マンションでも民泊を始められる?知っておきたいポイントや注意点

「空き家増加」「宿泊先不足」といった日本の社会問題を背景に、民泊は大きな注目を集めています。2018年に、自宅の一部やマンションを宿泊施設として利用するための民泊新法が施行されました。許可を得るための条件が緩和され、民泊営業のハードルが下がったと言われています。ここでは、営業開始までの流れや、マンションで民泊を営業する場合の注意点についてをご紹介します。

民泊新法の施行

法律

iStock/imaginima

近年急増する訪日外国人観光客の多様な宿泊ニーズへの対応や、少子高齢化社会を背景に増加している空き家の有効活用といった地域活性化の観点から、いわゆる民泊に対する期待が高まっています。健全な民泊サービスの普及を図るため、2018年6月に民泊新法が成立しました。

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民泊新法でマンションでの民泊営業のハードルが下がった

マンション外観

iStock/photo5963

民泊新法は、2018年6月15日の施行されました。民泊新法で定められる民泊とは、「旅館業以外の人が住宅に人を宿泊させる行為」で、「年間180日を超えないこと」が条件とされています。

民泊新法が成立する以前、合法民泊を行うためには「旅館業法の営業許可を取る」、または「特区民泊の認定を受ける」という2つの方法がありました。しかし、この2つの方法では、個人が住宅を利用して民泊運営を行うにはハードルが高く、現実的に合法民泊の運営は難しいものでした。特に、旅行業法の「建物の用途変更」、「消防設備の設置」の2点で、マンションでの民泊は困難と言われていました。
民泊新法では、旅行業法で対象外とされていた住宅を宿泊施設として貸し出すことが前提となっています。貸し出しであれば、用途変更にならならず、消防設備についてもホテルや旅館ほど厳しくありません。
また、旅館業法は都道府県への許可申請、特区民泊は認定申請を行うのに対して、民泊新法では届出のみで運営することが可能です。
民泊新法の施行によって、マンションでの民泊営業のハードルが下がったと言われているのには、こういった背景があります。

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マンションで民泊を始める手順

マンション 部屋

iStock/maroke

実際に住宅で民泊の営業を始めるためには、どのような手続きが必要なのでしょうか。準備が必要なもの、注意点についてご紹介します。

民泊営業までの流れ

民泊を始める際には、簡易宿泊所営業の許可を取得する必要があります。許可取得までの流れは、自治体によって異なりますが、一般には以下の流れに沿って進められます。

・事前相談
保健所に申請可能かの確認、施設などの登録条件を満たしているかの確認が必要です。

・許可申請
保健所への許可申請書のほかに、消防局や下水道処理センターへの許可申請が必要です。

・施設検査
施設の構造、設備が基準を満たしているかどうか、保健所職員による立ち入り検査があります。基準を満たしていることが確認されるまでは、許可はおりません。

・許可
保健所の許可を得れば営業を始めることができます。申請から許可までの期間は、一般的に10日~数週間程度必要です。

準備物

許可申請の際には、書類の提出と手数料が必要です。書類の様式、添付資料等は自治体によって異なります。

・許可申請書
・施設の図面
・その他自治体が定める書類
・手数料(20,000円~30,000円程度)

注意点

自治体によっては、トラブルを避けるため、独自の条例や、営業日数や区域が制限されている場合があり、民泊新法で定められたルールとは別に確認が必要です。
また、マンションの場合は、マンション管理規約も確認が必要です。民泊新法で定められたルールとは別に確認が必要です。

マンションでの民泊が禁止される?

ルール

iStock/patpitchaya

民泊新法の施行で、マンションで民泊を営業するためのハードルが下がったとご紹介しました。民泊新法の条件をクリアすれば、どんなマンションでも営業を開始できるのでしょうか。マンションは、年齢、家族構成、職業の異なる、多くの人が生活をしている集合住宅です。そのため、住民が気持ちよく快適に生活するためのルールが定められています。これを「管理規約」と言います。管理規約には、区分所有者間の所有関係や権利・義務といった基本的なことが定められています。管理規約は、国土交通省が管理規約の見本として作成した「マンション標準管理規約」が参考にされています。マンション標準管理規約をそのまま使用している管理組合も多くあるようです。民泊新法の施行後、マンション標準管理規約が改正されました。マンションでの民泊をめぐるトラブルを避けるため、民泊を可能にする場合、禁止する場合における規定例が追記されています。

多くのマンションでは民泊を禁止しているとも言われています。民泊新法上では、マンションでの民泊は可能と言えますが、営業を検討する際には、必ず管理規約を確認しましょう。

マンションでの民泊で起こるトラブル

騒音トラブル

iStock/MasaoTaira

マンションは、専有部分と言われる住戸と、ロビーやエレベーター、ゴミ置き場といった共有部分があります。マンションでの民泊では、共有部分でのルールやマナーが問題となるトラブルが起こることがあります。ここでは考えられるトラブルについて紹介します。

破損

民泊の利用者の中には、海外からの旅行客も多くいます。国が違うと、電源プラグや家電、家具の使い方や使い勝手も大きく異なります。使い方をまとめたり、可能であれば事前に細かく説明することが重要です。破損の状況を確認するためにも、部屋の備品の状態を写真に残しておくのも良いでしょう。室内だけでなく、共有部分の壁や備品の破損も考えられます。その場合は、賠償責任や賠償金といった面で大きな負担を背負う可能性もあります。

盗難

備え付けのタオルや食器、照明器具が持ち帰られてしまったという事例もあります。ホテルアメニティと同様の感覚で持ち帰っしまう場合もあるようです。必要以上の物や、貴重品は 置かないようにしましょう。

騒音

マンションでは、生活音による騒音問題もあり、住民はルールやマナーを守って生活しています。マンションを民泊にする場合、ロビーやエレベーターホールの前で大騒ぎをする、部屋の中で夜遅くまでパーティが行われるなど、騒音トラブルはたびたび問題になります。旅行中は気分が高まるものですが、特に夜間の騒音については配慮は必要です。

ゴミ出し

ゴミの種類によって収集日が違っていたり、細かくゴミを仕分けしなければならないなど、ゴミの分別には厳しくルールが決まっています。宿泊者がそのようなルールを知らずに、仕分けをせずにごみを出してしまったり、曜日を間違ってごみを出してしまうと、住民に迷惑をかけてしまします。

セキュリティ

最近では、オートロックのマンションも増えてきています。安心、安全な環境を求めて、そのようなマンションを購入した人もいるはずです。不特定多数の人が出入りする民泊は、近隣住民に不安を感じさせてしまいます。

オーナーが分からない

実際に居住していれば、その部屋に誰が住んでいるのかを知ることができます。民泊の場合、部屋に出入りするのは宿泊客です。住民がトラブルに巻き込まれた場合などは、誰に連絡をすれば良いのか分かりづらい状況になり、対応が遅れてしまう場合があります。

マンションでの民泊はトラブル対策を万全に

マンションドア

iStock/studio

民法上はマンションでの民泊営業は可能となりました。民泊はまだ新しく、管理規約上で民泊について明文化されていないマンションもあります。記載がないからといって、無断で民泊を行うと、住民との間でトラブルになる恐れもあります。マンションでの民泊では、宿泊客にルールを守ってもらうだけでなく、オーナである貸出主がルールを守ることが大切です。マンションは、集合住宅です。民泊を営業することで、住民の快適な生活が疎外されることがないよう、トラブルへの対策は万全にしましょう。

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