無料の人材・職業紹介サービスを把握しよう
職業紹介事業には有料のものと無料のものとがあります。民間の就職・転職エージェントはほとんどが有料で、紹介した人材の採用が決まった際に、企業から成功報酬を受け取ることが一般的。
一方、無料職業紹介事業は職業安定法第4条2項で「職業紹介に関し、いかなる名義でも手数料または報酬を受けないで行う職業紹介事業」と定義されています。
それではどのような機関が完全無料で人材・職業紹介をしているのでしょうか。無料の人材・職業紹介を利用するメリット・デメリットと併せて見ていきましょう。
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無料の人材・職業紹事業例
無料で人材・職業サービスを提供しているのは、社会や地域の活性化や、人を育てることを目的とした機関です。機関の種類を具体的に見ていきましょう。
ハローワーク
無料の人材・職業サービスの代表格と言えばハローワークです。ハローワークは一定の労働関係法令違反があった企業や、暴力団関係者による求人を除いてすべての求人申し込みを受理しています。問題のない企業なら、申し込みをすれば必ず求人を出せるのですね。
求人情報の掲載や面接などのスケジュール調整、そして採用が決まった際にも一切お金はかかりません。ハローワークを活用した採用活動については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご参照ください。
費用を掛けずに求人広告を掲載できるハローワーク!掲載までの流れや注意事項を見てみよう
ハローワークの人材紹介を活用しよう!人材紹介会社との違いやメリット・デメリットも解説!
学校など
高校・大学・専門学校などでは、学生・生徒の就職先をあっせんしていますよね。これもれっきとした無料職業紹介事業です。
高卒採用の求人を高校に出す場合は、ハローワークを通して求人票を発行する必要があります。専門学校や大学の場合は直接就職課やキャリアセンターに申し込むのが一般的。
大学の選考など、専門的な知識を重視する場合や、若い人材が欲しい時に適した方法ではないでしょうか。
商工会議所・地方公共団体など
商工会議所や地方公共団体なども、無料職業紹介事業に取り組んでいる場合があります。たとえば福島県石川郡の玉川村では、玉川村商工会が求人求職マッチング(無料職業紹介)事業システムを展開しています。
その他地域おこし事業や移住説明会などのイベントで行う就職・転職相談なども、無料職業紹介事業に含まれます。
参照:玉川村商工会の取り組みについて/玉川村商工会ホームページ
民間企業・個人
民間企業や個人でも、厚生労働省の許可を得れば無料職業紹介事業を行うことは可能です。
民間企業や個人が利益にならない職業紹介事業をするの?と疑問に思う人も多いかもしれませんが、民間非営利団体(NPO)が活動の一環として取り組んでいることがあります。
例えばホームレスやDV被害者の自立を支援する民間非営利団体(NPO)などが、無料の即業紹介事業をしています。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
無料の人材・職業紹介サービスを利用するメリット・デメリット
無料の人材・職業紹介サービスは、使って損をすることはないでしょう。しかし、有料の人材・職業サービスと比べるとデメリットに感じられる部分もあります。
求職者と企業にとって、どのようなメリット・デメリットがあるのかをそれぞれに見ていきましょう。
求職者にとってのメリット・デメリット
ハローワークや地方公共団体などのサービスは、地域密着型の求人情報があるので地元の仕事を探しやすい点がメリットです。また、地域活性化に注力している地方公共団体などでは、特に親身になって相談に乗ってもらえるかもしれません。
その一方で、採用が決まれば企業から成功報酬を受け取れる有料の人材・職業サービスに比べると、フォローが手厚いとは言えない部分もあります。
例えば、有料の人材・職業サービスでは担当者が企業側に求職者の長所をアピールしてくれたり、面接に付き添ってくれたりということがありますが、無料でそこまでのフォローは期待できないでしょう。
また、有料の求人広告を出したり、成功報酬を支払うだけの資金がない企業や、人の入れ替わりが激しくいつも求人を出している企業など、労働環境が悪い企業の求人が混ざっていることも考えられます。
無料の無料の人材・職業紹介サービスで仕事を探す場合は、自分自身でしっかりと自己PRすることや、応募する企業を吟味することを心がけてくださいね!
企業にとってのメリット・デメリット
企業にとっていちばんのメリットは、やはり採用にコストが掛からないことでしょう。有料の求人広告や成功報酬型の人材紹介サービスを利用すれば、ひとり採用するのに最低でも数万円のコストが必要ですよね。
無料の人材・職業サービスをうまく活用すれば、そこを大きくカットできるのです。また、ハローワークや商工会議所などは管轄するエリアが限られているので、地域密着型企業の採用活動に適しています。
ただし、エリアが限定されているということは、求人をアピールできる相手も限られているということです。そして有料の人材・職業サービスのように、担当者が求職者に、がんばって企業をおすすめしてくれるといったことはないでしょう。
無料の人材・職業紹介サービスだけで人材を確保しようとするのは、効率的ではないかもしれません。また、求人の掲載回数が多すぎると、求職者から「ブラック企業なのでは?」と思われる恐れもあります。以下の記事で詳しく解説しているので、ご参照ください。
ハローワークへの掲載回数が多いとブラック企業だと思われる!その理由と対処方法は?
人材・職業紹介サービスを効果的に使うには
求職活動・採用活動の効率を高めるためには、有料と無料の人材・職業サービスを同時に活用すると良いでしょう。有料の人材・職業紹介サービスは、有料といっても、一部の職業を除けば求職者は完全無料で利用できます。
また、企業に支払いが発生するのも成功報酬型の有料人材・職業紹介であれば採用が決まった場合のみ。残念ながら不採用にした場合はお金は掛からないので、安心して何人でも面接に呼べるのではないでしょうか。
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なお、人材・職業会社の種類や選び方についての記事は、以下のページでまとめて紹介しています。