ライフスタイルそのものを変えるIターン就職・転職
Iターン就職・転職とは、生まれ育った故郷から他の地域に移住して仕事に就くことを指します。
主に首都圏などの都市部で生まれ育った人が、地方に移住して就職することを指しますが、地方から都市部への移住・就職を含む場合もあります。
生活の基盤を移すことになるため、暮らし方、家族のあり方など、理想とするライフスタイルを主軸におき、働き方を考えることができるでしょう。Iターン就職・転職を選ぶ理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
都会生活への疑問
商業施設が立ち並び、交通のインフラが整備された都会の生活は、利便性が高く最先端の文化など刺激にも満ち溢れています。
一方で、人混みへのストレスや、都会生活に何か物足りなさを感じ、Iターンという選択をする人もいます。都会から離れて田舎でのんびり暮らしたいと考える人は、子育て中のファミリー世帯や定年後の年配者など幅広い世代に見られ、ある程度知っているエリアやまったくゆかりのない地域など行き先はさまざまです。
その地域の魅力
地方でしかできないことにチャレンジしたいという思いで、Iターン就職する人もいます。「その地方を元気にしたい」「その地方にある産業で働きたい」など、特定の地域に強い興味を持ってIターンを選択する人は、若い世代で多く見られます。
過疎化が進む地域の町おこしや、リゾート地での宿泊業や観光業、その地域に深く根付いた伝統に携わる仕事など、そこでしか得られない経験は貴重に感じられるでしょう。また、旅行でたまたま訪れた地域の雰囲気や自然に魅了され、Iターンを決心した移住者の声も聞かれました。
自治体の支援制度
全国の自治体では、Iターン就職・転職を支援する動きが活発です。仕事の斡旋や滞在施設の提供、交通費の補助など、さまざまな支援が自治体ごとに行われています。
中には、Iターン就職・転職した対象者に最大100万円もの補助金を用意するなど、積極的にIターンの受け入れを行っている地方もあります。Iターンするためには、引っ越しや新しい住まいの取得などさまざまな費用がかかるため、自治体による支援制度は大きな魅力に感じられるでしょう。
このようにIターン就職・転職する人の中には、田舎暮らしへの憧れや地方への関心、充実した自治体の支援制度などの理由から、Iターン就職・転職を選ぶケースが多く見られます。また、理由はひとつだけではなく、さまざまな出来事のタイミングが重なり、Iターン転職・就職に至るケースもあります。
参考:移住補助金について/内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生
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Iターン就職(新卒)の志望動機を考えるときに気をつけるポイント
新卒でのIターン就職では、Iターンを選んだ理由や目的が志望動機に大きく関係してきます。まずは、「なぜその地域に転居してまでそこで働きたいのか」という、Iターンの理由を明確にすることが大切でしょう。
ここでは、Iターン就職の志望動機を考えるときに気をつけるポイントを紹介します。
その地域を選んだ理由を盛り込む
採用する側にとっては「なぜこの会社を選んだのか」という理由も重要ですが、「なぜこの地域を選んだのか」も知りたくなるのではないでしょうか。
地域に特別な思いがあることを志望動機で示すと、採用側も納得しやすいかもしれません。その地域を選んだ理由と志望動機に一貫性を持たせることで、信頼を得ることにもつながるでしょう。
どのように強みをいかすか
地方の企業の中には、Iターン就職者に新しい風を吹き込んでほしいという思いを持った企業もあります。
自分の強みをいかして、どのような働き方をしたいのか、ビジョンを志望動機に盛り込むと良いでしょう。特に、Iターン就職の理由として、その地方にある特定の産業で働きたい思いがある場合は、自分の強みと仕事内容をつなげやすいかもしれません。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
Iターン転職(中途)の志望動機を考えるときに気をつけるポイント
Iターンして転職する際も、その土地を選んだ理由を明確にすることが、志望動機を考える上で重要です。ただし、Iターン就職とIターン転職では、アピールするポイントが若干異なります。
ここでは、Iターン転職の志望動機を考える上で気をつけるポイントについて紹介します。
転職理由をポジティブに転換
Iターン転職の場合、採用側では「なぜ転居してまでこの地で働きたいのか」という疑問に加えて、「なぜ仕事を辞めてまで」という疑問が浮かぶでしょう。仕事を辞めた理由を志望動機につなげることで、採用側も納得することができます。
たとえ消極的な理由で前職を辞めたとしても、ポジティブに転換して説明することで、採用側に良い印象を与えられるのではないでしょうか。
自分のキャリアがどのように役立つか
一般に、地方では中小企業が多く、大企業に比べると即戦力を求める傾向があると言われています。
Iターン転職では、前職でどのような経験をしてきたのか、経験をどのようにいかして働くのかについての内容を志望動機に盛り込むと、採用側への良いアピールになるでしょう。
Iターン就職・Iターン転職の志望動機の例文を見てみよう
ここまでの解説をふまえて、Iターン就職・Iターン転職の志望動機を例文で見てみましょう。
例文・Iターン就職の志望動機
「私は大学1年生のころ、友人との旅行でこの地域を訪れました。市内の牧場や観光農園をめぐった際にあじわった牛乳や野菜がとてもおいしく、感動しました。
就職活動の時期を迎えた現在でもその感動が忘れられず、この地域の食材に携わる仕事をしたいと考えていたところ、御社の求人情報を見つけました。
地場産品を使った料理が自慢のレストランを備えた御社のホテルで働き、訪れた人々に自分が感じたおいしさを伝えたいと考え、応募しました。もし内定をいただけましたら、学生時代に飲食店のアルバイトで培った接客スキルや調理技術をいかして貢献したいと考えております。」
例文・Iターン転職の志望動機
「私は現在、東京都内のシティホテルでフロントスタッフをしております。○○県への移住を考えたきっかけは、研修旅行でこの地を訪れた際に、地域全体のおもてなし力が高いと感じたことでした。
現在、勤務している職場は『どのお客様も大切に』というスタイルで、クオリティの高いサービスを提供するホテルだと自負しています。しかしながら、画一的な対応になりがちで、自分がめざすおもてなしと、職場の方向性とにかい離があると感じています。
ひとりひとりの旅行者にしっかり向き合う風土が根付いたこの地域で、ホテルマンとしてさらに高いスキルを身につけたく、移住を伴う転職に踏み切りました。地域の中でも特に深い歴史を持つ御社のホテルで、これまでの経験をいかして働きたいと考えております。」
可能性に満ちたIターン転職・就職
ライフスタイルそのものを変えるIターン転職・就職は、ライフスタイルそのものを大きく変化させます。かんたんに踏み切れることではありませんが「地方でしかできないことにチャレンジしたい!」という思いがある方は、ぜひ前向きにチャレンジしてみてくださいね!
なお、Iターン後の仕事探しはおもてなしHRが力になります。