「ホテル」と「旅館」の違いとは?
旅行やビジネスなどで利用されるホテルと旅館。
外国の文化が取り入れられているホテル、日本の文化が取り入れられている旅館というイメージを持つ方は多いですよね。
一括りにホテル・旅館と言っても、一つひとつのコンセプトや設備は異なります。
使用しているインテリア家具、スタッフのサービス、ルールなどもさまざまで、コンセプトが忠実に再現されているのは、ホテル・旅館の魅力とも言えるでしょう。
では、両者に明確な違いはあるのでしょうか?
ホテルと旅館の違いについて解説しますので、お目通しくださいね。
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法律から見るホテルと旅館の違い
ホテルと旅館は過去に「旅館営業」「ホテル営業」として、以下のように法律上で明確に区別されていました。
【旅館の定義】
(中略)「旅館営業」とは、和式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。客室は5室以上でなければならない。
【ホテルの定義】
(中略)「ホテル営業」とは、洋式の構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。客室は10室以上でなければならない。
しかし、平成29年12月8日に成立し、12月15日に公布された法改正により、旅館営業とホテル営業は統合され、以下のように定められました。
(中略)「旅館・ホテル営業」とは、施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のものをいう。
つまり、法律上においてホテルと旅館に明確な違いはないというのが現状です。
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ホテルと旅館の違い
ホテルと旅館は、法律上では明確な違いがありません。
しかし、多くの方がイメージする「ホテルは洋風の宿泊施設、旅館は和風の宿泊施設」というように、それぞれ特徴があります。
この項目では、ホテルと旅館の特徴を踏まえた上で、両者の違いを詳しく見ていきましょう。
建物
ホテルと旅館では建物の外観や構造が異なり、ホテルは洋風、旅館は和風な外観をしていることが一般的です。
また、ホテルは基本的に部屋数が多く、階数も高く設計されています。一方、旅館は部屋数が少なめで、上ではなく横に広い構造をしているのが特徴です。
客室
ホテルの客室は洋室、旅館の客室は和室である場合がほとんどです。
しかし、ホテルに和室があり、旅館に洋室があるというケースも決して珍しくはありません。
中には、和室にベッドを置いている客室もあるようです。
このように和洋の要素を取り入れた部屋も存在しますが、一般的には、靴のまま入る客室が洋室、靴を脱いで入る畳敷きの部屋を和室と認識しても良いでしょう。
食事
旅館の場合、宿泊と食事がセットになっているプランが多いです。
しかし、食事付きのホテルは旅館ほど数が多くありません。その代わり、ホテル内のレストランで食事ができるという特徴があります。
また、ホテルは洋食、旅館は和食が出るのがスタンダードです。
すべての施設に当てはまることではなく、和食を提供しているホテルや洋食を提供している旅館も多数存在します。
スタッフの名称や仕事内容
ホテルと旅館では、スタッフの名称や仕事内容に違いがあります。
例えば、ホテルでは「ベルスタッフ」と呼ばれる従業員が働いており、お客様を玄関から客室まで案内し、荷物の運搬をおこないます。
一方、旅館でお客様のお出迎え・お見送りをおこなうのは「仲居」と呼ばれる従業員の仕事です。
仲居は食事の配膳や布団の準備・清掃なども担いますが、ベルスタッフが客室清掃などをおこなうケースはあまりありません。
ホテルは業務によって細かく役割が分担されているため、食事の準備や清掃については、別に専門のスタッフが存在します。
多彩なホテル・旅館での時間を楽しもう!
現代は、多彩な宿泊施設が展開されており、すべてのホテル・旅館に当てはまるような明確な違いは多くありません。
一つひとつの施設に特徴があり、それぞれの場所で違う楽しみ方ができる点がホテル・旅館の魅力とも言えるでしょう。
施設の利用をお考えの方は、ぜひ充実した宿泊時間をお過ごしくださいね。