レストランのテーブルマナーは料理のジャンルによって異なる
一口に料理と言っても、日本料理やフランス料理、韓国料理などとジャンルはさまざまです。
料理によって使用する食器や調理器具が違えば、テーブルマナーも異なります。
では、各々の料理におけるレストランのテーブルマナーには、どのような作法があるのでしょうか?
この記事では、日本料理と西洋料理のマナーについて解説しますので、参考にしてくださいね。
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【日本料理】レストランのテーブルマナー
まずは、日本料理を楽しむために気をつけたいテーブルマナーについて見ていきましょう。
和室の座り方
和室の席では、出入口から遠い席が上座、近い席が下座です。目上の方がいるときには上座に座らないように注意しましょう。
座り方は基本的に正座です。
常に正座をしていると足を痛めてしまいますので、乾杯した後、食事がスタートしたら崩しても構いません。
食べる順番
和食を食べるときは、汁物から食べ始めます。
汁物に箸をつけることで、後で食べる料理が箸につきにくくなるためです。
料理が並べられているときは、左から右、手前から奥といった順番で食べていきます。
また、日本料理のマナーでは、特定の一品をずっと食べ続けるのではなく、汁物とご飯を交互に口をつけていくなどといった食べ方が好ましいとされているようです。
箸の使い方
箸で食べることは、日本料理の特徴のひとつです。
箸の正しい持ち方・適切な使い方をきちんと身につけておきましょう。
【箸の持ち方】
- ①右手で箸を取る(箸の右側をつかみ、指をそろえて取ります)
- ②左手で持ち上げた箸を下から添える
- ③右手を後ろ側に添えて、箸を正しく持ち変える
【箸の置き方】
箸を置くときは、持つときと逆の順番で置きます。
- ①箸の後方に両手を添える
- ②右手を前にもってきて、つかむように持つ
- ③左手を抜いて、静かに箸置きへ戻す
使い終えた箸は、きちんと箸袋に戻しましょう。箸置きがないときは、箸袋を折ったり折敷の端に置いたりすればOKです。
箸のNGな使い方については、本記事の後半で紹介します。
食器の使い方
小鉢やお椀などの汁気が多いものは、お皿を持ち上げながら食べましょう。
反対に、平皿に乗っている料理はお皿を持ち上げるなどせず、そのままにして食べます。
お吸い物の蓋は、お椀の外側に置いてください。蓋を取るときは、目上の方が取るまで待ちます。
【蓋を取る手順】
- ①左手をお椀に添えて、右手で蓋を持ち上げる(半月を描くように開ける)
- ②蓋を横にして汁がたれきるまで待つ
- ③蓋を裏返して左手の上に置く
- ④お椀が右にあるときは右奥、左にある場合は左奥に置く
食べ終わったら蓋をかぶせます。蓋を戻すタイミングはいつでもOKです。
料理の食べ方
【お造り】
お造りでは刺身が並べられていますが、左から順番もしくは淡白なもの(白身魚)から手をつけていきます。
わさびは醤油にといて使いません。刺身にわさびをのせてから醤油につけて食べましょう。
【焼き魚】
焼き魚は大きさによって食べ方が異なります。
■小さい魚
- ①頭と尾を持って魚を立てる
- ②頭を持ちながら、箸を横にして側面で何カ所か上から身に圧をかける
- ③頭を持って横に引き抜く
身に圧をかけることで、身離れしやすいようにしてから骨を抜くことを覚えておきましょう。
■大きい魚
- ①表面の上部分を左から右に向かって食べる
- ②表面の下部分を左から右に向かって食べる
- ③裏側の身と骨の間に箸を入れて骨を取る
- ④裏側の身も同じように上半分を左から右、下半分を左から右に食べる
料理に手をつけることに引け目を感じるかもしれませんが、魚の頭や海老の殻、貝料理などは手を使ってもOKです。
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【西洋料理】レストランのテーブルマナー
続いて、西洋料理レストランでのテーブルマナーを学んでいきましょう。
注文の取り方
西洋料理の注文で注意したいのは、飲み物を頼むときです。
西洋料理は基本的にワインを飲み物とします。
ワインについて詳しくない場合は、「飲む量」と「予算」を伝えることでソムリエがその範囲内で料理に合うものを選んでくれるようです。
食事中、サービススタッフが飲み物を注ぎにきますが、断りたいときはグラスに軽く手をかざします。
追加でもらいたいときは、空のグラスを持って目配せしましょう。
ナイフ・フォークの使い方
カトラリー類は外側から順番に使います。
間違ってカトラリーを手に取っても、慌てて戻すなどしないように気をつけてください。
間違って持ってしまったとしても、レストランのスタッフが不要なものを下げて、必要なものを後から持ってきてくれます。
食べ終えたときは、ナイフ・フォークは時計の4時の方向でお皿の上に置きましょう。
ハの字でナイフ・フォークを置くのは「まだ食べています」のサインです。いずれの場合でも、ナイフの刃は必ず内側に向けます。
ナプキンの使い方
ナプキンは二つ折りにし、折り目を自分側に向けて膝に置きます。首元に下げてはいけません。
ナプキンで口を拭くときは、ナプキンの端を持って汚れが見えないように内側(中側)で口元を拭いてください。
ちなみに、グラスに口をつける前にナプキンで口元を拭うこともマナーです。これは油脂がグラスにつかないようにするためにおこないます。
帰るときは、ナプキンを簡単に折りたたんでテーブルに置いておきましょう。
意外とやりがち?レストランのNGテーブルマナー
この項目ではレストランのNGマナーを紹介します。
意外とやってしまっている方も多いと思われますので、一通りチェックしてくださいね。
日本料理のNGマナー
■NGな箸の使い方
- ・移り箸(箸を一度つけた料理を取らずに別の料理につける)
- ・迷い箸(箸をあちこちに動かす)
- ・渡し箸(食器の上に箸を置く)
- ・探り箸(料理を探るようにかき混ぜる)
- ・寄せ箸(箸で食器を手前に移動させる)
- ・涙箸(汁をたらしながら食べる)
- ・ねぶり箸(箸についた食べ物を口でなめて取る)
■その他のNGマナー
- ・おしぼりで顔をふく
- ・串物をまとめて外したり、直接食べたりする(一個ずつ引き抜いて食べるのが正解)
- ・焼き魚をひっくり返す
- ・音を立てて食べる(麺類・味噌汁・お茶を除く)
- ・テーブルに肘をつける
- ・食器を雑に扱う
西洋料理のNGマナー
- ・お皿や器を持ち上げて食べる(基本NG)
- ・むやみにお皿を移動する
- ・グラスを飲んだ後、元の位置に戻さない
- ・食べ物にかぶりつく(口の中に入るサイズに切り分けてから食べるのが正解)
- ・音を立てる
- ・食べ残しをお皿の隅によせない(残り物は隅に寄せるのが正解)
- ・食事中に席を立つ(席を立ちたいときは、料理と料理の間やデザートの前にする)
- ・携帯を見る
- ・麺類をナイフとフォークを使って食べる(フォークのみで食べるのが正解)
正しいテーブルマナーで食事を楽しもう
接待や会社の宴会などをきっかけに、レストランで食事を取る方は多いでしょう。
テーブルマナーひとつでも、与える印象は変わるものです。
周りの方々に不快な思いをさせないためにも、正しいテーブルマナーを身につけて食事を楽しみましょう。