稲取温泉とは
江戸時代からの伝統行事を、今も大切に守り継ぐ稲取温泉。ここでは、稲取温泉の概要や歴史についてご紹介します。
稲取温泉の概要とアクセス
稲取温泉は静岡県東伊豆町にある温泉地で、伊豆大島を望む絶好のロケーションに位置する風光明媚な温泉地です。
東伊豆町は伊豆屈指の湯どころでもあり、海沿いには稲取温泉をはじめ、大川温泉、北川温泉、熱川温泉、片瀬温泉、白田温泉の6つの温泉地があります。その中の稲取温泉は「つるし飾り発祥の地」とされ、稲取独自の美しい風習は今も大切に守り継がれています。
最寄りの駅は伊豆急行線の伊豆稲取駅で、駅から温泉までは車で5分ほどの距離です。東京からは特急を利用して、2時間20分ほどでアクセスできます。
稲取温泉の歴史と現状
稲取温泉は1956年に開湯した、比較的新しい温泉地です。金目鯛を冷凍せずに持ち帰れる土地の強みを生かし、旅館やホテルが料理に力を入れ研鑽を積んだ結果、「食」の稲取、「味」の稲取と言われるまでに成長しました。近年では、稲取の自然や文化を肌で感じられるよう、「着地型(体験イベント)ツアー」も実施され、観光客誘致に向けて取り組んでいます。
現在、東伊豆町では観光産業が主幹産業となっており、年間80万人を超える宿泊者に利用されています。
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稲取温泉の泉質と効能、観光資源について
保湿効果が高いと評判の稲取温泉。ここでは、稲取温泉の泉質や効能、観光資源についてご紹介します。
稲取温泉の泉質と効能について
稲取温泉は硫酸塩泉が主な泉質で、効能は神経痛やリウマチ、動脈硬化、高血圧など、さまざまな症状に効果が期待できるとされています。塩分を多く含んでいることから、保湿効果が高く湯冷めしにくいことでも評判です。
近年では稲取温泉の温泉成分を使った入浴剤などオリジナル商品が開発され、東京のアンテナショップなどでも販売されています。
稲取温泉の観光について
稲取温泉には、近年新たな観光スポットとして注目されている「稲取細野高原」があります。伊豆稲取駅の北西約3kmの場所に広がるこの高原は、東京ドーム26個分の広さを誇り、春はワラビやタラノメなどの山菜狩り、秋は黄金色に輝くススキ野原の幻想的な景観、隣接する三筋山の山頂からは、伊豆七島を望む絶景を見ることができます。
また、稲取は「雛のつるし飾りまつり」や「どんつく祭」などの伝統行事も盛んで、温泉街を盛り上げています。江戸時代から伝わる「雛のつるし飾り」は稲取が発祥の地で、雛祭りの時、子どもの幸せを祈り雛段の両脇に人形を飾る風習です。毎年1月~3月の間に飾られ、まちには大勢の人が訪れます。
6月に開催される「どんつく祭」は、弥生時代中期から伝わる奇祭で、夫婦和合や子孫繁栄などの願いを込め、奇妙な仮装をして踊りを競い合い、フィナーレでは花火大会が夜空を彩ります。
海に面し漁港を有する稲取のグルメと言えば、日本有数の漁獲高を誇る金目鯛。漁港へ運ばれると地元の旅館やホテルなどが買い付けに来て、その日の夕食に多彩に調理された新鮮な金目鯛が提供されます。築地では日本で一番の高値を付けられる程、稲取の金目鯛は評価が高いそうです。
また、郷土料理として「まご茶漬け」というものがあります。これは、漁師が忙しいときに、「まごまご食べていられねえ」ことから誕生したのだとか。魚介を刺身にするかたたいて、しょうがじょうゆに漬け、ご飯の上にのせてお茶やダシをかけて食べるそうです。
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稲取温泉にあるホテルや旅館での働き方と暮らし
稲取温泉の旅館やホテルで働く
稲取温泉は伊豆大島を望む立地にあり、浴場からの景色にこだわりを持っている温泉宿が多いのが特徴です。その中で、近年リニューアルオープンした温泉旅館をご紹介します。
家庭的な雰囲気を大切にしているこの旅館では、新卒や未経験で入社した先輩がたくさん活躍しています。客室係では、スタッフのアイデアで独自の「お客様カルテ」を作成。リピーターが多く、担当制でおもてなしを行うこの旅館では、このカルテが大変役立っているそうです。調理では未経験でもしっかりと指導がされるということで、専門的に料理を学ぶことができるでしょう。
スタッフ自らが考え実践できる、風通しのよい職場環境となっているそうです。
稲取温泉の暮らし
海や山、川の豊かな自然に囲まれた、東伊豆町の稲取温泉。温暖な気候に恵まれ、過ごしやすい地域です。町内にはスーパーや病院などもあり、日常の生活には事欠きません。また、毎週土日祝日には朝市も開催されており、新鮮な魚介類や地場野菜など、四季折々の特産物を味わうことができます。
豊かな自然と古くからの伝統行事を大切に守り継ぐ稲取温泉
伊豆七島を一望する、雄大なロケーションに位置する稲取温泉。古くからの伝統行事を親から子へと大切に守り継ぐ、豊かな風習が育まれた地でもあります。
東伊豆町では移住を検討している方を対象として、お試し体験住宅を提供しています。築100年以上の古民家に最長1カ月間滞在し、東伊豆町の暮らしが体験できるそうです。東伊豆町の移住に関心のある方は、利用してみてはいかがでしょうか。