地方での就職が難しいとされている理由は?
地方での就職が難しい理由として、よく挙げられるものを下記にまとめました。
・企業数が少ないため、求人も少ない
・携わることのできる業種や職種が限られる
・希望の条件を満たす求人を見つけるのが難しい
・収入が少ない
・転職活動のために費用や時間がかかる
このようなデメリットから、地方での就職が難しいと感じられてしまうようです。確かに、上記の点を軸にして就職活動をしている人にとっては、難しいと感じてしまうのも無理はありません。
しかし、有効求人倍率という点にのみ注目してみると、どうやら首都圏と地方の間に大きな差は見受けられないのです。下表をご覧ください。
有効求人倍率(令和2年6月) | |
全国 | 1.13 |
北海道 | 1.03 |
宮城県 | 1.34 |
東京都 | 1.15 |
神奈川県 | 0.80 |
福井県 | 1.79 |
静岡県 | 1.14 |
大阪府 | 1.17 |
山口県 | 1.36 |
福岡県 | 1.09 |
沖縄県 | 0.80 |
こちらの表は、独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表している「都道府県別有効求人倍率」を一部抜粋したものです。
ちなみに、有効求人倍率が一番高かったのは福井県(1.79倍)、低かったのは神奈川県と沖縄県(0.08倍)でした。
1.15倍の東京都としてみても、地方の有効求人倍率が明らかに低いという傾向は見受けられません。
この結果を踏まえ、改めて「地方での就職は首都圏での就職より難しいのか」という疑問について考えてみると、
「就職先に強いこだわりを持っている人にとっては難しいが、『就職する』という点にのみ注目するならば、地方と首都圏の間に大きな差はない」
と結論づけることができるのではないでしょうか。
では、地方で就職をする場合、どのような仕事を選ぶと比較的就職がしやすくなるのでしょうか。次の項目からご紹介していきます。
データ参照:職業紹介-都道府県別有効求人倍率:主要労働統計指標|労働政策研究・研修機構(JILPT)
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地方で就職を考えている方におすすめの仕事:宿泊業
ホテルや旅館をはじめとする宿泊業は、人手を欲している業界ということもあり、地方での就職先としておすすめです。
観光業が盛んな地域に移住すれば、さらに就職しやすくなるでしょう。
資格を持っているに越したことはありませんが、所持していなくても就職に大きな影響がないのが、宿泊業界への就職のいいところ。
「地方に移住したいがやりたい仕事は特に定まっていない」という方は、ぜひ一度ご検討してみてはいかがでしょうか。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
地方で就職を考えている方におすすめの仕事:一次産業
地方への移住と共に、一次産業に携わりたいと考えている人も多いのだとか。
農業や漁業、酪農など、地方によって盛んな分野が異なるため、特定のものに興味がある場合は、十分な下調べが必要となるでしょう。
ただし、肉体を使う仕事なので「田舎でスローライフ」という理想を抱きすぎないよう注意してくださいね。
地方で就職を考えている方におすすめの仕事:起業
地方へ移住後、起業をする人も珍しくありません。
会社を立ち上げたり、飲食店を始めたり、ペンションなど小規模な宿泊施設を構える人もいることでしょう。
首都圏に比べて土地や物の価格も安く、固定費が抑えられるのも大きなポイント。通信技術が発展している昨今、地方で起業するリスクはかなり軽減されているのではないでしょうか。
地方で就職を考えている方におすすめの仕事:在宅ワーク
新型コロナウイルスの流行により、急速にリモートワーク環境が発達した昨今、「首都圏に住み続ける必然性がなくなったため、地方に移住することにした」という人が増えているようです。
家でできる仕事ならば、どこへ住んでいても問題はありません。定期的に出社しなければならない場合も、月に1~2度のペースであれば地方へ移住しても大きな支障は無いのではないでしょうか。
地方での就職に困ったら行政を頼ってみよう
とにかく地方へ移住したいという気持ちは強いものの、就職活動をどのように行えばいいのか分からないという方は、行政の力を頼ってみるのもアリです。
今回は、「地域おこし協力隊」と「起業支援金」についてご紹介していきましょう。
地域おこし協力隊
国は移住者に対し、「地域おこし協力隊」という取り組みを行っています。地域おこし協力隊の定義をご紹介しましょう。
地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に移住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。
移住者が地域おこし協力隊に所属し、地域に貢献する活動を担うことで、就労と同時に地方への定着を促すという取り組みです。
活動期間は1年から3年で、総務省からは隊員一人当たりに470万円を上限とした、活動に要する経費が支給されます。
なお、月々の給料は16万6千円をベースとし、地域によってはおよそ20万円ほど支払われることもあります。
地域おこし協力隊の待遇は地方ごとに異なるため、入隊を検討している方は給料や副業に関する取り決めなどについて、事前に調べておきましょう。
データ参照:総務省|地域力の創造・地方の再生|地域おこし協力隊
起業支援金
起業支援金とは、都道府県が地域の課題解決へと繋がる社会的事業を起業する方に対し、交付金を支給する事業です。
起業のための伴走支援と事業費への助成を通じて効果的な起業を促進し、地方創生を実現することを目的としています。
事業分野は幅広く想定されており、
・子育て支援・地域産品を活用する飲食店
・買い物弱者支援
・まちづくり推進
など、地域の課題に応じた事業の起業が対象となります。
都道府県が選定した執行団体が、計画の審査や事業立ち上げへの支援を行うとともに、起業に必要な経費の2分の1に相当する額を交付します。
なお、地方へ移住して社会的事業を起業した場合には、移住支援金と起業支援金の両方が受けられるケースがあるようです。
金額は最大200万円支給されますので、地方での起業をお考えの方は、ご自身が対象になっていないかチェックをしておきましょう。
データ参照:起業支援金・移住支援金 – 地方創生
「地方に移住したら仕事は見つかるの……?」そんな疑問にお答えします!
首都圏に比べて求人数は少ないが、地方で就職するのは難しくない!
求人の絶対数は首都圏に比べると少ないものの、地方での就職が極端に難しいわけではありません。
むしろ、業種や職種によっては就職がしやすいケースもあります。
やりたい仕事とマッチする企業が地方に多い場合もあるので、まずは情報を集めることから始めましょう。
また、宿泊業に携わりたいとお考えの方には、当社サービスの「おもてなしHR」の利用がおすすめです。
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