飲食店を含む接客業でのインバウンド対策が急務
新型コロナウイルス感染症の流行も落ち着き、日本へ観光に訪れる外国人観光客は徐々にコロナ禍前の水準へと戻りつつあります。
実際に、日本政府観光局が公表した2024年1月の訪日外国人観光客数は268万8100人にものぼるそうです。
コロナ禍前である2019年同月の訪日外国人観光客数が268万9339人であったことを考えると、ほぼ同等の数値であることが見て取れるでしょう。
これだけ日本を訪れる外国人が多いとなると、接客の仕事をするうえで外国人観光客に対応する場面も増えてきていることが考えられます。
今後もますます外国人観光客が増加することが見込まれるため、接客業でのインバウンド対策が急務です。
また、外国人観光客にとって、日本に旅行に訪れる目的として特に多いのが日本の食事を楽しむことなのだそう。
このような状況もあり、最近は多くの飲食店で英語メニューを用意していたり、多言語に対応したタブレットで注文を取るシステムを採用していたりするところも少なくないようです。
とはいえ、接客をするうえで英語メニューやタブレットを用意するだけでは心もとないため、ある程度の接客英語は話せるようになっておいたほうがよいでしょう。
出典:訪日外客数(2024 年 1 月推計値)/日本政府観光局
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飲食店の接客英語:入店時のやりとり編
飲食店に訪れた外国人観光客をもてなすためにも、まずは入店時のやりとりから確認しておきましょう。
いらっしゃいませ
- Hello.
- Good afternoon.
- Good evening.
日本では接客をする際は「いらっしゃいませ」という言葉から始まりますが、海外ではその習慣がありません。
そのため、入店時には「こんにちは」や「こんばんは」を意味する気軽な挨拶から始まるのが一般的です。
何名様ですか?
- How many?
- How many in your party?
お客様に何人なのかを尋ねる場合は、上記の2パターンの聞き方があります。また、「party」の代わりに「group」という単語を使用しても問題ありません。
喫煙席と禁煙席、どちらがよいですか?
- Would you like smoking or non-smoking?
喫煙席と禁煙席の両方の席がある飲食店の場合は、入店時にしっかりと確認を取るようにしましょう。
こちらへどうぞ
- Follow me, please.
- Right this way, please.
お客様を席まで案内するときに使う言葉です。
申し訳ございません。ただいま満席です
- I’m sorry, we are full now.
満席であることを丁寧に表現する言葉です。「we are full」のみでも、満席だということは充分伝わります。
待ち時間は15分程度です
- It’s going to be about 15 minutes wait.
満席のときにどれくらいの待ち時間が必要なのかを伝える言葉です。
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飲食店の接客英語:注文編
お客様を席まで案内することができたら、次はいよいよ注文です。
ご注文はお決まりですか?
- Are you ready to order?
- May I take your order?
- Can I take your order?
「Can I ~」は比較的カジュアルな表現となりますので、接客をするときはフォーマルな表現となる「May I ~」のほうがよいかもしれません。
お飲み物は何になさいますか?
- Would you like something to drink?
- What would you like to drink?
注文を受ける際に飲み物について尋ねるときに使える言葉です。丁寧な表現なのでフォーマルな場面でも重宝します。
ご注文は以上でよろしいでしょうか?
- Is that everything for now?
他に何かあるかを尋ねる「Would you like anything else?」を付け加えると、より丁寧な表現となるでしょう。
ご注文を確認させていただきます
- Let me confirm your order.
- Please let me repeat the order.
注文された料理やドリンクを確認する際に使う言葉です。
申し訳ございません。そちらは売り切れてしまいました
- I’m sorry. We are all out of that.
注文された料理やドリンクがすでに売り切れてしまったときに使います。
飲食店の接客英語:料理の提供編
注文を受けた料理を、お客様に提供する際に使える言葉を確認しておきましょう。
こちらがご注文のハンバーガーです
- Here’s your hamburger.
「Here’s your ~」のあとはお客様が注文した料理名が入ります。例としてハンバーガーを挙げましたが、提供する際はそれぞれの料理名を英語で伝えるようにしましょう。
お待たせして申し訳ございません。ご注文のお食事はすぐにお持ちします
- I’m sorry for the delay. Your food will be right out.
- I apologize for the wait. I’ll bring it right away.
料理を提供する際に、提供までに時間がかかってしまった場合に使う言葉です。謝罪とともにすぐに持ってくることを伝えるようにしましょう。
ごゆっくりどうぞ
- Enjoy your meal.
- Please enjoy your meal.
「Enjoy your meal.」でも充分伝わりますが、より丁寧な表現にしたい場合は「Please」をつけるとよいでしょう。
空いたお皿をお下げしてもよろしいでしょうか?
- May I take away your empty plate?
- Would you like me to remove your finished plate?
どちらも、お客様が食べ終わったお皿を片付ける許可を求める言葉です。
飲食店の接客英語:会計・お見送り編
食事が済んだら最後は会計です。ここでは、会計からお見送りまでの接客英語を確認しておきましょう。
お会計はご一緒ですか、別々ですか?
- Would you like to pay all together or separately?
お客様が複数名で来店されている場合は、会計を一緒にするか、別々にするかを確認しましょう。
全部で5200円です
- That’s 5,200 yen all together.
「That’s ~」のあとはお客様が注文した料理の金額が入ります。実際の金額はそれぞれで異なるので、お客様の金額に合わせた数字をお伝えしてください。
お会計は現金ですか、クレジットカードですか?
- Would you like to pay by cash or credit card?
お会計を現金にするのか、クレジットカードにするのかを尋ねる際に使える言葉です。最近はキャッシュレス決済として、電子マネーも主流となりつつあります。
電子マネーも使用できる飲食店の場合は、「electronic money」を選択肢に加えるのもよいでしょう。
こちらにサインをお願いします
- Sign here, please.
お会計にクレジットカード決済を使用する場合は、サインを求めることがあります。サインを必須とする飲食店の場合は、覚えておくようにしましょう。
お釣りとレシートでございます
- Here’s your change and receipt.
お客様にお釣りとレシートを手渡す際に使える言葉です。
ご来店ありがとうございました
- Thank you. Have a good day.
- Thank you. Have a good night.
ご来店ありがとうございましたという気持ちを伝える言葉です。「Have a good ~」のあとは時間帯に合わせて変更するようにしましょう。
以下の記事では、レストランサービスの接客英語を紹介していますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
飲食店に訪れた外国人のお客様を接客英語でおもてなししよう
今回は飲食店に訪れた外国人のお客様をおもてなしする接客英語を、シチュエーション別に紹介しました。
基本的な接客英語だけでも知っておくと、突然外国人のお客様が来店したとしても慌てることなく対応ができるでしょう。
飲食店の接客英語は街中にある飲食店だけではなく、ホテルや旅館に滞在し、館内のレストランを利用する外国人のお客様を接客する際にも使えるものばかりです。食事を提供する職場で働いている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
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