東京都民限定の旅行補助制度をおさらいしよう
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、他の地域よりもGoToトラベルキャンペーンが2カ月遅れで開始された東京都。その埋め合わせとして、都民限定の都内旅行制度「もっと楽しもう!TokyoTokyo」(略称:もっと Tokyo)が実施されました。
GoToトラベルキャンペーンと併用すれば非常にリーズナブルな旅行ができるということでしたが、残念ながらそのいきさつは芳しくなかった模様です。
制度の内容や混乱が起きた背景、東京都民の期待を振り返り、今後の適切な対応を考えてみましょう。
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もっとTokyoはどういった旅行補助制度だったのか
まずはもっとTokyoの概要や、支援の内容がどのようなものだったのかを見ていきましょう。
もっとTokyoは、東京都民を対象とした都内旅行の支援制度です。2020年10月23日~2021年3月31日までの間に、東京都民が島しょ地域を含む都内を旅行する場合、宿泊費などの補助が受けられるというものでした。
宿泊旅行は1名1泊あたり5000円(上限5泊)、日帰り旅行は1名1回あたり2500円の定額助成。利用回数の制限はありませんが、同行者に1名でも東京都以外の人が居る場合は助成の対象外としていました。
また、6泊以上の宿泊は5日目までが対象になる、というカウントではなく、1日目から完全に対象外。新型コロナウイルスの感染拡大を押さえこみながら、都内旅行を促進するために条件を厳しく定めたのではないでしょうか。
もっとTokyoは、GoToトラベルキャンペーンと併用できるということがポイント。併用の条件は割引前の金額が宿泊旅行の場合は1名1泊9000円以上、日帰り旅行の場合は1名1回4500円以上であることです。この条件をクリアすれば、1泊あたりの自己負担額が850円からという、非常にお得な旅行ができたのですね。
参照:もっとTokyoについて/もっと楽しもう!TokyoTokyoホームページ
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東京都民限定の旅行補助制度は混乱続きだった?
通常では考えられないほどの少ない出費で旅行ができるということで、東京都民のみなさんはもっとTokyo・GoToトラベルキャンペーンには大きな期待を寄せていたのではないでしょうか。
しかし、いざ始まってみると各所で混乱が続き、活用できなかった都民も少なからず居た様子。どのような混乱があったのかを見ていきましょう。
ホテル・旅館で準備が間に合わなかった
もっとTokyoを適用したの旅行の予約は、2020年10月23日14時からのスタートでした。しかし、対象の事業者が一斉に受付を始めるのではなく、準備ができたところから順次受付を始めるという方式で、混乱を招きました。
中には11月に入っても予約受付を開始できない事業者もあり、目当ての旅行を予約するためにソワソワした日々を送った都民も多かったのではないでしょうか。
また、早急な準備が困難な中小規模の事業者もある中で足並みをそろえないのは不公平だったのではないかという声も上がっています。
受付開始日から予約が殺到
なかなか準備が追いつかない事業者も多かった一方で、大手宿泊予約サイトでは予約開始後1時間でもっとTokyo適用のプランが完売したところもあったそう。
また、アクセスが集中したためサーバーがダウンするなどのトラブルも頻発していた模様です。
新型コロナウイルスの感染拡大
晴れて東京都もGoToキャンペーンの対象地域となり、もっとTokyoが発足されてさぁこれからだ!という時期に、ふたたび新型コロナウイルスの感染拡大が認められました。これを受け、2020年11月25日にもっとTokyo適用プランの新規販売は一時停止。
さらに、GoToトラベルが全国一斉で停止になったことを受け、2020年12月18日~2021年3月31日までに出発する旅行も停止延長が決まりました。
もっとTokyoの対象期間はもともと2021年3月31日までだったため、停止延長になったまま、ひっそりと終わりを迎えることになったのです。
東京都民が期待していた都内旅行とは?
東京都民限定の旅行補助制度はさまざまな混乱に見舞われて、スムーズには進みませんでした。しかし、もっとTokyo・GoToトラベルキャンペーンが発表された直後には人々の旅行に対する意欲が高まりましたよね。
どのような旅行が望まれていたのかを把握して、次のチャンスに備えましょう。
島しょ地域への旅行
八丈島や大島、神津島など、東京都には数々の美しい離島があります。同じ都内でありながら、船や飛行機で長旅が楽しめるため、もっとTokyo・GoToトラベルキャンペーンを活用して島しょ地域への旅行を考えていた人は多いでしょう。
また、東京都内の島しょ地域で使えるプレミアム付き旅行商品券「しまぽ通過」も販売されるなど、受け入れ側も積極的でした。
高級ホテルに宿泊
もっとTokyo・GoToトラベルキャンペーンでは、高級ホテルが特に人気を集めていたそうです。宿泊費の自己負担が少なくて済むため、ふだんはなかなか泊まれないホテルに泊まってみようということですね。
高級ホテルにとっても、客層を広げるチャンスだったのではないでしょうか。
とにかく安い旅行
東京都内には見どころがたくさんありますよね。近場でも安く気分転換したい!という需要も大きかったはずです。
都心部にある天然温泉付きのビジネスホテルや、美しい夜景を楽しめるシティホテルで、気楽な格安旅行を楽しみたいという人も居たでしょう。
旅行支援キャンペーンの発足・再開に備えよう
2021年6月時点では、もっとTokyoも第2弾があるのかどうかは不明です。GoToトラベルも再開のめどは立っていません。しかし、次にこのような旅行補助制度が実施されたとき、準備不足で集客のチャンスを逃したくはありませんよね。
特に、東京都は大きな観光市場。巡ってきたチャンスを逃さないためには、常日頃からの業務効率化や円滑なオペレーションが重要です。
また、宿泊客の急増に対応できるだけの従業員を確保しておくことも必要不可欠です。ホテル・旅館の従業員を増やしたい、経験者が欲しいという時には、わたしたちおもてなしHRが力になります。おもてなしHRは、宿泊業界に特化した採用支援サービスです。
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なお、政府や自治体による旅行の補助制度については以下の記事でまとめて紹介しています。併せてご参照ください。