接客には一流・二流・三流が存在する!
ビジネスやスポーツの世界で、耳にすることが多い「一流・二流・三流」という言葉ですが、接客の世界においても一流・二流・三流という概念は存在します。
一流はすばらしく、三流は今ひとつというイメージの通り、一流はその地位において最もレベルが高い状態を指し、三流は最もレベルが低い状態を指します。どの分野においても目指したいのは一流ですよね。
接客における一流・二流・三流の位置付けと、一流の接客をするために必要な心構えを見ていきましょう。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
接客における一流・二流・三流とは?
接客は、文字通りお客様に接する仕事です。そのため「一流・二流・三流」といった評価は「お客様がどう感じたか」ということが中心です。一般的に考えられる、接客の一流・二流・三流の違いを見ていきましょう。
三流はお客様のニーズに応えられない
接客の際、「お客様のニーズに応えられない」という方は、三流という評価が下されるでしょう。
接客業に従事する方なら、お客様に尽くしたいという気持ちはあるでしょう。しかし、気持ちと行動が一致せず独りよがりの接客をしてしまう場合や、そもそもの能力が低くマニュアル通りの対応を行うことすら難しい場合には「三流止まり」とされてしまいます。
あまりにも目もあてられない場合には、お客様からクレームをもらったり、他の従業員からも冷たい目で見られたりして、仕事を続けることが困難になることもあります。
二流はお客様の「目に見える要望」にマニュアル通りの対応ができる
接客における二流は「目に見えるお客様の要望に応えられる」というレベルです。
「可もなく不可もなく」というこの状態であれば長く勤めることも可能ですが、何も考えずに接客を続けていることだけでは、ステップアップは難しいかもしれません。
一流はお客様の真の要望に対応ができる
「一流ホテル」と呼ばれるホテルでは、スタッフ全員が一流の接客をしているはずです。一流の接客をする方はお客様の潜在ニーズに対応できるもの。
表に出していない、ときにはお客様自身も気づいていない潜在的な要望を見抜き、適切な対応ができるということは、お客様のことを深く考え、先を読み、行動に移す力があるということです。
真の要望に気づくセンスも必要ですが、お客様が喜ぶ形でサービスを提供するためには接客の基礎をしっかりとマスターしていなければなりません。
正しい接客マナーを身につけたうえで、お客様を思って取った行動が感動を生んだ時、はじめて「一流の接客ができる」という評価を受けられるのではないでしょうか。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
一流の接客・サービスに必要なこととは?
一流の接客を行うためには、どのような心構えを持つべきなのでしょうか。サービス・接客業で一流と呼ばれる方に携わっている、5つの心構えを紹介します。
常にお客様の真の要望を探る
一流になるためには、お客様の真の要望を常日頃から探ることが必要です。
先天的なセンスによって、お客様の考えていることが自然と理解できる方もまれにいるようですが、多くの場合は訓練を重ねて習得するスキルです。
お客様の発言・声のトーン・話す速度・目線・動きなどから、状況や次の行動を予測するくせをつけましょう。
マニュアルだけに頼らない
マニュアルは、行儀や作法を意味する「マナー」を語源としている言葉で、相手に不快を与えないように作られたルールのことを指します。
ひと口にお客様といっても、心地良さを感じるポイントは千差万別。均一化されたマニュアルだけでは、すべてのお客様に満足してもらうことはできないでしょう。加えて、お客様はマニュアルに従っているだけの対応なのか、自分のことを考えてくれた上での対応なのかを感じ取れてしまうものです。
マニュアルを守ることは重要ですが、状況によってはお客様に寄り添った対応をするなどの臨機応変さを持つ方が、一流であるといえるでしょう。
お客様の表情に自分の表情を合わせる
人間の感情は表情に出やすいものです。そのため、一流の接客を行っている方は、常にお客様の表情から感情を読み解いています。
