メールによるお客様対応をスムーズに進めよう
質問や意見があるときや苦情を聞いてほしいとき、お客様はメールで問い合わせしてくる場合があります。
電話はつながりにくかったり、電話窓口が空いている時間帯は自分も仕事をしていたりといった理由で、メールでの問い合わせを好む人は少なくありません。
また、電話対応による従業員の負担を軽減するために、電話での問い合わせを受け付けていない企業も存在しています。
お客様に接する機会がある仕事をしているのなら、メールで正しくお客様対応するポイントを把握しておきたいところ。
この記事ではメールによるお客様対応で守るべきポイントや起こりやすいミスについて解説します。スムーズにお客様対応を進めるための参考にしてくださいね。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
メールでお客様対応する際のポイント3選
メールでの対応において、お客様に不快感を与えず、スムーズに対応するためにはいくつかのポイントがあります。詳しく見ていきましょう。
返信は素早く
メールや問い合わせフォームから問い合わせをしたお客様は「返信はまだかな」とソワソワしているもの。また、自分の問い合わせが届いているか、入力した返信先を間違わなかったか、といった不安も抱えています。
落ち着かない気持ちのままでお客様を放置しないためには、当日〜翌営業日以内の1次対応が望ましいでしょう。回答までに時間が掛かる場合でも、問い合わせを受け付けた旨は素早く知らせましょう。
問い合わせ先と併せて回答までに掛かる時間の目安を掲載したり、問い合わせを受け付けた旨を自動送信するシステムを導入したりすることもおすすめです。
ビジネスメールのマナーを守る
お客様に送るメールは、当然ながらビジネスメールです。ビジネスメールのマナーを守り、お客様対応にふさわしい文章で作成しましょう。
ビジネスメールは宛名や署名の位置にルールがあります。また、タイトルはひと目で要件が分かるようにすることも重要。
メール問い合わせを受けた場合はもとのタイトルに「Re」を付ける、問い合わせフォームからの場合は「株式会社○○ お問い合わせの件につきまして」といったタイトルにすると良いでしょう。
以下は就活生向けの記事ですが、ビジネスメールの基本ルールについて解説しています。併せてご一読ください。
分かりやすく柔らかい表現を使う
メールは文章だけのやりとりのため、冷たい印象を与えがちです。感謝やお詫びの言葉を適切に使い、クッション言葉も挟んでソフトに仕上げましょう。
専門用語や社内用語の他、一般的に使われていない言葉を控え、難しい漢字はあえてひらがなにするなど、分かりやすさを意識してくださいね。
さらに、最近はパソコンよりもスマートフォンでメールチェックする人が増えているため、1行が長くなり過ぎないようにするなど、読みやすさも考えましょう。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
メールによるお客様対応で起こりがちなミス
メールのやりとりは証拠に残るものです。適切に対応しなければ1人のお客様を失うばかりか、ネットにさらされて大炎上したりするかもしれないので要注意。メールでのお客様対応で起こりがちなミスを見ていきましょう。
個人情報・機密情報の流出
個人情報や機密情報の流出は、最もあってはならないミスです。
送信先の誤りでお客様の氏名や連絡先を漏らしてしまったり、添付ファイルの選択ミスで機密情報を送ってしまったりしては、取り返しがつかなくなるかもしれません。
返信の遅れや漏れ
問い合わせをしてから応答があるまでの時間が長ければ長いほど、お客様の不安・不満が募ります。先述の通り、一次対応は遅くとも翌営業日中に済ませましょう。
部署の全員が「これは自分の仕事ではない」と判断した結果、お客様を放置することにならないように、役割分担を明確にしておくことも重要です。
また、返信したつもりでも、システムの不具合などでメールが送れていないこともあります。送信後には、エラーで戻ってきたりしていないか、きちんと確認してくださいね。
重複対応
返信済みのメールに再度返信したり、複数の担当者が別々に対応したりといったことも避ける必要があります。お客様を混乱させ、話がややこしくなる元なので注意しましょう。
このミスを防ぐためにも、やはり日頃から役割分担を明確にすることが重要。また、企業向けのメール管理ツールを活用することもおすすめです。
誤字・脱字
誤字・脱字は恥ずかしい間違いです。特に注意したいのは、お客様の名前。
- 「斉藤」「斎藤」「齊藤」
- 「高橋」「髙橋」「喬橋」
- 「猪又」「猪股」「猪俣」
- 「島田」「嶋田」「嶌田」
- 「渡辺」「渡部」「渡邉」「渡邊」
このように、漢字の種類が多い名前には注意しましょう。単なる変換ミスであっても、間違われた方は非常に不愉快な気持ちになります。
また、別のお客様への回答をコピー&ペーストで使いまわして、名前を変えることを忘れるといった、個人情報流出のリスクもあるので名前の取扱いには細心の注意を払ってくださいね。
回答が不適格
お客様からの問い合わせを流し読みしたり、言っていることをよく理解しないまま返信したりすると、お客様が聞きたかったことに対する的確な回答ができません。
当然のことですが、問い合わせ内容をよく読み、理解することが重要です。もし、問い合わせの内容が不明瞭であれば、該当する部分を引用し「これは○○というご質問でよろしいでしょうか。」と返信し、確認が取れてから回答しましょう。
メールによるお客様対応の例文を見てみよう
ここまでの内容をふまえて、ビジネスメールのルールに沿った適切な対応の例文を見てみましょう。ホテルの宿泊予約に関する問い合わせです。
お客様からの問い合わせ
「宿泊予約につきまして(タイトル)」
こんにちは。〇月〇日に2名でダブルルームを予約したおもてなし 花子です。一緒に行くはずだった人の都合が合わなくなり、1名で行くことになったのですが、予約の変更はどのようにすれば良いでしょうか。また、料金はいくらになりますか。よろしくお願いします。
ホテルからの回答
「Re:宿泊予約につきまして(タイトル)」
おもてなし 花子様
お世話になっております。いつも当ホテルをお引き立ていただき、ありがとうございます。
お問い合わせいただいた、ご宿泊様の人数変更について回答いたします。現在、ご予約いただいているダブルルームを、2名様でのご宿泊から1名様へのご宿泊にご変更される場合は、1泊12000円(税込み)でございます。
また、1名様でのご宿泊ということなので、シングルルームにご変更される場合は1泊9000円(税込み)でご利用いただけます。
ご予約変更の方法につきましては、弊社の宿泊予約サイト(https://www.omotenashi××△△.co.jp)にて、現在の予約をキャンセルして取り直していただくか、カスタマーセンター(0120ー○○○ー×××)までご連絡いただければと存じます。
ご予約日の前日までにご変更いただければ、キャンセル料などは発生しませんので、お手数ですが、何卒よろしくお願いいたします。
他にもご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せくださいませ。〇〇様のご来館を、スタッフ一同心よりお待ちしております。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
株式会社おもてなしホテル 支配人代理 おもてなし 太郎
〒○○○‐××× 東京都○○区××町△-□ おもてなしホテル○○支店
電話 03-○○○-××× / FAX 03-×××-△△△
メール omotenashi@×××.or.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
メールのマナーを守って気持ちの良い対応をしよう!
メールは文字だけのコミュニケーションですが、ポイントを押さえれば温かみのあるお客様対応ができるはずです。今回の記事を参考に、ホスピタリティに溢れたメール対応を目指してくださいね。
なお、ホテルや旅館の仕事を探す際には、おもてなしHRにご相談ください。