新卒入社半年以内に辞めることはできる?
結論から言えば、入社半年を待たずして退職することは可能です。これは、労働者の意志による退職は原則自由であることが労働基準法によって定められているからです。もちろん、研修期間であっても適応されます。
ただし、「退職者は原則、退職予定日の2週間前までに辞意の申し出を行う必要がある」という民法の定めには注意が必要です。
やむを得ない事情かつ会社と本人の合意があれば2週間以内でも退職することは可能ですが、このケースはイレギュラー。退職のルールも、企業によって大きく異なりますので、退職をしようと考えている新卒はまず、就業規則や退職ルールの確認を行いましょう。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
新卒が入社半年以内に辞める・辞めた理由
実際に、入社半年以内に辞める新卒は一定数存在しますが、どんな理由から入社数カ月で辞める選択に至ったのでしょうか。短い社歴で辞めた新卒の中で目立った退職理由をご紹介します。
職場の人間関係が悪い
人間関係にうんざりした、という理由で退職を決める新卒は少なくありません。
特に新卒であれば、パワハラ・モラハラ・セクハラ気質の上司や、お局様からの新人いびりに悩まされる人は多いのだとか。馬の合わない同期や、質問を気軽にできない職場の雰囲気もまた、退職の決め手になりやすいようです。
やりたい仕事ができない
事前情報とは違う仕事を任される、雑用係と化している、アナログの仕事が多すぎる。このように「思っていた仕事ができない!」という理由から、退職に至る新卒もいます。
新卒研修で違和感を感じた
短期間で退職をした新卒の中には、入社1週間~2週間程度の新卒研修に違和感を感じ、早めに見切りをつけたという人もいました。
例を挙げると、「学生気分が抜けていない!」などの怒号が飛び交っていた、連帯感を高めるという名目で軍隊のように数10kmも歩かされた、研修中に携帯電話を取り上げられたといった、いずれも極端な研修であることがわかります。
想像を超えた研修を経験すれば、「この会社で仕事を続けられるだろうか……」と尻込んでしまうのも無理はありません。
その他の退職理由
その他、下記のような理由から早期退職に至ったという新卒もいました。
- ・体力的/精神的に持たないと感じた
- ・給料が低い
- ・残業が多い
- ・サービス残業が当たり前
- ・会社/業界に将来性が見えない
- ・他にやりたいことが見つかった
辞めたいと思う理由は人によってさまざまですが、自分1人ではどうにもならない理由から退職に至る新卒は少なくないようです。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
新卒が入社半年以内で辞めるリスク
新卒が入社半年以内に辞めることは可能であり、実際に退職をした新卒もいるとご紹介しましたが、考えなしに辞めればきっと後悔するハメになります。あらかじめ、入社半年以内で辞めるリスクを押さえておきましょう。
- ・すぐ辞める人材だと疑われる
- ・新卒よりも良い条件の求人に出会える確率が下がる
- ・逃げ癖がつく
特に覚えておいていただきたいのは、転職活動の難易度が上がるということ。多くの採用担当者からは、「ストレス耐性がない」「就活をまともに行わなかった」「またすぐ逃げ出してしまうのでは?」などの厳しい評価が下されます。
半年程度で会社・仕事の全てを把握することは不可能です。点だけで今の会社・仕事を評価していないかを今一度見つめ直してみても良いかもしれません。
新卒が入社半年以内で辞めるメリット
もちろん、半年以内に辞めるメリットもあります。下記は早期に退職をするメリットです。
- ・肉体的/精神的ストレスから開放される
- ・無駄と思っている時間をなくすことができる
- ・良い労働条件下で働くことができる可能性も
仕事をする上で重要なのはストレスです。仕事をする以上は誰しも一定のストレスがかかるものですが、許容範囲を超えたストレスが溜まる職場では長く働き続けることはできません。
ただ、新卒は今の職場のストレスレベルが高いのか・低いのかの判断基準を持っていないもの。判断材料のひとつとして、自分自身をよく知っている家族・友人に「この職場で働き続けられると思うか」と意見を聞いてみるのもひとつの手でしょう。
入社半年で辞める・辞めたいと思った新卒がすべきこと
「もう辞めたい、でも本当に辞めて良いのだろうか……」と退職に悩む新卒は、どのような行動を取るべきなのでしょうか。入社半年以内で辞めたいと思った新卒が、辞めるべきか・続けるべきかを正しく判断するためにおすすめの行動をご紹介します。
辞めたい理由を整理する
まずは、「なぜ辞めたいのか」「どこにストレスを感じるか」などの辞めたい理由をできるだけ具体的にして整理しましょう。
人間関係に悩んでいるのであれば、上司個人の発言が嫌なのか、職場全体の雰囲気が苦手なのかでも解決策は異なります。同時に、「どういう状態なら続けられるのか」も考えてみましょう。
状況を変わるような行動を起こす
辞めたい理由の整理ができたら、解決策を考えます。
上司の発言が嫌なのであれば、上司に直接「言い方がキツイ」と伝える、人事部などに相談するなどの解決策が考えられるでしょう。
ただし、「解決は不可能」と思い込んでしまっている問題も少なからずあるはず。1人で抱え込まず、親しい上司や先輩、会社以外の人に相談してから退職の判断をしても遅くありません。インターネットで似た境遇の方が取った対処法を検索してみるのもおすすめです。
行動を起こしても会社に改善する姿勢が見られなければ、その会社に居続けるのは時間の無駄です。たとえ入社半年以内であっても、辞めてしまって問題ありません。
ベストな辞め方を考えておく
辞める決意が固まったら、どんな辞め方をするのかを考えます。転職先を決めてから退職を申し出るのがベストですが、退職後に集中して転職活動を行いたいという方は先に退職をしてしまって構いません。できるだけ円満に退職できるような辞め方を考えましょう。
「今すぐにでも辞めたい!」と思っている新卒は、上司への話し方を決めておくのが重要です。喧嘩別れのような退職は、社会人であれば避けたいところ。下記記事もきっと参考になるはずですよ。
転職活動を行う
最もスムーズに退職できるのは、転職先から内定をもらったことを理由に退職を申し出ることです。転職日が決まっているのであれば、上司も止めようがありません。
口外しなければ転職活動が職場でバレることはありませんので、まずは転職サイト・転職エージェントへの登録を進めましょう。特に、すぐにでも辞めたいと思っている方は、希望条件を伝えただけで求人を探してもらえる転職エージェントの利用がおすすめです。
半年以内で辞める新卒は同じ失敗を繰り返さないように!
入社1年以内の離職率で1割程度というデータからもわかる通り、入社半年以内で辞める新卒の数はそう多くありません。
ただ、裏を返せば実際に辞めた新卒も少なからずいるということ。次の出勤日を考えるだけで憂鬱(ゆううつ)になる、という状態が続くようであれば、取り返しのつかない事態になる前に早めに行動に移してくださいね。
もし、宿泊業に興味があり、働きやすいホテル・旅館へ転職したい方は、ぜひおもてなしHRにご相談ください。