履歴書・学歴欄の「中退」。どう書けばマイナス評価を避けられる?書き方と面接時のポイントを解説

「中退した経歴を、履歴書の学歴欄に書きたくない……」、そう思う方も少なくないはずです。しかし、及び腰の求職者に、プラスの印象を抱く採用担当者はいませんよね。自分の過去に正面から向き合い、求職活動を行うことができれば、きっと結果はついてきます。まずは、履歴書の学歴欄に、中退した事実を明記するところからスタートしてみましょう。

目次

    「中退」を履歴書・学歴欄に書きたくない……

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    中退に後ろめたさを感じていれば、履歴書へ記入すべきかと迷ってしまうもの。学校を中退した事実は、必ず履歴書に記入しなければならないものなのでしょうか。履歴書学歴欄中退の扱いを、今一度確認しておきましょう。

     

    学歴詐称・経歴詐称はご法度

    採用担当者は、履歴書をもとに選考を進め、採用すべきかを判断します。つまり、履歴書は採用活動の中でも重要な位置づけになっているのです。

     

    この履歴書に正しい情報を記入しないのは、「企業を騙すこと」と同義。学歴・経歴詐称として罪に問われるリスクも生じますので、事実を隠したり、書き換えたりすることは、絶対に行ってはなりません。

     

    隠しても面接官に暴かれる

    バレるはずはない……。そんな甘い気持ちを持つ方も、少なからずいるはずです。しかし、たとえ書類選考を通過したとしても、詐称した経歴は面接の場で暴かれるのがオチです。

     

    何人もの応募者を見ている面接官は、小さな違和感を見逃しません。中退後の空白期間に不自然に感じたり、会話の中でほころびを見つけたりと、質問を重ねるごとに疑念を確信に変えていくことでしょう。

     

    また、入社後に嘘が判明すれば、最悪の場合、解雇となるケースも。企業は、卒業証書・成績証明書の提出を求めたり、卒業名簿を確認することができるということも、忘れてはなりません。

     

    記入したことで選考は不利になる?

    中退は、「どんな理由であっても、悪い印象に映るのでは?」と考えてしまうもの。

     

    事実、「卒業」よりも魅力的に映ることは考えづらいでしょう。中には、「中退」というだけで、不採用にする企業もあるかもしれません。一方で、中退の理由をしっかり述べられれば、マイナスには働かない、と考える採用担当者もいます。

     

    就職は、企業と求職者、お互いの相性が合わなければ成り立ちません。字面だけで判断する企業よりも、今の自分を見てくれる企業とのご縁を探すことに集中しましょう。

     

    履歴書・学歴欄の「中退」の書き方のポイント

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    では、どのように記入をすれば、「中退」のイメージダウンを軽減できるのでしょうか。履歴書・学歴欄の「中退」の書き方のポイントを3つご紹介します。

     

    中退は省略せず「中途退学」と記入する

    中退の正式名称は「中途退学」です。履歴書は、省略せずに記入するのが基本のルールですから、しっかりと正式名称で記入し、不要なイメージダウンの回避に努めましょう。

     

    可能な限り具体的な理由を書く

    中退の理由は人によってさまざまですが、おおよそ下記3つのいずれかに分類されるはずです。

    • 1.両親のリストラや介護など、やむを得ない事情
    • 2.スキルアップに関係する前向きな事情
    • 3.人間関係など、公にしづらい事情

    1のやむを得ない事情や、2の前向きな事情であれば、理由を記入するのに気後れすることもありませんよね。

     

    理由がセットで記入してあれば、採用担当者も中退の納得感を高めることができますので、中退理由は大枠を捉え、具体的に記入しましょう。

     

    「高認」や「大検」は必ず記入する

    高校中退後に、高等学校卒業程度認定試験(高認)、あるいは大学入学資格検定(大検)のいずれかの国家資格を取得したという方もいるはずです。

     

    高認・大検は、高校卒業同等の学力の証明になる国家資格ですので、履歴書・学歴欄に書かない手はありません。忘れずに記入しましょう。

     

    あわせて、履歴書右部の資格欄にも記入することをおすすめします。ただし、間違っても略語を使用しないよう、注意してくださいね。

     

    理由別:履歴書・学歴欄「中退」の書き方の例

    前項で、中退の理由は大きく3つに分かれるとご紹介しましたが、それぞれどのように記入をすれば採用担当者からのイメージダウンを避けられるのでしょうか。理由別の履歴書学歴欄中退の記入例をご紹介します。

     

    1.やむを得ない事情で中退した場合

    • <中退理由:経済的な事情の場合>
    •  平成XX年4月 ××県立〇〇高等学校 入学
    •  平成XX年9月 ××県立〇〇高等学校 中途退学
    •         家庭の経済的事情のため退学

    中退の記入位置は、入学の年月を記入した1つ下の行です。中退理由はさらにその1行下に、改行して記入します。

     

    「理由は具体的に」と前述しましたが、「父がリストラにあい、家計が苦しくなったため退学」などと、詳細を事細かに伝える必要はありません。客観的に、中退理由の大枠が掴めるようなイメージで記入しましょう。

     

    下記の中退理由の記入例も、ぜひ参考にしてみてください。

    • ・親の介護が必要になったため退学
    • ・健康上の理由により退学
    • ・病気療養のため退学(現在は完治しており、業務に支障なし)

     

    2.前向きな事情で中退した場合

    高校卒業後は、自分の意思で物事を決める機会が増えるため、前向きな理由から中退を選択する方も少なくありません。前向きな中退に、ネガティブな印象を受ける採用担当者は少ないもの。理由は臆せず、しっかりと明記しましょう。

