地方創生とテレワーク
ここでは、地域創生とテレワークの関係性についてみていきましょう。
テレワークとは
時間や場所にこだわらず業務を行う形態のことを指します。自宅勤務、本社以外の場所への勤務、顧客先での業務の実施などは全てテレワークに該当します。企業によってどのような働き方をテレワークと呼ぶのかは異なるのが実状です。
また、テレワークは労働者に大きな負担をかけず、地方創生にも一定の効果を上げられる可能性を有している働き方です。とくに、テレワークのために事業や業務を分割するサテライトオフィスの設置や誘致は、地方自治体が取り組まなければ実現は難しいといえるでしょう。
サテライトオフィスは、
- ・地方の郊外に置く
- ・都市の中心部に置く
- ・地方が誘致した場所に置く
といった形態があります。
どれもある程度の効果が見込めるだけでなく、シェアオフィスとの親和性が高いことも特徴の1つ。サテライトオフィスは、普及することによって、新しい働き方や価値観をより一般的なものにしていくことが想定されます。
サテライトオフィスは、既にいくつかの自治体で地方創生の一環として成功を収めています。特にITとは縁がなかったような地域でも、町の新しい事業の1つとなることが可能です。
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テレワークの現状
ある調査によると、300人未満の企業でテレワークを実際に導入している企業は数%ほどです。しかし、導入を検討している企業は50%以上にも上ります。つまり、様子見の企業が非常に多く、何か決定打となるような生産性の向上などの効果があればさらにテレワークを導入する人々は増加していくでしょう。
テレワークを検討している企業は、
- ・社内環境が原因で人材を失うぐらいであればテレワークで確保しておく
- ・社内事務を外部に投げることなく、テレワークを行う人々に任せられる
- ・介護、育児による退職の防止
といった狙いがあります。
また、実際にテレワークを導入した企業からは、社内環境に縛られないため、仕事の質が向上しているといったデータも。
しかし、テレワークに対しては、福利厚生のような扱いとしている企業も少なくありません。生産性の向上や顧客満足度の上昇といったさらなるデータがあれば、更にテレワークの考え方は一般化するでしょう。
テレワークの課題
テレワークで最も大きな障害となるのは、セキュリティです。データのやり取りを行う場合、どのような方法でセキュリティを担保するのかは統一していなければなりません。また、サーバーに対するハッキングなどもあり得るものの、個人単位においてはウィルスによる感染での情報流失もあり得るでしょう。
また、労務管理や適正な人事評価が難しい面なども懸念点です。そのため、テレワークの導入には社内制度の改革が必要です。社内制度の改革は、担当者だけでなく、経営者とも話し合いを重ねなければなりません。ちなみに、働き方改革における残業規制なども時間管理の大きな課題の1つとなっています。
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地方創生におけるテレワークの事例
テレワークの事例にふれていきましょう。事例にふれることによってテレワークが地域創生にどのよう効果を及ぼすのか明確に把握することが可能です。
事例1
世界的なIT企業の1つでは、男女含めてテレワークを採用しています。特に女性の離職率を40%以上改善し、人材を失うことなく残業時間まで削減できました。テレワークを採用していなければ、従業員の満足度が上がることもありませんでした。
事例2
地方自治体と企業が連携を強め、廃校となった小学校をサテライトオフィスとして開発。また、人材の採用も開始しており、少しでも地域創生をサポートすることができました。今後、サテライトオフィスを運用しながらさらなる事業の展開と地域の活性化を目指していく予定です。
また、あるリゾート地ではワーケーションと呼ばれる短期リモートワークを行うといった働き方もあります。フリーランスやテレワークを行う人々が増加した場合、サテライトオフィスなどを開放することによってテレワークに対する認識が高まっていくといえるでしょう。
テレワークを行う目的は、人材の流失を防ぐことにあります。地方創生においてもその考え方は変わりません。そして、テレワークを導入したことによって新しい雇用の創出などが可能になります。
テレワークは地方創生をサポートできる
テレワークを導入するメリットは地方創生にもあります。地域の経済が活性化するだけでなく、官民で連携したうえで、新しい雇用の創出までを行うことが可能です。
テレワークそのものは、まだ日本社会に馴染みの薄い働き方です。しかし、地方創生に対する新しい対策の1つなり得る可能性を持っています。データ入力などの簡単な業務が多いものの、徐々に任せられる業務の幅が広がっていく可能性もゼロでありません。