豊かな自然や温泉に恵まれた岩手県は、移住先として人気があります。しかし、いきなり移住すると、生活環境や仕事の不安が大きく、適応に時間がかかることがあります。一定期間その地域での暮らしを体験できるお試し移住を利用してみるのがよいかもしれません。今回は岩手県内でお試し移住を実施している自治体を紹介します。また、各市町村の特徴やお試し移住先の詳細も確認しておきましょう。
お試し移住ができる岩手県の特徴
酪農や文学で有名な岩手県。本州の北東部に位置しており、南北に長い楕円形をしています。
県土が広いので地域によって気候が異なり、奥羽山脈の山沿い地域だと冬は積雪量が多い豪雪地帯ですが、内陸部は夏と冬、昼と夜とで温度差が大きいという特徴があるようです。
沿岸部は内陸部よりも暖かく、積雪量もわずかとなっています。全体的に四季の移り変わりがはっきりしているので、季節ごとの表情を楽しめるでしょう。
また、東北屈指の温泉地として知られる花巻温泉や、開湯900年以上の歴史を誇るつなぎ温泉といった温泉地も点在しています。
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岩手県でお試し移住ができる自治体
岩手県には33の市町村があり、お試し移住を実施している自治体がたくさんあります。
ここでは、岩手県内でお試し移住を実施している地域を厳選して紹介します。各市町村の特色やお試し移住の詳細を詳しく解説するので、移住を検討している方は参考にしてくださいね。
盛岡市のお試し移住
岩手県の県庁所在地である盛岡市は、人口28万406人(2024年10月1日現在)の県中部に位置する市です。盛岡市の特色と、お試し移住の詳細を見てみましょう。
盛岡市の特色
県庁所在地である盛岡市は、新幹線の駅がある岩手県の玄関口。盛岡駅には東北新幹線・秋田新幹線のほか、複数の在来線が乗り入れています。
江戸時代には南部藩の城下町として栄えていたという歴史があることから、レンガ造りや明治時代の洋風建築などの歴史的な建物が今も数多く残っているのが特徴です。
エキナカの商業施設には岩手の名物・名品が勢ぞろい。見ているだけでも楽しいエリアといえるでしょう。駅前には仙台行きの高速バスが発着しています。
また、学校・病院はもちろん、大型商業施設や美術館、映画館などの文化施設も充実しているのが特徴です。
その一方で市街地を少し離れると、雄大な御所湖のほとりの公園やキャンプ場といった自然の中の遊び場があります。
便利な暮らしを送りながら、のびのびと子育てができる環境といえそうです。
盛岡市のお試し移住の詳細
盛岡市では、市内にある戸建て住宅を利用した移住体験ができます。徒歩5分圏内にスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアなどがあるため、利便性が高いのが特徴です。
入居期間は1週間以上3週間以内となっており、無料で使用することが可能です。ただし、電気料、ガス代、水道料、入居期間中の食事・日常生活に係る諸費用は負担する必要があります。
出典:人口と世帯数/盛岡市
出典:盛岡市お試し移住体験事業/盛岡市
久慈市のお試し移住
岩手県の北東部に位置する久慈市は、人口3万1319人(2024年10月末現在)の市です。久慈市の特色と、お試し移住の詳細を見ていきましょう。
久慈市の特色
久慈市は日本最大の琥珀産地として知られており、国内で唯一の琥珀博物館がある地域です。また、漁業も盛んで、久慈市の小袖海岸では伝統の漁法を伝える「北限の海女」が活躍しています。
市街地の中心部にある久慈駅はJR東日本の八戸線と、南に続く三陸鉄道のリアス線の終着駅であり、北限の海女を題材にしたドラマのロケ地としても有名です。
久慈市のお試し移住の詳細
久慈市では、市内にあるお試し移住用の戸建て住宅で移住体験ができます。2泊3日から14泊15日の利用が可能で、料金は1日あたり2000円、水道光熱費は別料金です。
戸建て住宅は、古民家のような趣が感じられる外観。しかし、室内にはフローリングが施された部屋もあり、和と洋が融合したモダンな雰囲気です。
板間には囲炉裏が設置されており、温かみのある火を囲みながら、ゆったりとした時間を楽しむことができそうです。現代の住宅において囲炉裏付きの住宅は珍しいので、普段の生活では味わえない体験ができるでしょう。
なお、暖房設備がないので、利用できる期間は5月から10月末までとなっています。
出典:世帯と人口(住民基本台帳)/久慈市
出典:久慈市の移住体験施設 – お試し暮らし住宅/久慈市
陸前高田市のお試し移住
