衛生管理者とは、職場で労働者の健康や職場の安全を管理し、守るための国家資格です。
常時、50人以上の労働者が居る職場には必ず健康管理者の有資格者を配置することが義務付けられており、就職に有利な資格と言えるでしょう。
この記事では、受験方法や勉強方法、ホテル業界の就職市場における有資格者の需要について解説します。資格取得の参考に役立ててくださいね!
衛生管理者の資格はホテルの就職に役立つのか?
「衛生管理者」とは、職場で労働者の健康や作業環境の安全を管理し、労働衛生教育や健康保持増進措置を行う国家資格です。
常時50名以上の従業員がいる職場では、労働者と使用者が安全衛生について話し合う「衛生委員会」の設置が義務付けられており、そのメンバーには衛生管理者の有資格者が必要です。つまり、ホテルの規模によっては衛生管理者の資格が必須となるケースがあります。
衛生管理者の資格には以下の種類があります。
- 第一種衛生管理者:すべての業種で衛生管理者として働くことができる
- 第二種衛生管理者:有害業務との接点が少ない業種(情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など)でのみ有効
大規模ホテルや宿泊施設で従業員の安全・健康管理に関わるポジションを目指す場合、衛生管理者の資格を持っていると、採用やキャリアアップで有利になることがあります。

宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
衛生管理者の資格取得方法を紹介
ELUTAS / stock.adobe.com
衛生管理者の資格はどのようにして取得できるのでしょうか。受験資格や有効な勉強方法、試験の流れを見ていきましょう。
衛生管理者の受験資格は?
衛生管理者は国家資格です。国家資格と聞くと「大学や専門学校で学ばなければ取れないの?」と思うかもしれませんが、以下いずれかの条件を満たしていれば受験資格があり、独学や通信教育で十分に合格を狙えます。
- 大学、短大または高等専門学校を卒業し、労働衛生の実務経験が1年以上ある
- 高校、または中学校を卒業して、労働衛生の実務経験が3年以上ある
- 学歴を問わず労働衛生の実務経験が10年以上ある
「労働衛生の実務経験」として認められるのは、次のような業務です。
- 健康診断実施に必要な事項又は結果の処理の業務
- 作業環境の測定等作業環境の衛生上の調査の業務
- 作業条件、施設等の衛生上の改善の業務
- 労働衛生保護具、救急用具等の点検及び整備の業務
- 衛生教育の企画、実施等に関する業務
- 労働衛生統計の作成に関する業務
- 看護師又は准看護師の業務
- 労働衛生関係の作業主任者(高圧室内、エックス線ガンマ線投下写真撮影などの業務に限る)としての職務
- 労働衛生関係の試験研究機関における労働衛生関係の試験研究に従事
- 自衛隊の衛生担当者、衛生隊員の業務
- 保健衛生に関する業務
- 保健所職員のうち、試験、研究に従事する者等の業務
- 建築物環境衛生管理技術者の業務
専門性の高い仕事だけでなく健康管理の処理や置き薬の管理といった業務でも、労働衛生の実務として認められるようです。決してクリアできないハードルではないでしょう。
衛生管理者試験の申込方法・提出書類は?
衛生管理者の資格を取得するには、まず 「免許試験受験申請書」 を入手する必要があります。入手方法は以下の通りです。
- 全国7カ所の「安全衛生技術センター」へ直接取りに行く
- 安全衛生技術試験協会のホームページから郵送で取り寄せる
申請にあたっては、自分の受験資格に応じた書類を準備します。
- 卒業証明書のコピー(母校発行)
- 事業者証明書(勤務先の事業主や総務課に記入してもらう)・事業者証明書は免許受験申請書とセットで入手可能・協会のホームページからダウンロードも可能
- 本人確認書類
- 証明写真
- 受験料の支払い(申請書に同封の振込用紙を使用)
- 氏名変更がある場合は戸籍謄本の添付も必要
提出方法は郵送または 安全衛生技術センター窓口への持参が可能です。提出後、試験の20日前までに受験票が届きます。
試験は各安全衛生技術センターで月に数回実施されます。締切日や詳細は安全衛生技術試験協会のホームページを確認してください。
衛生管理者試験に合格できる勉強方法は?
衛生管理者試験は国家資格ですが、難易度は極端に高くありません。
2024年度の合格率は、第一種が46.3%、第二種が49.8%です。とはいえ、誰でも簡単に合格できるわけではないため、計画的な対策が重要です。
独学での勉強
多くの受験者が実践しているのが、テキストや問題集を使った独学です。
- テキストを読み込み、問題集を解く反復学習で暗記
- 費用を抑えられる
- 衛生管理の基礎知識がまったくない場合は、4〜6カ月程度の勉強期間が目安
通信講座の利用
効率的に合格を目指したい場合は、通信講座も有効です。
- 勉強ペースやスケジュール管理のサポートあり
- 見やすく分かりやすい独自テキストや問題集が利用できる
- 自分のペースで学べるため、仕事と両立しやすい
会社のサポートを確認
職場によっては、受験費用や教材費を負担してくれる場合があります。受験を考えている方は、事前に会社の制度を確認してみると安心です。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
ホテルにおける衛生管理者の役割

fotofabrika- stock.adobe.com
衛生管理者は、ホテル業界の就職で有利に働く資格のひとつです。
従業員の健康管理や職場の安全確保は、ホテルにおいて特に重要です。
従業員が体調を崩せば、お客様へのサービスにも影響しますし、過去にはホテルでの食中毒やガス中毒の事例も報告されています。
衛生管理者は、こうした事故を未然に防ぐための知識と責任を持ち、職場環境の安全維持や労働衛生教育の実施などに携わります。
資格を取得していることで、ホテル側に「安全管理に責任を持てる人材」としてアピールできるため、就職・転職の際の強みになります。
資格を活かせる仕事を探す出典:安全委員会、衛生委員会について教えてください。/厚生労働省出典:衛生管理者について教えて下さい。/厚生労働省出典:安全衛生技術試験協会出典:統計/安全衛生技術試験協会
衛生管理者の資格をいかした就職はおもてなしHRで!
衛生管理者の資格をいかしてホテルで働きたい、これから資格を取ってホテルに就職したい!という人は、わたしたちおもてなしHRをご活用ください。
おもてなしHRは、宿泊業界を専門とした就職・転職支援サービスです。保有資格や経験、希望を考慮し、あなたにぴったりの職場を紹介します。
採用担当者に直接聞きにくいことや、面接日時の調整といったことも相談に乗ります。完全無料のサービスなので、まずは気軽に登録してみてくださいね。
おもてなしHRに登録する














Facebookでシェア
X(Twitter)で投稿







































































































































