。旅館の規模によっては清掃などもしなければならないため、仲居の仕事は体力勝負と言っても過言ではないでしょう。
笑顔を忘れてはいけない
お客様のすぐ側に居る仲居は、常に明るく、笑顔で働く必要があります。忙しい時や大変な時でも、態度や表情に出すことは禁物。
また、お客様にいちばん近い場所に居るため、直接クレームやお叱りの言葉を受けることもありますが、そのような時こそ丁寧な対応で問題を解決する必要があります。
笑顔で対応するだけでなく、お客様の方から話しかけやすい雰囲気を作ることも求められるでしょう。
勤務時間が変則的
仲居の仕事でもっとも大変なことと言えば、勤務時間が変則的なことではないでしょうか。旅館では常に誰かが働いていなければなりません。
そのため、仲居の世界には朝早くに出勤し、夕方ごろに数時間の休憩を取り、夜遅くまで働く「中抜け」というシフト体制があるのです。
力仕事がある上に生活リズムが不規則になりがちなので、慣れるまではフィジカル面でもメンタル面でも、きつさを感じるかもしれません。
ただし、中抜けシフトを設けていない旅館もあります。「仲居の仕事に興味があるけど勤務時間が不安……。」という人は、シフトの組み方をしっかりと確認し、勤務先を選ぶと良いでしょう。
仲居の仕事に必要な資格・スキル
仲居になるために特別な資格は必要ありません。ただし、以下のような資格を持っていると、有利に働きます。
- ・接客マナー検定
- ・サービス待遇検定
求められるスキルの質は旅館の規模などによって異なりますが、接客マナー検定などを取得しておくと現場で役に立つでしょう。
また、資格とは別に、次のようなスキルを持っていると仲居としての適性があると考えられます。
- ・接客マナー
- ・コミュニケーション能力
- ・おもてなしの心
- ・高い体力
- 自発性
仲居の仕事のノウハウは働きながら覚えることが多いもの。大変なこともありますが、おもてなしの心を持っている人なら、楽しく仕事に取り組めるはずです。また、外国人のお客様に対応するための語学力や、外国文化なども身につけることをおすすめします。
仲居の仕事で身につくこと・キャリアステップ
仲居として働くことで次のようなスキルが身につきます。
- ・美しい所作
- ・丁寧な言葉遣い
- ・質の高い接客スキル
- ・おもてなしの技術
- ・忍耐力
日々の接客を通じ、美しい所作や言葉遣いなどの質の高い接客スキル、おもてなしの技術が身につきます。経験を積めば積むほど、旅館全体の動きやお客様の流れを判断できる、広い視野を持てるようになるはず。
将来は仲居として働いた経験をいかして仲居頭になったり、よりグレードの高いホテルや旅館に転職したりするチャンスが巡ってくることも。
仲居の求人情報を見てみよう
旅館の仲居として求められているのは、どのような人材なのでしょうか。また、給料や福利厚生などはどうなっているのでしょうか。
おもてなしHRに掲載の求人情報の中から、仲居の募集を見てみましょう。情報はすべて2022年8月時点のものです。
岐阜県の温泉旅館
岐阜県の有名温泉地に位置する旅館では、正社員として仲居を募集しています。未経験者歓迎、学歴不問の募集なので、接客業が初めてでもチャレンジしやすいでしょう。
具体的な業務内容はお客様のお出迎え、お見送りや客室への案内、食事の提供など。この旅館はお客様に向き合った温かいおもてなしが評判で、人と関わることが好きな人や、お客様との距離が近い職場で働きたいという人に向いているということです。
給与は月給18万5000円〜20万円。月額8000円の寮を備えています。
静岡県の高級旅館
静岡県の高級旅館では、接客業務全般を担当する仲居を募集しています。具体的な業務内容はお客様の案内や朝・夕の食事提供、内線電話の対応など。
質の高い接客が求められるため、社会人としてのマナーが身についていることが応募の必須条件。歓迎スキルとしては宿泊業界などでの勤務経験が挙げられています。
雇用形態は正社員で、給与は日給10000円〜12000円。月給で考えると26万円前後が目安とのこと。月額15000円の独身寮・家族寮を備えています。
熊本県の温泉旅館
最後に紹介するのは熊本県の温泉旅館で、パート・アルバイトの募集です。週3回、1日4時間の勤務で仲居の仕事を経験できるので「まずは旅館業界を見てみたい!」という人にぴったりではないでしょうか。
主な業務内容は旅館の案内や食事の提供、布団の上げ下げなど。時給は900円以上でまかないあり、温泉施設を利用できるといった特典もあります。
年齢・経験不問で応募できるので、仲居の世界に飛び込むチャンスです。
旅館の仕事探しはおもてなしHRにご相談ください
仲居の仕事は大変な部分がクローズアップされがちで、ネガティブなイメージが強いかもしれません。しかし、 仲居には旅館を代表してお客様におもてなしを提供するという、大きなやりがいがあるのです。
仲居のお仕事を探す際には、「おもてなしHR」にご相談ください。