岩手県南東部にある陸前高田市は、人口1万7299人(2024年10月末現在)の市です。陸前高田市の特色と、お試し移住の詳細を見ていきましょう。
陸前高田市の特色
宮城県との県際に位置し、三陸海岸の南の玄関口となっている陸前高田市。市の面積は約231平方キロメートルで、その7割を森林が占めています。
三陸沿岸に位置しているため、海洋の影響と地理的条件から四季を通じて比較的温暖な気候となっているのが特徴です。
東日本大震災では甚大な被害を受けた陸前高田市でしたが、2017年には専門店街とスーパー、ドラッグストア、衣料量販店などが複合した大型商業施設がオープンし、現在ではにぎわいが戻っています。
陸前高田市のお試し移住の詳細
陸前高田市では、家賃月1万円で移住体験ができます。
利便性に優れた水上団地と、大野海岸海水浴場が一望できる大野団地にある市営住宅が最大1年間利用でき、家具家電もついているので快適に過ごせそうです。
出典:令和6年度人口・世帯数(住民基本台帳)/陸前高田市
出典:陸前高田お試し移住
平泉町のお試し移住
岩手県南部にある平泉町は、人口6759人(2024年10月末時点)の町です。平泉町の特色と、お試し移住の詳細を見ていきましょう。
平泉町の特色
岩手県の南部に位置する平泉町は、奥州藤原氏が平安時代に築いた中尊寺や毛越寺、達谷窟毘沙門堂などの文化遺産が数多く残る町です。
その中でも中尊寺にある金色堂には、金箔、螺鈿細工、象牙や宝石を用いた精緻な装飾が施されています。
また、東北新幹線の一ノ関駅から電車でアクセスできるため、首都圏や東北各地からの訪問がしやすいでしょう。
平泉町のお試し移住の詳細
平泉町では、家電などが整備された町営住宅にて移住体験ができます。家賃は月1万円で、高校生を除く18歳から59歳までで県外からの移住・定住を希望している方であればお試し移住ができるようです。
また、入居要件として、町公式SNSなどにおいて町内での生活の様子や魅力を発信したり、町が実施するアンケートに協力したりする必要があります。
町営住宅は2カ所あり、上野台団地にある住宅は1LDK、高田前団地にある住宅は3Kの間取りとなっています。
出典:平泉町
出典:平泉お試し居住体験事業/平泉町
山田町のお試し移住
岩手県沿岸中部の三陸地方に位置する山田町は、人口1万3930人(2024年10月1日現在)の町です。山田町の特色と、お試し移住の詳細を見ていきましょう。
山田町の特色
陸中海岸のほぼ中央に位置する山田町は、美しいリアス式海岸を持つ海の町です。町内には海水浴場が3カ所あり、カキ小屋や巡行船などのレジャーが楽しめます。
山田湾と船越湾の2つの湾を擁しており、その沖合は親潮と黒潮が交差する世界でも有数の漁場です。殻付きカキやイカ、アワビ、ウニなど豊かな漁業資源に恵まれています。
町の中心部には南三陸鉄道リアス線とバスが通っているため、町内の移動は便利です。また、三陸自動車道の山田インターチェンジも町の中にあり、高速道路を使って1時間半ほどで盛岡市内にアクセスできます。
山田町のお試し移住の詳細
山田町では、1泊2日から30泊31日まで利用できるお試し住宅を提供しています。利用料金は1人あたり1日500円で、水道光熱費込みの金額です。ただし、飲食費や灯油代は利用者負担となります。
冷蔵庫や炊飯器、電子レンジ、掃除機などの生活に必要な備品は一通り揃っており、トイレットペーパーや洗濯洗剤などの消耗品も事前に一定量用意してくれるのが特徴です。滞在中になくなった場合は、購入する必要があります。
出典:人口と世帯数/岩手県山田町
出典:山田町移住お試し住宅について/山田町
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岩手県へ移住する際のお仕事探しはおもてなしHRにおまかせ
33の市町村がある岩手県では、盛岡市や久慈市、陸前高田市以外にもたくさんの自治体でお試し移住の取り組みを実施しているようです。
すべての自治体を紹介することはできませんでしたが、もし気になる自治体がありましたら、これを機に岩手県へのお試し移住を検討してみてはいかがでしょうか。
数日などの短期で利用できるものから、数カ月などの長期で利用できるものなど、さまざまなお試し移住があります。詳しくは、岩手県の移住定住ポータルサイトに掲載されているので確認してみてくださいね。
なお、岩手県への移住を考えていて宿泊業のお仕事を探しているという方は、おもてなしHRにご相談ください。
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