一時金で支給される失業手当とは?
失業手当と聞くと、月に1回振り込まれるお金をイメージする人が多いのではないでしょうか。しかし、働き方や受給者の年齢などによっては、一時金の場合もあります。
どのような失業手当が一時金として支給されるのか、種類を見ていきましょう。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
特例一時金
特例一時金は「短期雇用特例被保険者」を対象とした失業手当です。短期雇用特例被保険者に該当するのは、特定の季節だけ短期で働く人(海の家やスキー場の従業員など)の中で、以下のいずれにも当てはまらない人です。
- ・4カ月以内の期間を定めて雇用される場合
- ・1週間の所定労働時間が30時間未満の場合
給付の条件や支給額の算出方法は、以下の記事の「特例一時金」の項目で詳しく解説しています。ご参照ください。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
高齢求職者給付金
高齢求職者給付金は、65歳を過ぎた雇用保険被保険者が対象となる失業保険です。一般的な失業手当と異なり年金との併給が可能。
また、次の条件を満たせば、65歳で定年退職を迎えた後に同じ企業で再雇用された場合でも受給できます。
- ・再雇用後の週の労働時間が20時間未満
- ・労働時間が週20時間以上の仕事を探している
まだまだ元気に働ける世代の再就職を支援する一時金なのですね。高齢求職者給付金の支給条件・支給額については、以下の記事の「高齢求職者給付」の項目をご参照ください。
再就職手当・就業手当
雇用保険の基本手当を受給中の人が、給付日数を残して仕事に就くと「再就職手当」や「就業手当」を一時金として受け取れる場合があります。
再就職手当の対象となるのは基本手当の給付日数が1/3以上残った状態で、1年以上の雇用継続が、確実である正社員などでの採用された場合です。
一方、就業手当は基本手当の給付日数が1/3以上かつ45日以上残っている状態で、常用雇用以外の形態で就業した人が支給の対象です。
受給の条件や給付額などの詳細は、以下の記事をご参照ください。
脱退手当金(旧法)
脱退手当金は、旧法の厚生年金保険法で設けられていた一時金です。
60歳以上で被保険者資格を喪失した人が、老齢厚生年金を受給できる条件を満たしていなかった場合に請求できる制度でした。
現代ではあまりなじみのないものですが、昭和61年4月からは昭和16年4月1日以前生まれの人に限って、以下の条件をすべて満たしていれば受給できます。
-
- 1.被保険者期間が5年以上で老齢年金を受けるのに必要な被保険者期間を満たしていない
-
- 2被保険者資格を喪失していること
-
- 3.60歳以上であること
-
- 4.通算老齢年金、障害年金を受ける資格がないこと
- 5既に脱退手当金の額以上の障害年金、障害手当金を受けていないこと
ただし、厚生年金保険法の改正による経過措置として、前記1.~5.までの要件を満たしていなくても次の条件のいずれかを満たしている場合は、年齢要件に関係なく脱退手当金が支給されます。
-
- 1.明治44年4月1日以前に生まれた人で、男子は被保険者期間が5年以上で55歳以上、女子は被保険者期間が2年以上あって、いずれも被保険者の資格を喪失していること
-
- 2.昭和29年5月1日前に被保険者期間が5年以上の女子が昭和29年5月1日前に資格を喪失し、かつ同年4月30日において50歳未満で、その後被保険者となることなく55歳に達したとき
-
- 3被保険者期間が2年以上ある女子が昭和53年5月31日までに資格を喪失したとき
請求権に係る時効の起算日は、請求日の翌日となります。
脱退一時金
脱退一時金は、日本国籍を持っていない人のための制度です。日本国籍のない人が、国民年金または厚生年金保険の被保険者資格を失い、日本から出国した場合に受け取ることができます。
請求できる期間は、日本の住所がなくなってから2年以内。国民年金と厚生年金保険とで、受給の条件や支給額の計算方法が異なります。
詳細は国民年金機構のホームページでご確認ください。
多種多様な一時金
雇用保険や公的年金には、さまざまな年齢や立場の人に合わせて適切な手当が用意されているのですね。
一般的な会社員ではない人の中には「自分は失業しても手当は対象外」と思い込んでいる人が居るかもしれません。しかし、今回紹介した一時金のように、何かしらの手当が受けられる可能性はあるでしょう。
失業で生活に困ったら、ハローワークや市区町村の窓口など、公的機関に相談してみましょう!
なお、失業手当に関する他の記事は、以下のリンク先にまとめています。ぜひ、失業手当受給の参考にしてくださいね。