また、感情を読み解くだけでなく、お客様の感情に合わせて、自身の表情を変化させることも忘れません。お互いの行動を合わせることで好感度の上がるミラーリング(同調)効果を意識し、接客にあたっているケースもあるでしょう。
お客様が悲しそうな表情をしているときは、相手を労わる表情や落ち着いた表情を見せ、お客様がはつらつとした表情であれば自身も元気よく笑顔で振る舞うことができるということが、一流のサービス・接客をするために必要な要素かもしれません。
相手のデメリットになる得ることをメリットとして伝える
適切な接客をするためには、お客様の情報を集めたい場合もあるでしょう。しかし、コンプレックスに関する話題や、生年月日などの個人情報は、開示することに抵抗のあるお客様もいるはずです。
このような場面で、お客様の気分を害さずに必要な情報を引き出せる接客担当者は一流です。その方法のひとつとして「情報提供によるメリットを提示する」というテクニックがあります。
例えばエステティックサロンに体型を気にしていそうなお客様がやってきた場合、悩みごとを直接聞くのは失礼にあたるかもしれません。しかし「今、ダイエットをサポートするプログラムの割引キャンペーンがあるのですが、ご興味はありませんか?」といった切り出し方をすれば、角が立たないでしょう。
また、生年月日を聞く際には「次回のお誕生日に特典を差し上げられます」といったメリットを提示することも有効です。
クレーム対応でファンを作る
クレームを「ピンチ」ではなく「チャンス」と捉えられる方は、一流の接客をするための心構えができているのではないでしょうか。
クレームをチャンスと考えられる方は、クレームを口に出すお客様が企業・店舗に対して「改善してほしいという期待を寄せている」ということを理解しているためです。
「単にストレスを発散させたいだけ」というケースもゼロではありませんが「どうでも良い」と思っている企業や店舗に対し、わざわざクレームをいうお客様は少ないでしょう。
クレームに対して真摯に向き合い続けることで「良い対応をしてもらえた」と思わせ、ファンを作るのが一流の接客です。
ホテル・旅館業界における一流の接客と二流・三流の違いとは?
ホテル・旅館などの宿泊業界は、サービス業の最高峰といわれるほど、一流の接客が集まる業界です。ホテル・旅館で一流と呼ばれる接客とは、どのような接客なのか見ていきましょう。
宿泊の背景を考える
一流の接客ができるプロは、お客様が宿泊した背景までを考えて行動します。
記念日などの特別な日に利用をすることが多いホテルや旅館では、最高のおもてなしで最高の時間を過ごしてもらうことを目標に、接客しているのではないでしょうか。
記念日であれば、サプライズでお花やケーキを用意したりチェックアウト時などに「すてきな時間をお過ごしいただけましたか?」といった声を掛けたりすることもあります。
また、葬儀や法事に参列するなど、喜ばしくないイベントのためにホテルや旅館を利用するお客様も少なからずいます。その際もお客様の立場に立ち「どのような接客をしてもらえれば嬉しいか」ということを常に考え、行動しているはずです。
お客様にとっての「分かりやすさ」を重視する
ホテルや旅館の業務では、お客様にさまざまなことを説明します。予約時であればプランや料金に関すること、チェックイン時であれば施設や滞在中の注意点などを伝えることが一般的。
一流の接客をする方は、マニュアル通りに案内を進めるだけではなく、お客様の様子や表情を読み取って「ここまででご不明な点はございませんか?」「〇〇は〇〇にございますので、ご安心ください」といった声掛けをします。
マニュアル通りにしか説明できなかったり、忙しいからといって早口で一方的に説明したりするのは二流・三流です。
ホテル・旅館で「さらにレベルの高い接客をしたい!」という方は、下記の記事も参考にしてくださいね。
二流・三流にとどまらず一流の接客を目指そう!
ある程度の経験を積めば、二流程度の接客を行うことは可能です。しかし、一流の接客をするためには、高い意識を持って接客に臨み、経験を積む必要があります。「自分は三流・二流止まりだ」と限界を決めず、一流を目指して接客を行えば、より仕事が楽しくなることでしょう。
「現在の職場では一流の接客を行うことが難しい……」という場合には、ホテル・旅館業界に目を向けても良いかもしれません。その際は、当社サービス「おもてなしHR」にご相談ください!