     

    下記は、進路変更による中退の記入例です。

    • <中退理由:進路変更の場合>
    •  平成XX年3月 ××県立〇〇高等学校 卒業
    •  平成XX年4月 ××大学 〇〇学部 △△学科 入学
    •  平成XX年9月 ××大学 〇〇学部 △△学科 中途退学
    •         進路志望変更を決意し退学
    •  平成XX年4月 学校法人〇〇学園 △△専門学校 □□学科××コース 入学
    •  令和XX年3月 学校法人〇〇学園 △△専門学校 □□学科××コース 卒業

    また、大学に編入した場合は、採用担当者に不用意なマイナスイメージを与えないよう、下記のように中途退学の記入を省略する方も多いようです。

    • <中退理由:大学の編入の場合>
    •  平成XX年3月 ××県立〇〇高等学校 卒業
    •  平成XX年4月 〇〇大学 △△学部□□学科 入学
    •  平成XX年4月 ××大学 〇〇学部 △△学科 編入学
    •  令和XX年3月 ××大学 〇〇学部 △△学科 卒業

    「中途退学」と明記するのは決して間違いではありませんが、誤解を招かないために、未記入にしておくのが良いかもしれません。転入の場合は、「転入学」と記入しましょう。

     

    下記の中退理由の記入例も、ぜひ参考にしてみてください。

    • ・大学では習得できない専門的な知識を得るため退学
    • ・専門学校では習得できない幅広い知識を得るため退学
    • ・”海外の国名” 〇〇大学で△△を専攻するため退学
    •  (次行では、海外の大学へ入学した旨を記入)

     

    3.公にしづらい事情で中退した場合

    中退をした方の中には、辞める以外の選択肢がなかったとは言え、どこか後ろめたさがあるという方も少なくないはずです。そんな方は、無理に中退理由を明記せず、「学校名+中途退学」で学歴欄を終えることをおすすめします。

     

    ただし、前述の通り「高認」や「大検」を取得しているのであれば、取得年月は必ず記入するようにしてくださいね。下記の例も、参考にしてみてください。

    • <中退理由:未記入・高認取得の場合>
    • 平成XX年4月 〇〇高等学校 普通科 入学
    • 平成XX年9月 〇〇高等学校 普通科 中途退学
    • 平成XX年3月 高等学校卒業程度認定試験 合格

     

    履歴書・学歴欄「中退」の面接対策

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    中退の理由は、面接時に必ず聞かれると思っておいて損はありません。履歴書・学歴欄に中退を記入した方の、面接対策を簡単にご紹介します。

     

    やむを得ない事情・ポジティブな事情は堂々と

    理由を明記できるような、やむを得ない事情・ポジティブな事情での中退であれば、面接官の目を見ながら、ハキハキと受け答えをすればマイナス評価になることは少ないでしょう。

     

    中退理由が、採用のネックになりそうな「親の介護」や「病気療養」であれば、現状を正しく伝えれば、ミスマッチを最小限にすることができるはずです。

     

    言いづらい事情は中退後の学びや行動を話す

    中退したことを後悔している方や、いじめなどが原因で中退に至った方であれば、面接時、中退後の学びや、具体的な行動を話すようにしましょう。

     

    ポイントは、「自分にも非はあった」と考えているように伝えること。「仕方がなかった」「学校のせいだ」などと口にしては、性格に難ありという評価をされかねません。

     

    中退理由が明記されていなければ、マイナススタートになることが大半です。マイナス評価に拍車をかけることのないよう、過去の自分の弱さ・甘さを認めたうえで、資格取得をはじめとした改善行動を、堂々と話せるようにしておきましょう。

     

    「留年」「浪人」も履歴書・学歴欄に書くべき?

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    中退は、履歴書に必ず記入すべき学歴ですが、留年や浪人も記入した方が良いのでしょうか。答えは、NOです。

     

    留年・浪人は、入学年月と卒業年月が正しく記入されていれば、採用担当者自身で導き出すことができます。よって、あえて明記し、留年・浪人の印象を強く残す必要はありません。

     

    その他、気になる方が多いであろう学歴の記入の要否をまとめましたので、ぜひチェックしてみてください。

    • <記入すべき項目>
    • ・休学:理由と合わせて記入
    • ・転校:“転入学”と記入
    • ・編入:“編入学”と記入
    • ・大学留学(1年以上の経験):留学期間、留学先の国名、正式な学校名・専攻を記入
    • ・交換留学(1年以上の経験):留学期間、留学先の国名、正式な学校名・専攻を記入
    • <記入する必要のない項目>
    • ・留年:無理に記入する必要なし
    • ・浪人:無理に記入する必要なし
    • ・語学留学:学位として認められていないため、記入の必要なし

    「語学留学」は、一見プラスの学歴に捉えられそうなものですが、「研修」に分類されるため、学歴欄への記入はふさわしくないとされています。

     

    中退理由として述べることもできますが、「学歴欄に書くのは非常識!」と考える採用担当者がいないとも限りませんので、中退理由としては明記せず、「自己PR欄」で補足するのが無難でしょう。

    履歴書・学歴欄の「中退」に恐れない求職活動を!

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    履歴書学歴欄に「中途退学」の文字があるだけで、自分自身の市場価値が下がったように感じる方もいるかもしれません。

     

    しかし、いくら悔やんでも過去は変えられないもの。ネガティブな心持ちで求職活動に臨んでは、採用は遠のくばかりです。

     

    前向きな姿勢を見せれば、きっと採用担当者は魅力を感じてくれるはずですので、今の自分に自信を持ち、物怖じしない求職活動を行ってみてはいかがでしょうか。

     

     

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